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真相1
「信じてくださったのですね」
「はい、始めは疑っている様子もありましたが、今は全面的に信じております」
「それは心強いですね」
「はい」
レオーラはこれから始める自分と違って、既に地盤が整った状態であることを羨ましく思った。
「今回は両陛下にはどう言って来られたのですか?」
「モリー様が心配だから会いに行きたいと言えば、すぐに了承していただけました」
犯人が捕まり、罰も下されたことから、行って来るといいと、持ちきれないほどのお土産を持たされて、オブレオサジュール公爵邸にやって来た。
ジーアは研究があるために来れなかったが、ミルシーが今回も護衛として一緒に来ており、モリーはレオーラとモリーが並ぶと鼻血が出そうと悶絶していた。
「そうか、モリーは信頼されているのだものな」
「はい、救っていただいたのですから当然です。両親も事件に身を案じておりましたから。ですが、犯人が捕まるまでは許可が下りませんでした」
当て逃げされた、馬車が突っ込んで来たと聞いてから、パークスラ王国で両親も兄もジーアも大丈夫なのかと怒りと心配で、レオーラは特にモリーに何かあったら、また戻ってしまうのではないか、戻らなかったらと不安で仕方なかった。
「それはそうですよ」
「私としては駆け付けたかったのです」
「お気持ちは届いておりました」
レオーラには手紙を送っていたが、毎回心配だから駆け付けたいという言葉が何度も綴られていた。
コアナとマキュレアリリージュが出て行ってからは、レオーラの手紙は直でオブレオサジュール公爵邸に届けてもらうようにも変更していた。
「レルス王子殿下はどなたかに話されたのですか?」
「いや、まだ二人にだけです。両陛下には話されていないのですね」
「話す気はありません。両親の前に国王ですから、そのようなことをするとは思っていませんが、私の記憶を頼ることは良くないと考えております」
「確かに、私も同じ気持ちです」
まずはモリーに話してからとしか考えていなかったが、両親には話そうとは思っていなかった。
レオーラの言うように親である前に国のために動くのが国王である、ゆえに頼らざる得ない場合は何でもするだろう。
「マレア・ゼアンラーク侯爵令嬢は亡くなったとお聞きしました」
「はい、私は最初から彼女が犯人だと思っておりました。マレアが修道院に着いてから、モリーに話そうと思っておりました」
「え?」
「そうなのですか?」
レオーラもモリーも、まさかレルスがマレアを疑っているとは思っていなかった。
「ああ、監視もさせていたのだが、私の判断だけでは動かせるものは限られてしまい、モリーには被害を受けさせてしまった」
「いえ、捕まえるには必要だったでしょう」
「だがな」
早い段階から監視を付けていたが、人員も四六時中というわけにはいかず、事件は起きてしまったことを悔しく思っていた。
「なぜマレア嬢を疑っていたのですか?」
「それを話さなくてはならないな。レオーラ王女殿下は私とモリーが婚約をしていたのはご存知ということですよね?」
「はい」
「では、モリーが殺されたことは?」
「え?」
「私、殺されていたのですか?」
「え?知らな、かったのか……?すまない」
モリーの声に悲壮感はなかったが、レオーラが知っていると考えており、もうちょっと前置きをして話せばよかったと後悔した。
「いいえ、記憶にないことですから気にされないでください」
「すまない、配慮が足りなかった。レオーラ王女殿下はご存知なかったのか」
「はい、実は私も流行り病で亡くなっておりまして……」
「そうだったのか……重ね重ね、すまない」
モリーに続き、レオーラにも失言だったと反省したが、レルスの記憶にあることが思い出された。
「はい、始めは疑っている様子もありましたが、今は全面的に信じております」
「それは心強いですね」
「はい」
レオーラはこれから始める自分と違って、既に地盤が整った状態であることを羨ましく思った。
「今回は両陛下にはどう言って来られたのですか?」
「モリー様が心配だから会いに行きたいと言えば、すぐに了承していただけました」
犯人が捕まり、罰も下されたことから、行って来るといいと、持ちきれないほどのお土産を持たされて、オブレオサジュール公爵邸にやって来た。
ジーアは研究があるために来れなかったが、ミルシーが今回も護衛として一緒に来ており、モリーはレオーラとモリーが並ぶと鼻血が出そうと悶絶していた。
「そうか、モリーは信頼されているのだものな」
「はい、救っていただいたのですから当然です。両親も事件に身を案じておりましたから。ですが、犯人が捕まるまでは許可が下りませんでした」
当て逃げされた、馬車が突っ込んで来たと聞いてから、パークスラ王国で両親も兄もジーアも大丈夫なのかと怒りと心配で、レオーラは特にモリーに何かあったら、また戻ってしまうのではないか、戻らなかったらと不安で仕方なかった。
「それはそうですよ」
「私としては駆け付けたかったのです」
「お気持ちは届いておりました」
レオーラには手紙を送っていたが、毎回心配だから駆け付けたいという言葉が何度も綴られていた。
コアナとマキュレアリリージュが出て行ってからは、レオーラの手紙は直でオブレオサジュール公爵邸に届けてもらうようにも変更していた。
「レルス王子殿下はどなたかに話されたのですか?」
「いや、まだ二人にだけです。両陛下には話されていないのですね」
「話す気はありません。両親の前に国王ですから、そのようなことをするとは思っていませんが、私の記憶を頼ることは良くないと考えております」
「確かに、私も同じ気持ちです」
まずはモリーに話してからとしか考えていなかったが、両親には話そうとは思っていなかった。
レオーラの言うように親である前に国のために動くのが国王である、ゆえに頼らざる得ない場合は何でもするだろう。
「マレア・ゼアンラーク侯爵令嬢は亡くなったとお聞きしました」
「はい、私は最初から彼女が犯人だと思っておりました。マレアが修道院に着いてから、モリーに話そうと思っておりました」
「え?」
「そうなのですか?」
レオーラもモリーも、まさかレルスがマレアを疑っているとは思っていなかった。
「ああ、監視もさせていたのだが、私の判断だけでは動かせるものは限られてしまい、モリーには被害を受けさせてしまった」
「いえ、捕まえるには必要だったでしょう」
「だがな」
早い段階から監視を付けていたが、人員も四六時中というわけにはいかず、事件は起きてしまったことを悔しく思っていた。
「なぜマレア嬢を疑っていたのですか?」
「それを話さなくてはならないな。レオーラ王女殿下は私とモリーが婚約をしていたのはご存知ということですよね?」
「はい」
「では、モリーが殺されたことは?」
「え?」
「私、殺されていたのですか?」
「え?知らな、かったのか……?すまない」
モリーの声に悲壮感はなかったが、レオーラが知っていると考えており、もうちょっと前置きをして話せばよかったと後悔した。
「いいえ、記憶にないことですから気にされないでください」
「すまない、配慮が足りなかった。レオーラ王女殿下はご存知なかったのか」
「はい、実は私も流行り病で亡くなっておりまして……」
「そうだったのか……重ね重ね、すまない」
モリーに続き、レオーラにも失言だったと反省したが、レルスの記憶にあることが思い出された。
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