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矛盾
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二度目に巻き戻った時は、どうしてマキュレアリリージュの方を信じたのかと考えた。愛人の娘の方が、信じて貰える存在だとする理由があるのか。
正妻の子の方が、優遇されていると思われているのか。
だが、マキュレアリリージュは、私はブレフォスにとても愛されていると、周りにも言っていたはずである。それなのに、譲るというのは矛盾がある。
ブレフォスに譲れと言われたとでも言うのか?愛されているのに?
冷静になれば、そう考えられた。だが、どちらにしろ証拠など出せない。私は信用されない人間だったと、答えを出すしかなかった。
マキュレアリリージュは、始めから公爵邸でも学園でも、奔放に振舞っていた。態度を改めなかったのは、父が許していたのだろう。
一度目に関して、よく分からないまま、終えていた。二度目は全く違う行動を取ったために、モリーの抜けた一度目のことは知らない。
だが、今回のモリーは何もしないと誓っている。
利用するものがないのに、利用が出来るのか、楽しみである。
そして、モリーは12歳になり、オブレオサジュール邸はカリーナがロレインに付きっきりとなり、コアナとマキュレアリリージュは、本邸には入れなくなったのか、入ろうとする姿すら見ることはなくなった。
出掛ける際に、時折、見掛けることがあるくらいである。
モリーには中等部に通う前に、侍女が付くことになった。とは言っても、まだ高等部の学生であり、モリーと入れ替わりになるために、卒業までは週末だけである。
だが、モリーにとって、待ちに待った日だった。
「ペイリー・フシュナと申します」
「ペイリー」
「はい、よろしくお願いいたします」
「ええ、よろしくね」
「はい!頑張ります」
フシュナ伯爵家の四女で、目鼻立ちがハッキリしており、黙っていると、怖いと言われることを気にして、最初はモリーの前では頑張って表情筋を動かしていた。
その姿はまた見れて、モリーは温かい気持ちになった。
侍女の時はきっちりと髪を纏めているが、下ろしてドレスを着せれば、とても妖艶な美しい令嬢になる。モリーの唯一と言っていい、自慢の美しい侍女であった。
一度目も二度目も、ペイリーだけは側にいてくれた。どんどん周りからいなくなる中、彼女も伯爵家からは何か言われていたのだと思うが、一度任された仕事を放り出すことはことは出来ないと言って、絶対に離れなかった。
二度目も、そして三度目も戻って来て、良かったと思えた瞬間であった。
二人は一度目と二度目と同じように仲を深め、ペイリーが学園を卒業し、モリーが王立学園中等部に入学した。
初等部から学ぶ者もいるが、高位貴族は家庭教師を雇っている者が多く、中等部から入学することが基本となっている。
そして、王立と掲げながら、王家の子どもは警備の面から高等部のみ希望があれば、通うことになっている。
中等部から学園に通う理由は、知識は当然のこと、社会性や道徳性を学ぶことと、最大の初等部との違いは魔術の授業である。
プレメルラ王国には、魔力があるかないかという違いがある。先天的に持つもので、後天的に現れることは稀である。
皆が持っているわけではなく、現在は人口の3割程度と言われており、持っていない方が多い。
だが、割合を見て分かるように、持っていないことで迫害を受けることもなければ、持っていることで気味悪がられることもない。
平民の方が人口は多いのに、魔力を持つのは貴族の方が多いために、血筋が関係していると言われているが、魔力を持っている両親から、魔力を持っていない子どもが生まれることも珍しいことではない。
そして、わざわざ平民は王立学園に通うことはまずないが、魔力を持つ者だけは魔術を学ぶために、王立学園に通う。
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本日もお読みいただきありがとうございます。
本日も説明が多い部分もあるので、
1日2話、投稿いたします。
次は17時です。
どうぞよろしくお願いいたします。
正妻の子の方が、優遇されていると思われているのか。
だが、マキュレアリリージュは、私はブレフォスにとても愛されていると、周りにも言っていたはずである。それなのに、譲るというのは矛盾がある。
ブレフォスに譲れと言われたとでも言うのか?愛されているのに?
冷静になれば、そう考えられた。だが、どちらにしろ証拠など出せない。私は信用されない人間だったと、答えを出すしかなかった。
マキュレアリリージュは、始めから公爵邸でも学園でも、奔放に振舞っていた。態度を改めなかったのは、父が許していたのだろう。
一度目に関して、よく分からないまま、終えていた。二度目は全く違う行動を取ったために、モリーの抜けた一度目のことは知らない。
だが、今回のモリーは何もしないと誓っている。
利用するものがないのに、利用が出来るのか、楽しみである。
そして、モリーは12歳になり、オブレオサジュール邸はカリーナがロレインに付きっきりとなり、コアナとマキュレアリリージュは、本邸には入れなくなったのか、入ろうとする姿すら見ることはなくなった。
出掛ける際に、時折、見掛けることがあるくらいである。
モリーには中等部に通う前に、侍女が付くことになった。とは言っても、まだ高等部の学生であり、モリーと入れ替わりになるために、卒業までは週末だけである。
だが、モリーにとって、待ちに待った日だった。
「ペイリー・フシュナと申します」
「ペイリー」
「はい、よろしくお願いいたします」
「ええ、よろしくね」
「はい!頑張ります」
フシュナ伯爵家の四女で、目鼻立ちがハッキリしており、黙っていると、怖いと言われることを気にして、最初はモリーの前では頑張って表情筋を動かしていた。
その姿はまた見れて、モリーは温かい気持ちになった。
侍女の時はきっちりと髪を纏めているが、下ろしてドレスを着せれば、とても妖艶な美しい令嬢になる。モリーの唯一と言っていい、自慢の美しい侍女であった。
一度目も二度目も、ペイリーだけは側にいてくれた。どんどん周りからいなくなる中、彼女も伯爵家からは何か言われていたのだと思うが、一度任された仕事を放り出すことはことは出来ないと言って、絶対に離れなかった。
二度目も、そして三度目も戻って来て、良かったと思えた瞬間であった。
二人は一度目と二度目と同じように仲を深め、ペイリーが学園を卒業し、モリーが王立学園中等部に入学した。
初等部から学ぶ者もいるが、高位貴族は家庭教師を雇っている者が多く、中等部から入学することが基本となっている。
そして、王立と掲げながら、王家の子どもは警備の面から高等部のみ希望があれば、通うことになっている。
中等部から学園に通う理由は、知識は当然のこと、社会性や道徳性を学ぶことと、最大の初等部との違いは魔術の授業である。
プレメルラ王国には、魔力があるかないかという違いがある。先天的に持つもので、後天的に現れることは稀である。
皆が持っているわけではなく、現在は人口の3割程度と言われており、持っていない方が多い。
だが、割合を見て分かるように、持っていないことで迫害を受けることもなければ、持っていることで気味悪がられることもない。
平民の方が人口は多いのに、魔力を持つのは貴族の方が多いために、血筋が関係していると言われているが、魔力を持っている両親から、魔力を持っていない子どもが生まれることも珍しいことではない。
そして、わざわざ平民は王立学園に通うことはまずないが、魔力を持つ者だけは魔術を学ぶために、王立学園に通う。
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本日もお読みいただきありがとうございます。
本日も説明が多い部分もあるので、
1日2話、投稿いたします。
次は17時です。
どうぞよろしくお願いいたします。
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