病める時も、健やかではない時も

野村にれ

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真相2

「いえ、私も亡くなった詳細な記憶はありませんから」
「確かに……すまない、そのような話を聞いた記憶を思い出した」
「そうでしたか」
「ああ、パークスラ王国の王女殿下がお亡くなりになったと……そうだ、そうだった。すまない」
「いえ、当時はプレメルラ王国とはあまり関わりがなかったと記憶しております」

 レオーラも王女として、レルスとモリーの婚約披露には参加したが、二つの国は関係が悪くはなかったが、親しい間柄ではなかった。

 今回もレルスとレオーラには関わりがなく、今日も来ることも知らなかった。

「いや、失礼な話だ……申し訳ない」
「気にしないでください。それより私もモリー様が殺されたことは存じ上げませんでした。私とどちらが先に亡くなったのでしょうか?」

 レオーラは自分とモリーのどちらが先に亡くなったのかが気になった。

「確か……いや、時期は同じくらいだな。モリーが亡くなって、憔悴したところに訃報を聞いたはずだから、正確にどちらなのかは定かではないな。すまない……」
「いいえ、無理もないことだと思います」

 レオーラもそのような状態の時に訃報を聞いても、記憶にあまり残らないだろうと納得した。

 レルスも聞かされはしたが、それが亡くなった当日なのか、しばらく経ってからなのかが分からない。

「レルス様、もしかして犯人はマレア嬢ということですか?」

 モリーはこれまでの話を整理していると、まさかと思い至っていた。

「私はそう思っているが、証拠がなかった。もしかしたら、今回のようにゼイフィルが関与していたのかもしれないし、別の者だったのかもしれない」
「どうやって殺されたのでしょうか?」
「毒殺だった……」
「毒殺……」

 モリーはハッとしてレオーラの顔を見つめると、同じように見つめており、二人は頷き合った。

「治癒術は……」
「間に合わなかったということだろう。眠らされていたのかもしれない。王宮に滞在している時で、見付けた時には既に亡くなっていた。即効性の毒ということだろう……すまない、私は守れなかった男なのだ」
「いいえ、事情は分かりませんが、今回とは違って上手くいったということでしょう。ですが毒ということに私たちは引っ掛かっております」
「ん?どういうことだ?」

 毒殺に動揺しているのかと思ったが、モリーの表情は真剣である。

「レオーラ様も王宮で毒を盛られております」
「レオーラ殿下が?どういうことだ?なぜ……」
「今日、話そうと思っておりましたが、レルス様に記憶があるのは前回だけなのですよね?」
「そうだが?」

 モリーもレオーラにも伝えていたが、自分たちも回数が違うが、レルスも回数が違うのではないかと考えていた。

「私は記憶があるのは今回が三回目です。レオーラ様は四回目です。ですので、レルス様の前回とレオーラ様の一回目が一致していると思い、私には記憶がありませんから一緒に話すべきだとお呼びしたのです」
「待ってくれ、モリーも記憶があったのか?」

 レルスはモリーはレオーラに記憶のことを聞いていただけだと勘違いしていた。まさかモリーにも記憶があったなんて、ただ自分の記憶とは一致していない。

 ただただ困惑しており、困惑させる側になると思っていたのに、驚かされるとは思わなかった。

「そうです、すぐに話さずに申し訳ございません。レオーラ様に許可が出なければと思い、言葉を濁しました」
「そうか……そうだったのか、だが前回だけではないのか……」
「そうです。レルス様と私の間に二回、レルス様とレオーラ様には三回ございます」
「三回目、四回目……まさか、そんなことがそれは考えてもいなかった」
「私たちはこれまでの記憶を共有しております」

 レルスもそんな記憶があったら、共有するだろうと頷いた。

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