276 / 333
ミチリーア・カジルス3
「レルス殿下への執着はいかがですか?」
「ありました、レルス殿下の婚約者は私とは言いませんが、振る舞いは明らかにそうでした。周りに言わせるように誘導します」
「どうやってですか?」
「やっぱり婚約は同じ年の方がいいわよね、年が同じというのは特別だからとか、よく会っている方が気心が知れていますからとかですかね」
すべてマレアを示すようなことを言って、周りも嫌々でも言わせていたのだろうと理解した。
「魔術とか成績とか、自分に不利なことは言いません」
マレアは成績上位者に入ったことはあるが、毎回入っていたわけではない。成績という部分では、リークレアの方が上であった。
ただ、学年が違うことであからさまに比べられることはなかった。
「それで周りは誘導されて持ち上げるのですか?」
「私と姉は言わざる得ないですから、周りもそうですわねとか、横に立つとお似合いですなどと言っていました」
「言わない人もいたのではないですか?」
「勿論です。でも、耳障りのいい言葉だけ聞いていたのではないでしょうか。執着……と言えばそうなんですけど、必死だったのだと思います」
周りにマレアこそがレルスに相応しいと思わせようとしていたのだろう。
ミチリーアはどんどん言葉が過激になっており、あまり時間は取らないだろうと思っていたが、とんだ思い違いであった。
「ですので、オブレオサジュール公爵令嬢へ焦りがあったのでしょう」
「オブレオサジュール公爵令嬢を狙ったと」
「マレア様は最近はずっと気にしてましたから……でも、カフェに呼び出してから、あまり聞かなくなったので、諦めたのかと思っておりました。でも、誕生祭でまた発言されていたので……諦めていなかったのだと実感した矢先の出来事でした」
「ゼアンラーク侯爵令嬢は自分では、手を下さないと思いますか?」
「はい、そう思います。お金もお持ちでしたから」
「そうですか」
家族も加担していた可能性もあったが、安くない金額を依頼時、一度目の成功報酬も払っており、お金は持っていたのだろうと考えた。
「何をしたかは分かりませんけど、危害を加えようとしたのなら、そこまでするなんてとは思っておりますけど、焦りだと受け取っています。言うことを聞かせることは難しいですから、私も何度か何か弱味はないのかと聞かれましたが、知りませんから知らないと言うしかありませんでした」
家のことはあっただろうが、皆がどのような生活をしていたか知らなかったように、マレアも知ることはできなかったのかもしれない。
「ドレスのこともありましたね」
「はい、芸術祭のドレスは本当に素晴らしくて、私もファンになってしまいました」
ミチリーアは今日、初めての笑顔を見せ、モリーのドレスを思い出しているかのようであった。
「お二人は見ていない?」
「いいえ、見に行っていました。文句を言っていましたけど。エリー殿下のドレスを作られたという話が出て、突き止めようともしていて、エリー殿下とは友達だなんて言っていたのに、聞けばいいではないかと思っていましたよ」
「そのようなことを……」
「はい、友達なんてきっと嘘だったんでしょう。ドレスを女子生徒だけでなく、男子生徒も褒めていたと言ったら、怒っていましたし」
文句ばかり言うマレアに、美しいドレスだったために思わず話してしまったが、見る目がないなど貶し続けていた。
「なぜですか?」
「マレア様は異性には愛想を振りまくのです」
「レルス殿下を一途に想っていたわけではないのですか」
「保険だとでも思っているのではありませんか?マレア様は美人ですけど、それだけですから」
あまり好きではないではなく、人として嫌っていることがわかる言葉であった。
「ありました、レルス殿下の婚約者は私とは言いませんが、振る舞いは明らかにそうでした。周りに言わせるように誘導します」
「どうやってですか?」
「やっぱり婚約は同じ年の方がいいわよね、年が同じというのは特別だからとか、よく会っている方が気心が知れていますからとかですかね」
すべてマレアを示すようなことを言って、周りも嫌々でも言わせていたのだろうと理解した。
「魔術とか成績とか、自分に不利なことは言いません」
マレアは成績上位者に入ったことはあるが、毎回入っていたわけではない。成績という部分では、リークレアの方が上であった。
ただ、学年が違うことであからさまに比べられることはなかった。
「それで周りは誘導されて持ち上げるのですか?」
「私と姉は言わざる得ないですから、周りもそうですわねとか、横に立つとお似合いですなどと言っていました」
「言わない人もいたのではないですか?」
「勿論です。でも、耳障りのいい言葉だけ聞いていたのではないでしょうか。執着……と言えばそうなんですけど、必死だったのだと思います」
周りにマレアこそがレルスに相応しいと思わせようとしていたのだろう。
ミチリーアはどんどん言葉が過激になっており、あまり時間は取らないだろうと思っていたが、とんだ思い違いであった。
「ですので、オブレオサジュール公爵令嬢へ焦りがあったのでしょう」
「オブレオサジュール公爵令嬢を狙ったと」
「マレア様は最近はずっと気にしてましたから……でも、カフェに呼び出してから、あまり聞かなくなったので、諦めたのかと思っておりました。でも、誕生祭でまた発言されていたので……諦めていなかったのだと実感した矢先の出来事でした」
「ゼアンラーク侯爵令嬢は自分では、手を下さないと思いますか?」
「はい、そう思います。お金もお持ちでしたから」
「そうですか」
家族も加担していた可能性もあったが、安くない金額を依頼時、一度目の成功報酬も払っており、お金は持っていたのだろうと考えた。
「何をしたかは分かりませんけど、危害を加えようとしたのなら、そこまでするなんてとは思っておりますけど、焦りだと受け取っています。言うことを聞かせることは難しいですから、私も何度か何か弱味はないのかと聞かれましたが、知りませんから知らないと言うしかありませんでした」
家のことはあっただろうが、皆がどのような生活をしていたか知らなかったように、マレアも知ることはできなかったのかもしれない。
「ドレスのこともありましたね」
「はい、芸術祭のドレスは本当に素晴らしくて、私もファンになってしまいました」
ミチリーアは今日、初めての笑顔を見せ、モリーのドレスを思い出しているかのようであった。
「お二人は見ていない?」
「いいえ、見に行っていました。文句を言っていましたけど。エリー殿下のドレスを作られたという話が出て、突き止めようともしていて、エリー殿下とは友達だなんて言っていたのに、聞けばいいではないかと思っていましたよ」
「そのようなことを……」
「はい、友達なんてきっと嘘だったんでしょう。ドレスを女子生徒だけでなく、男子生徒も褒めていたと言ったら、怒っていましたし」
文句ばかり言うマレアに、美しいドレスだったために思わず話してしまったが、見る目がないなど貶し続けていた。
「なぜですか?」
「マレア様は異性には愛想を振りまくのです」
「レルス殿下を一途に想っていたわけではないのですか」
「保険だとでも思っているのではありませんか?マレア様は美人ですけど、それだけですから」
あまり好きではないではなく、人として嫌っていることがわかる言葉であった。
あなたにおすすめの小説
三度裏切られた私が、四度目で「離婚」を選ぶまで
狛犬
恋愛
三度、夫に裏切られた。
一度目は信じた。
二度目は耐えた。
三度目は――すべてを失った。
そして私は、屋上から身を投げた。
……はずだった。
目を覚ますと、そこは過去。
すべてが壊れる前の、まだ何も起きていない時間。
――四度目の人生。
これまでの三度、私は同じ選択を繰り返し、
同じように裏切られ、すべてを失ってきた。
だから今度は、もう決めている。
「もう、陸翔はいらない」
愛していた。
けれど、もう疲れた。
今度こそ――
自分を守るために、家族を守るために、
私は、自分から手を放す。
これは、三度裏切られた女が、
四度目の人生で「選び直す」物語。
花嫁は忘れたい
基本二度寝
恋愛
術師のもとに訪れたレイアは愛する人を忘れたいと願った。
結婚を控えた身。
だから、結婚式までに愛した相手を忘れたいのだ。
政略結婚なので夫となる人に愛情はない。
結婚後に愛人を家に入れるといった男に愛情が湧こうはずがない。
絶望しか見えない結婚生活だ。
愛した男を思えば逃げ出したくなる。
だから、家のために嫁ぐレイアに希望はいらない。
愛した彼を忘れさせてほしい。
レイアはそう願った。
完結済。
番外アップ済。
選ばれたのは私ではなかった。ただそれだけ
暖夢 由
恋愛
【5月20日 90話完結】
5歳の時、母が亡くなった。
原因も治療法も不明の病と言われ、発症1年という早さで亡くなった。
そしてまだ5歳の私には母が必要ということで通例に習わず、1年の喪に服すことなく新しい母が連れて来られた。彼女の隣には不思議なことに父によく似た女の子が立っていた。私とあまり変わらないくらいの歳の彼女は私の2つ年上だという。
これからは姉と呼ぶようにと言われた。
そして、私が14歳の時、突然謎の病を発症した。
母と同じ原因も治療法も不明の病。母と同じ症状が出始めた時に、この病は遺伝だったのかもしれないと言われた。それは私が社交界デビューするはずの年だった。
私は社交界デビューすることは叶わず、そのまま治療することになった。
たまに調子がいい日もあるが、社交界に出席する予定の日には決まって体調を崩した。医者は緊張して体調を崩してしまうのだろうといった。
でも最近はグレン様が会いに来ると約束してくれた日にも必ず体調を崩すようになってしまった。それでも以前はグレン様が心配して、私の部屋で1時間ほど話をしてくれていたのに、最近はグレン様を姉が玄関で出迎え、2人で私の部屋に来て、挨拶だけして、2人でお茶をするからと消えていくようになった。
でもそれも私の体調のせい。私が体調さえ崩さなければ……
今では月の半分はベットで過ごさなければいけないほどになってしまった。
でもある日婚約者の裏切りに気づいてしまう。
私は耐えられなかった。
もうすべてに………
病が治る見込みだってないのに。
なんて滑稽なのだろう。
もういや……
誰からも愛されないのも
誰からも必要とされないのも
治らない病の為にずっとベッドで寝ていなければいけないのも。
気付けば私は家の外に出ていた。
元々病で外に出る事がない私には専属侍女などついていない。
特に今日は症状が重たく、朝からずっと吐いていた為、父も義母も私が部屋を出るなど夢にも思っていないのだろう。
私は死ぬ場所を探していたのかもしれない。家よりも少しでも幸せを感じて死にたいと。
これから出会う人がこれまでの生活を変えてくれるとも知らずに。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
【完結】竜人が番と出会ったのに、誰も幸せにならなかった
凛蓮月@騎士の夫〜発売中です
恋愛
【感想をお寄せ頂きありがとうございました(*^^*)】
竜人のスオウと、酒場の看板娘のリーゼは仲睦まじい恋人同士だった。
竜人には一生かけて出会えるか分からないとされる番がいるが、二人は番では無かった。
だがそんな事関係無いくらいに誰から見ても愛し合う二人だったのだ。
──ある日、スオウに番が現れるまでは。
全8話。
※他サイトで同時公開しています。
※カクヨム版より若干加筆修正し、ラストを変更しています。
やり直し令嬢は本当にやり直す
お好み焼き
恋愛
やり直しにも色々あるものです。婚約者に若い令嬢に乗り換えられ婚約解消されてしまったので、本来なら婚約する前に時を巻き戻すことが出来ればそれが一番よかったのですけれど、そんな事は神ではないわたくしには不可能です。けれどわたくしの場合は、寿命は変えられないけど見た目年齢は変えられる不老のエルフの血を引いていたお陰で、本当にやり直すことができました。一方わたくしから若いご令嬢に乗り換えた元婚約者は……。
【完結】最後に貴方と。
たろ
恋愛
わたしの余命はあと半年。
貴方のために出来ることをしてわたしは死んでいきたい。
ただそれだけ。
愛する婚約者には好きな人がいる。二人のためにわたしは悪女になりこの世を去ろうと思います。
◆病名がハッキリと出てしまいます。辛いと思われる方は読まないことをお勧めします
◆悲しい切ない話です。
お姉さまは最愛の人と結ばれない。
りつ
恋愛
――なぜならわたしが奪うから。
正妻を追い出して伯爵家の後妻になったのがクロエの母である。愛人の娘という立場で生まれてきた自分。伯爵家の他の兄弟たちに疎まれ、毎日泣いていたクロエに手を差し伸べたのが姉のエリーヌである。彼女だけは他の人間と違ってクロエに優しくしてくれる。だからクロエは姉のために必死にいい子になろうと努力した。姉に婚約者ができた時も、心から上手くいくよう願った。けれど彼はクロエのことが好きだと言い出して――
【完結】都合のいい女ではありませんので
風見ゆうみ
恋愛
アルミラ・レイドック侯爵令嬢には伯爵家の次男のオズック・エルモードという婚約者がいた。
わたしと彼は、現在、遠距離恋愛中だった。
サプライズでオズック様に会いに出かけたわたしは彼がわたしの親友と寄り添っているところを見てしまう。
「アルミラはオレにとっては都合のいい女でしかない」
レイドック侯爵家にはわたししか子供がいない。
オズック様は侯爵という爵位が目的で婿養子になり、彼がレイドック侯爵になれば、わたしを捨てるつもりなのだという。
親友と恋人の会話を聞いたわたしは彼らに制裁を加えることにした。
※独特の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。