病める時も、健やかではない時も

野村にれ

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翻意2

「それで、ミチリーア嬢は気が晴れたのか?何がしたかったんだ?」
「実は……ミチリーアはレルス殿下の婚約者になりたいと願っていたのです。ですから、目立つようになったオブレオサジュール公爵令嬢を妬んでいたのです。きっと今も、婚約にショックを受けているはずです」

 コーレイドはミチリーアはすっかり解き放たれたように、マレアのことを悪く言っていたと伝えてあげたいくらいであった。

「それならミチリーア嬢が婚約者候補になっていない時点で、不愉快に思っていたのではないか?」
「そうなんです」
「だったら、君や姉のことを恨んでいたのではないか?」
「そうかもしれません……」

 マレアはレルスと話ができることで高揚しており、とても上手くいっていると手応えを感じていた。

「ならば、モリー・オブレオサジュール公爵令嬢に魔法契約を持ち掛けようとしたことはどう説明する?」

 その言葉に体をビクリとさせたのは、ゼアンラーク侯爵であった。

 マレアの依頼した内容は騎士団からようやく聞くことはできたが、魔法契約については初耳であった。

 そして、マレアも黙ったまま答えなかった。

「思い出せないか?イズカフェで持ち掛けようとして、誕生祭でも話していたことだよ。さすがに覚えているだろう?」
「…それは、あの……」
「契約内容はミチリーア嬢は全く関係ないことだよな?」
「何をお聞きになったのか分かりませんが……」

 話したのならサリリーナだと思ったが、彼女が自分を裏切るとは思っておらず、強く責められて言わされたのだろうか。そうだとしたら、知られているのかとレルスの目が見れなかった。

「分からないのか?」
「サリリーナが言ったのなら、冗談でございます」
「魔法契約のできる魔術師を雇っておいて、それはないだろう。ゼアンラーク侯爵、娘に自由に使えるお金を渡し過ぎたな」
「はい、申し訳ございません」
「お父様!」

 ゼアンラーク侯爵は首を振って、マレアの方すら見なかった。

「それで持ち掛けようとした魔法契約は君が私と婚約して、オブレオサジュール公爵令嬢をオルトの婚約者にだったか?随分と偉くなったのだな?」
「ですから、それはそうなったらいいなという気持ちで、オブレオサジュール公爵令嬢もオルト殿下の方が年が近いですし、話が合うのではないかと思ったのです」

 マレアは所作と美しさ以外は、レルスと同級生の侯爵令嬢ということが最大の武器であった。

 しかも、公爵令嬢というだけで年上でも、モリーやリークレアに敬意を払わなければならないことも我慢ならないことであった。

 リークレアは思ったことを言うために苦手で、関わりたくはないが、モリーより上の立場になれることも優越感で口角が上がる思いであった。

「ミチリーア嬢のことはどうなった?君は依頼までしたというのに、自分は私と婚約する気だったのか?」
「それは、私だったらミチリーアは諦めてくれますから」
「オブレオサジュール公爵令嬢を狙いたかったのは君だろう?」
「違います……本当にそのようなことは思っておりません」
「ミチリーア嬢を巻き込むな!」

 レルスはここまで聞いても、ミチリーアの証言と自身の見たことのある姿は一致していた。だが、マレアの話すミチリーアは一体誰なのかという思いであった。

「私はミチリーア嬢と話をしたこともない。話が成り立っていないと思わないか?すべて、君の気持ちをミチリーア嬢に置き換えたのだろう?君は自分が中心なのだろうが、既に証拠は揃っている」
「ミチリーアを調べてください、そうすれば分かります」


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本日もお読みいただきありがとうございます。

本日は1日2話、投稿いたします。
次は17時です。

どうぞよろしくお願いいたします。

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