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ミチリーア・カジルス2
「オブレオサジュール公爵令嬢については何と言っていましたか?」
「成績のこと、お家のこと、妹さんではなかったようですけど、マキュレアリリージュさんのことを話していました。ですから成績が上がって、おそらく隠してらしたのだと思って、私は胸がすく思いでした」
始めのおどおどした様子は何だったのかと思うほど、饒舌に語るミチリーアは随分、溜め込んでいたのだろうと感じた。
「成績のことは二人は何と話していましたか」
「カンニング、別の人が受けたなどとも言っていました。そんなはずありません」
私見は徹底管理されているのに、馬鹿じゃないないのかと思いながらも、表情には出さずに聞いていた。
「ですが、イズカフェに誘ったのはあなたですよね?」
「はい、実際は姉が頼まれたことを、私が学園で誘うように言われたのです。申し訳ない気持ちでした。でも連れて行かないと文句を言われるので……個室に一人で来させるようにも言われていたのですけど、オブレオサジュール公爵令嬢に否定されて、後からどうして護衛や侍女を待たせなかったのかと、私のせいで上手くいかなかったと酷く怒られました」
ミチリーアは本当に嫌だったようで、顔を歪ませながら、話し続けた。
イズカフェでもマレアに睨まれていたが、モリーたちが帰ってから、どうして一人ではないのか、おかげで上手くいかなかった、ミチリーアのせいだと散々言われた。
気が変わっていないか聞くようにも言われていたが、ミチリーアがおいそれと近付けるような方ではなく、話せなかったと報告すると、また叱られた。
「あの時、何の話をするかはご存知でしたか?」
「知りません。姉は知っているようでしたけど、私には教えてもらえませんでした」
二人だけが知っていて、ミチリーアだけ知らないということはよくあったので、またかと思っていた。
「一緒にいた女性のことは?」
「魔術師だとは聞きましたが、それ以上は聞いていません。まさか傷付けるつもりなのかと思って、ドキドキしていました」
「だったら護衛も一緒で良かったですよね」
「はい、でもあの時は後で怒られるだろうことは分かっていたので、それも嫌だったのです。今となってはオブレオサジュール公爵令嬢には大変失礼なことをしました。可能なら謝罪をしたいです」
サリリーナは直接か関わっていないのか、モリーヘ謝罪という言葉は出て来なかった。だが、ミチリーアは直接話をしたり、同級生ということもあってか、申し訳ない気持ちがあるのだろう。
「内容は今も知らないままですか?」
「はい、知りません。知りたいとも思っていません。姉は知っていると思いますので、聞き出してください」
「分かりました。オブレオサジュール公爵令嬢の魔術のことはご存知でしたか?」
「いいえ、とても驚きました。オブレオサジュール公爵令嬢は、これで魔術が使えたら完璧だと思っておりましたから」
家のことは問題でも、マレアが蔑むようなところは何もないと思いながら、いつも話を聞いていた。
「ゼアンラーク侯爵令嬢は知っているようでしたが、どう思いましたか?」
「最初は何を言っているのだろうか、混乱して誰かと勘違いしているのではないかと思ったほどでした。でもきっと最近、知ったことだとは思います。でなければ、自分より下なんて思わないはずですから」
「下だと思っていたのですか?」
「はい、間違いなくそう思っていました。マレア様の弱点は魔術が使えないことだけだと思ってらっしゃいますから。マレア様が姉と仲が良いのも、二人が使えないからで、姉も下にいるからです」
サリリーナは使えないが、ミチリーアは土魔法を使える。そんなこともあり、マレアに辛く当たられているのではないかと思ったこともある。
「成績のこと、お家のこと、妹さんではなかったようですけど、マキュレアリリージュさんのことを話していました。ですから成績が上がって、おそらく隠してらしたのだと思って、私は胸がすく思いでした」
始めのおどおどした様子は何だったのかと思うほど、饒舌に語るミチリーアは随分、溜め込んでいたのだろうと感じた。
「成績のことは二人は何と話していましたか」
「カンニング、別の人が受けたなどとも言っていました。そんなはずありません」
私見は徹底管理されているのに、馬鹿じゃないないのかと思いながらも、表情には出さずに聞いていた。
「ですが、イズカフェに誘ったのはあなたですよね?」
「はい、実際は姉が頼まれたことを、私が学園で誘うように言われたのです。申し訳ない気持ちでした。でも連れて行かないと文句を言われるので……個室に一人で来させるようにも言われていたのですけど、オブレオサジュール公爵令嬢に否定されて、後からどうして護衛や侍女を待たせなかったのかと、私のせいで上手くいかなかったと酷く怒られました」
ミチリーアは本当に嫌だったようで、顔を歪ませながら、話し続けた。
イズカフェでもマレアに睨まれていたが、モリーたちが帰ってから、どうして一人ではないのか、おかげで上手くいかなかった、ミチリーアのせいだと散々言われた。
気が変わっていないか聞くようにも言われていたが、ミチリーアがおいそれと近付けるような方ではなく、話せなかったと報告すると、また叱られた。
「あの時、何の話をするかはご存知でしたか?」
「知りません。姉は知っているようでしたけど、私には教えてもらえませんでした」
二人だけが知っていて、ミチリーアだけ知らないということはよくあったので、またかと思っていた。
「一緒にいた女性のことは?」
「魔術師だとは聞きましたが、それ以上は聞いていません。まさか傷付けるつもりなのかと思って、ドキドキしていました」
「だったら護衛も一緒で良かったですよね」
「はい、でもあの時は後で怒られるだろうことは分かっていたので、それも嫌だったのです。今となってはオブレオサジュール公爵令嬢には大変失礼なことをしました。可能なら謝罪をしたいです」
サリリーナは直接か関わっていないのか、モリーヘ謝罪という言葉は出て来なかった。だが、ミチリーアは直接話をしたり、同級生ということもあってか、申し訳ない気持ちがあるのだろう。
「内容は今も知らないままですか?」
「はい、知りません。知りたいとも思っていません。姉は知っていると思いますので、聞き出してください」
「分かりました。オブレオサジュール公爵令嬢の魔術のことはご存知でしたか?」
「いいえ、とても驚きました。オブレオサジュール公爵令嬢は、これで魔術が使えたら完璧だと思っておりましたから」
家のことは問題でも、マレアが蔑むようなところは何もないと思いながら、いつも話を聞いていた。
「ゼアンラーク侯爵令嬢は知っているようでしたが、どう思いましたか?」
「最初は何を言っているのだろうか、混乱して誰かと勘違いしているのではないかと思ったほどでした。でもきっと最近、知ったことだとは思います。でなければ、自分より下なんて思わないはずですから」
「下だと思っていたのですか?」
「はい、間違いなくそう思っていました。マレア様の弱点は魔術が使えないことだけだと思ってらっしゃいますから。マレア様が姉と仲が良いのも、二人が使えないからで、姉も下にいるからです」
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