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訃報
「何てこと……」
「医師を呼んでいますが、どの程度の治療ができるかどうか」
「上に判断を仰ぎましょう」
王都のような治療は期待できないために、指示があってからにはなるが、一度戻ることも考えなくてはならないと判断していた。
「え?亡く……なったのですか?」
「ああ、逃げようとしたところが獣の罠がある場所でな」
王都に届いたのは、マレアが怪我をしたという報告の後、亡くなったという報告であった。それはオブレオサジュール公爵邸を訪ねたレルスによって、モリーにも伝えられた。
同席していたペイリーもマレアには怒りを感じていたが、亡くなってざまあみろという気持ちにはなれず、口を開けたまま茫然としていた。
「獣の罠も危険な物は使わないように進めているのだが、周辺にはまだ残っていたのだろうな。暗い時間に逃げ出して、罠に足を取られて、出血と足も折れていたようでな。発熱もあり、そのまま助からなかったそうだ」
「それで……亡くなったと?」
モリーも修道院に移送されることはブレフォスから聞かされていたが、無事に着くとしか考えていなかった。
それよりも二度と会うことはないだろうと思ったが、そもそもそんなに会ったこともなかったために、思い入れもないことに気付いた。
「ボノムドネージュ修道院に辿り着くこともなく、亡くなったということだな。移送に母親のゼアンラーク侯爵夫人も付き合っていたから、その場に居合わせており、見ていたそうだ」
「夫人が……」
母親がいたことは良かったのか、だが家族が一人でもいたのなら良かったのかもしれない。
「ああ、それこそモリーがいたら助かっただろうな」
「そうですね……」
被害者であるモリーもその場にいれば、償わせるためにマレアを助けただろう。
「医師にも来てもらったそうだが、それこそ治癒師がいればと言ったそうだよ」
「それは……」
王都にも治癒師は限られており、辺鄙な場所にはたまたま巡回でもしていない限り、いるということはない。運が悪いではなく、いる方が運がいいのである。
「亡くなったことにして、逃がしたということもない」
「そんなことは思っていませんよ?」
「侯爵令嬢だったから、そういったことも考えられるだろう?だが、騎士たちも確認しているから」
「レルス様は疑ったのですね?」
「ああ、そうだ。母親とゼアンラーク侯爵家の護衛もいたからな。だが、それはないそうだ。疑り深くてすまない……」
「いえ、そういった可能性もありますものね」
どうにか娘を逃がしたいと思っていたら、そのくらいやるだろう。だが、そうなったところで、マレアが貴族にも社交界にも戻っては来れない。
「亡くなるとは思わなかったが、自ら逃げたのだからな。自業自得だ」
「ご遺体は?」
「母親がゼアンラーク侯爵家の墓は無理だが、連れて帰って埋葬すると、亡くなったことを確認する必要もあるからな」
「そうですわね、自分の目で確認するのが一番ですからね」
その後、マレアは遺体となって、進んだ日数を掛けて王都に戻って来た。
王家もゼアンラーク侯爵家もマレアの遺体を確認した。同行していた魔術師の中に氷魔法が使える魔術師が同行していたために、腐ることなく到着し、小さな墓地に埋葬されることになった。
両親も兄も弟も、こんなことになるとは思ってはいなかったが、マレアの死を静かに受け止めていた。
特に亡くなる姿を見ていたハーミラは助かって欲しい、助からず悲しい気持ちもあったが、すべては娘の責任だと誰のせいでもないと感じていた。
モリーとブレフォスも遺体を確認することになり、マレアの死に何とも言えない気持ちにもなったが、冥福を祈ることくらいしかできなかった。
同席していたレルスはモリーに真剣な眼差しで告げた。
「二人きりで話したいことがあるんだ」
「医師を呼んでいますが、どの程度の治療ができるかどうか」
「上に判断を仰ぎましょう」
王都のような治療は期待できないために、指示があってからにはなるが、一度戻ることも考えなくてはならないと判断していた。
「え?亡く……なったのですか?」
「ああ、逃げようとしたところが獣の罠がある場所でな」
王都に届いたのは、マレアが怪我をしたという報告の後、亡くなったという報告であった。それはオブレオサジュール公爵邸を訪ねたレルスによって、モリーにも伝えられた。
同席していたペイリーもマレアには怒りを感じていたが、亡くなってざまあみろという気持ちにはなれず、口を開けたまま茫然としていた。
「獣の罠も危険な物は使わないように進めているのだが、周辺にはまだ残っていたのだろうな。暗い時間に逃げ出して、罠に足を取られて、出血と足も折れていたようでな。発熱もあり、そのまま助からなかったそうだ」
「それで……亡くなったと?」
モリーも修道院に移送されることはブレフォスから聞かされていたが、無事に着くとしか考えていなかった。
それよりも二度と会うことはないだろうと思ったが、そもそもそんなに会ったこともなかったために、思い入れもないことに気付いた。
「ボノムドネージュ修道院に辿り着くこともなく、亡くなったということだな。移送に母親のゼアンラーク侯爵夫人も付き合っていたから、その場に居合わせており、見ていたそうだ」
「夫人が……」
母親がいたことは良かったのか、だが家族が一人でもいたのなら良かったのかもしれない。
「ああ、それこそモリーがいたら助かっただろうな」
「そうですね……」
被害者であるモリーもその場にいれば、償わせるためにマレアを助けただろう。
「医師にも来てもらったそうだが、それこそ治癒師がいればと言ったそうだよ」
「それは……」
王都にも治癒師は限られており、辺鄙な場所にはたまたま巡回でもしていない限り、いるということはない。運が悪いではなく、いる方が運がいいのである。
「亡くなったことにして、逃がしたということもない」
「そんなことは思っていませんよ?」
「侯爵令嬢だったから、そういったことも考えられるだろう?だが、騎士たちも確認しているから」
「レルス様は疑ったのですね?」
「ああ、そうだ。母親とゼアンラーク侯爵家の護衛もいたからな。だが、それはないそうだ。疑り深くてすまない……」
「いえ、そういった可能性もありますものね」
どうにか娘を逃がしたいと思っていたら、そのくらいやるだろう。だが、そうなったところで、マレアが貴族にも社交界にも戻っては来れない。
「亡くなるとは思わなかったが、自ら逃げたのだからな。自業自得だ」
「ご遺体は?」
「母親がゼアンラーク侯爵家の墓は無理だが、連れて帰って埋葬すると、亡くなったことを確認する必要もあるからな」
「そうですわね、自分の目で確認するのが一番ですからね」
その後、マレアは遺体となって、進んだ日数を掛けて王都に戻って来た。
王家もゼアンラーク侯爵家もマレアの遺体を確認した。同行していた魔術師の中に氷魔法が使える魔術師が同行していたために、腐ることなく到着し、小さな墓地に埋葬されることになった。
両親も兄も弟も、こんなことになるとは思ってはいなかったが、マレアの死を静かに受け止めていた。
特に亡くなる姿を見ていたハーミラは助かって欲しい、助からず悲しい気持ちもあったが、すべては娘の責任だと誰のせいでもないと感じていた。
モリーとブレフォスも遺体を確認することになり、マレアの死に何とも言えない気持ちにもなったが、冥福を祈ることくらいしかできなかった。
同席していたレルスはモリーに真剣な眼差しで告げた。
「二人きりで話したいことがあるんだ」
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