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最後の対話4
「違うのか?」
「……分からないと言っていました」
マキュレアリリージュはコアナに怒っていたために、ありのままを話せば、ブレフォスへの点数を稼げるのではないかと申し訳なさそうに話した。
「分からない?」
「はい、興奮剤?を自分も使ったので記憶がないと……」
「父親も分からないのか?」
「それは知りません……私には関係ありませんから」
心当たりのあることは言っていたが、マキュレアリリージュは名前は聞いていないために知らないと、役に立たない父親など要らない。それよりもブレフォスの同情を買わなくてはならない。
「父親を捜せば婚約者を見付けてくれるのではないか?貴族かもしれないし、お金だって持っているかもしれない」
今さら王都で捜すことはできないが、それでも反応を見るために告げてみた。
「私のお父様はブレフォス様だけです」
「それは間違っている。事実は変わらない」
おそらく何らかの話をコアナから聞いているのだろう。公爵ということはないだろうが、そちらには頼れないのかもしれない。
「それでも、お願いします!私は辛くてたまらないんです……」
ぽろりと涙くらい流せれば、ここでは難しくとも騙せる相手もいたかもしれないが、マキュレアリリージュにそこまでの芸当はできなかった。
「それならば、ちゃんと約束を守るべきだったな」
「どうしてもお父様に会いたかったのです」
「お父様と呼ぶなと言っているだろう!今日は罪に問わないが、今後は問うことにすることをしっかりと受け入れなさい」
貴族だと偽ったとは違うが、関係を故意に偽ることも罪になる。
「待ってください!どうして分かってくれないのですか!お義姉様は王太子殿下と婚約なんて、どうしてこんなに差があるのです!差別ですわ!」
「姉妹ではないのだから当然だろう……いい加減にしろ」
元より貴族と平民という大きな差があったはずなのに、今でも比べられる神経を疑うほどであった。
「私は姉妹だと思っていたのです」
「都合よく使えるかもしれないと、見下していたの間違いでしょう?」
モリーはマキュレアリリージュに向かってようやく口を開いた。
「そんなこと思っていないわ!」
「でも私たちには関係性がなかったわ、会話をしたのも数えるほどでしょう?それなのに都合よくドレスを奪おうとしたり?」
「あれは着てあげようと思ったの!」
「あなたみたいな貧相な体には似合わないドレスを?お胸もお尻もブカブカ、着たら情けないことになることも分からないの?」
丁度同じ部屋にペイリーがいるために比較しやすいが、どう考えても胸もお尻も足りない。サイズを調整するにも限界があり、マキュレアリリージュのサイズにすればドレスの良さは失われる。
「そんなことないわ!」
「あのドレスは人を選ぶドレスよ、私も着こなせないわ」
「それはあなただからでしょう!」
モリーはペイリーのような体つきになれなかったが、胸のほうはしっかり成長を遂げていた。
「それならデザイナーに頼んでみたらいいわ、きっと別のデザインにした方がいいと言われると思うわ」
「何よ、偉そうに!王太子妃になるからって、調子に乗ってんじゃないわよ」
「ドレスを作った者として言っているの」
「お針子だものね!そうよ、私よりも平民に向いていると思うわ」
ブレフォスとオーリンとペイリーは二人が話し始めて苛立っていたが、モリーが話しているのだからと表情を変えず口も挟むことしなかった。
「そうはいかなくなったのよ、これもある意味、公爵令嬢だからなのでしょうね」
モリーは正直、何もしないと決めた時に平民になることも視野に入れていた。追い出されることがあれば、それはそれでと思っていたくらいである。
だか、今となってはそうはいかないのである。
「だったら代わってあげるわ!私なら公爵令嬢になれるわ!」
「……分からないと言っていました」
マキュレアリリージュはコアナに怒っていたために、ありのままを話せば、ブレフォスへの点数を稼げるのではないかと申し訳なさそうに話した。
「分からない?」
「はい、興奮剤?を自分も使ったので記憶がないと……」
「父親も分からないのか?」
「それは知りません……私には関係ありませんから」
心当たりのあることは言っていたが、マキュレアリリージュは名前は聞いていないために知らないと、役に立たない父親など要らない。それよりもブレフォスの同情を買わなくてはならない。
「父親を捜せば婚約者を見付けてくれるのではないか?貴族かもしれないし、お金だって持っているかもしれない」
今さら王都で捜すことはできないが、それでも反応を見るために告げてみた。
「私のお父様はブレフォス様だけです」
「それは間違っている。事実は変わらない」
おそらく何らかの話をコアナから聞いているのだろう。公爵ということはないだろうが、そちらには頼れないのかもしれない。
「それでも、お願いします!私は辛くてたまらないんです……」
ぽろりと涙くらい流せれば、ここでは難しくとも騙せる相手もいたかもしれないが、マキュレアリリージュにそこまでの芸当はできなかった。
「それならば、ちゃんと約束を守るべきだったな」
「どうしてもお父様に会いたかったのです」
「お父様と呼ぶなと言っているだろう!今日は罪に問わないが、今後は問うことにすることをしっかりと受け入れなさい」
貴族だと偽ったとは違うが、関係を故意に偽ることも罪になる。
「待ってください!どうして分かってくれないのですか!お義姉様は王太子殿下と婚約なんて、どうしてこんなに差があるのです!差別ですわ!」
「姉妹ではないのだから当然だろう……いい加減にしろ」
元より貴族と平民という大きな差があったはずなのに、今でも比べられる神経を疑うほどであった。
「私は姉妹だと思っていたのです」
「都合よく使えるかもしれないと、見下していたの間違いでしょう?」
モリーはマキュレアリリージュに向かってようやく口を開いた。
「そんなこと思っていないわ!」
「でも私たちには関係性がなかったわ、会話をしたのも数えるほどでしょう?それなのに都合よくドレスを奪おうとしたり?」
「あれは着てあげようと思ったの!」
「あなたみたいな貧相な体には似合わないドレスを?お胸もお尻もブカブカ、着たら情けないことになることも分からないの?」
丁度同じ部屋にペイリーがいるために比較しやすいが、どう考えても胸もお尻も足りない。サイズを調整するにも限界があり、マキュレアリリージュのサイズにすればドレスの良さは失われる。
「そんなことないわ!」
「あのドレスは人を選ぶドレスよ、私も着こなせないわ」
「それはあなただからでしょう!」
モリーはペイリーのような体つきになれなかったが、胸のほうはしっかり成長を遂げていた。
「それならデザイナーに頼んでみたらいいわ、きっと別のデザインにした方がいいと言われると思うわ」
「何よ、偉そうに!王太子妃になるからって、調子に乗ってんじゃないわよ」
「ドレスを作った者として言っているの」
「お針子だものね!そうよ、私よりも平民に向いていると思うわ」
ブレフォスとオーリンとペイリーは二人が話し始めて苛立っていたが、モリーが話しているのだからと表情を変えず口も挟むことしなかった。
「そうはいかなくなったのよ、これもある意味、公爵令嬢だからなのでしょうね」
モリーは正直、何もしないと決めた時に平民になることも視野に入れていた。追い出されることがあれば、それはそれでと思っていたくらいである。
だか、今となってはそうはいかないのである。
「だったら代わってあげるわ!私なら公爵令嬢になれるわ!」
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