病める時も、健やかではない時も

野村にれ

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罰1

「今日は報告がございます。あなたはゼアンラーク侯爵家は除籍されました」
「っな、そんな」

 切り捨てられるとは全く考えていなかったマレアは驚き過ぎて、息を吸ったまま止まってしまった。だが、騎士団としては相応だろうとしか思えなかった。

 切り捨ててても、切り捨てなくても、マレアのせいでゼアンラーク侯爵家は非難を浴びることになる。

「今のあなたは貴族令嬢ではありません。ゼアンラーク侯爵家にも迷惑をかけて、切り捨てても非難の的になるでしょう」
「っあ」
「子息の婚約も解消になったそうですよ」
「っえ、でも上手くいってないって言っていたわ」

 フリオからルリーカ・ムーンラ伯爵令嬢のことは聞いており、マレアも彼女を両親は気にいっていたが、もっといい人がいると考えていた。

「それでも今回の件で解消になったそうです。すべて認めて、謝罪した方がこれからのためになると思いますよ」
「認めたら、貴族令嬢に戻れないじゃない!」
「それが答えですね」

 除籍されたと言っているのに、まだ戻れると思っているのかと呆れたが、今日は最終確認のために話を聞いているに過ぎない。

「どういう意味よ!」
「それがあなたの答えかと聞いているのです」
「そうよ!私は何もしていないわ!絶対に認めないわ!」
「分かりました」

 それ以降、マレアの尋問が再開されることはなかった。

 ゼアンラーク侯爵家に連絡をして欲しいと言っても聞いてくれないために、手紙を書きたいと言い出したために許可した。

 マレアはちゃんと調べて欲しい、冤罪で私は誰かに陥れられたのだと訴えたが、オリルから除籍したことと、自分の罪をしっかり償うようにと返事がきた。

 諦められないマレアは何度も手紙を書いたが、返事が来たのはその一回きりで、それ以降は返事すら来ることはなかった。

 マレアは認めず、ミチリーアのせいにもしたが、それ以外については既に終わっている状態であることに気付いていない。

 面会に訪れる者もなく、サリリーナとミチリーアにも手紙を書いたが、二人から返事が来ることはなかった。

 会いに行ったところで良いことなど何もないと分かっており、下手に恨まれることになることを恐れたからである。

 ゼイフィルと実行犯の二人には懲役刑ではなく、開拓地の労働者として労働刑が科せられることに決まった。ゼイフィルの方が罪は重く、年数が長い。

 実行犯の二人は病気の家族が治療を受けられることだけで、しっかり働いて来ると言い、開拓地に移送されていった。

 ゼイフィルは禁固刑になると思っていたために、開拓地の労働刑に動揺した。労働刑も逃げ出す者がいないとは言えないが、禁固刑よりも信用をされた罪になる。

「労働刑ですか」
「そうです、あとこちらアローザ・ブラウンさんからの手紙です。お読みください」
「っえ」

 ゼイフィルは目の前に差し出された手紙を受け取るのを躊躇した。

「事件のことは伝えていません。伝えるならあなたが伝えてください」
「はい……」

 アローザ・ブラウンは元妻にあたるアレクスの母親で、領主から息子が亡くなったとゼイフィルが勘違いしていたことを伝えて、短い手紙と現在のアレクスの写真を同封してもらった。

 これはパークスラ王国へ確認をする際に、信用しないかもしれないからと、モリーが頼んだことであった。その手紙がようやくパークスラ王国からプレメルラ王国に届いたのである。

 そして、そこにはアレクスがEP71に感染し、酷い熱で大変だったが、薬によって治ったことも書かれていた。

「労働刑はオブレオサジュール公爵令嬢のおかげでということでしょうか」
「いいえ、国王陛下がお決めになられたことです」

 罰については騎士団長から伝えられたことだったが、コーレイドも同席していた。

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