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建国祭3
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結婚しても変わらず公爵家であることから、順番もないためにフランアールが行きたい時に行くことができる。
ビードルトラン公爵家は参加者に背を向けているが、王家は見られているために、フランアールが向かっていることに気付くと、緩まぬように表情筋に力を入れた。
挨拶を無事に終えて、会話が始まったが、内容に反して、揃いも揃ってとても力強い表情をしている。
「まあ、何て可愛いの。人ではない者が紛れ込んだかと思ったわ」
「そうだ、そうだな。リア、素晴らしい表現だ」
ラルフリード国王陛下とリアローズ王妃陛下は、今日は城内が騒がしいことをいいことに、今日もフランアールを褒め称えた。
「入ってきた瞬間から輝いていたから、何かと思ったもの」
「王妃陛下、こちらはデザイナーと私で、新緑の妖精と名付けましたの」
「んまあ!その通りだわ!ねえ」
リアローズがエリクールとフリーラ王太子妃夫妻、マイラースとアリーナ王子夫妻に問い掛けると、皆もすぐさまに同意した。
「妖精さんなら、ずっと私のそばにいて欲しいわ」
「それはずるいぞ」
「でもフランがいたら、嫌な公務もフランを見て、心が浄化されるじゃない」
「む、それはそうだな。フランのいる執務室、最高ではないか」
「でしょう?」
王太子妃夫妻、王子夫妻も再び、激しく同意をして、フランアールのいる執務室を想像していた。
「今度のお茶会にそれ着てきて頂戴、よーく、じーっくり見たいわ」
「分かりました」
「うふふ、楽しみ」
ルジエールも前回、見ているために驚くことはないが、フランアールはその様子をにこにこ見ている。
以前のパーティーとは違い、問題が起こるようなこともなく、無事に終了した。
邸に帰り、フランアールがお茶を飲んでいると、ルジエールも丁度通りかかった。
「飲みます?」
「ああ」
ルジエールはいい機会だと、ふと気になっていたことを聞いてみようと思った。
「素朴な疑問を聞いてもいいだろうか?」
「ええ」
「王家からの縁談はなかったのか?」
祖母が王女であったことから血筋は近いが、不可能ではない。あれだけ溺愛されていたら、そんな話が出ていてもおかしくない。
「ありませんわ」
「だが、あれだけ可愛がられて、王子二人とも年もそんなに離れていないだろう?」
二人とも年上ではあるが、十歳も離れていない。
「私が魅了を使っているのかとおっしゃられたでしょう?」
「いや、それは」
「疑われるのも慣れております。でも違いますでしょう?」
「ああ」
フランアールは自ら教会に行こうと言っていたことから、疑われることは度々あったのだろうとは思っていた。
「自分でもこれが普通にはなりましたけど、おかしいとは思っておりますのよ?だからこそ王家に嫁いで、国際問題になったらどうしますの?」
「あっ」
ルジエールはどうしてフランアールを嫁にと思わなかったのだろうかとしか思っていなかったが、結婚してからのことを考えていなかった自分に気付いた。
「そうでしょう?」
「国の顔なのだから、私なんて嫁いだら面倒ごとしかないの。だからおじ様、おば様、お兄様、お義姉様には可愛がってもらうだけよ?」
「そうか……」
「そもそも、私は姪?幼子?もしかしたら、ペットのような可愛がり方だと思うわ」
「ペットではないと思うが……」
それでも、今日の会話からも執務室にいるだけでいいなど、まさに妖精のような扱いをされて、遠からずだとは感じていた。
「もしかして、そのことで結婚したくなかったのか?」
「よくやく気付きましたのね、大半はそうですわ」
ルジエールは初めて、自分と似ているとは思っていた。
相性のいい相手とは思っているが、面倒だから結婚したくないルジエールと、面倒が起きそうだから結婚したくないフランアールは決定的に違うのだと実感した。
ビードルトラン公爵家は参加者に背を向けているが、王家は見られているために、フランアールが向かっていることに気付くと、緩まぬように表情筋に力を入れた。
挨拶を無事に終えて、会話が始まったが、内容に反して、揃いも揃ってとても力強い表情をしている。
「まあ、何て可愛いの。人ではない者が紛れ込んだかと思ったわ」
「そうだ、そうだな。リア、素晴らしい表現だ」
ラルフリード国王陛下とリアローズ王妃陛下は、今日は城内が騒がしいことをいいことに、今日もフランアールを褒め称えた。
「入ってきた瞬間から輝いていたから、何かと思ったもの」
「王妃陛下、こちらはデザイナーと私で、新緑の妖精と名付けましたの」
「んまあ!その通りだわ!ねえ」
リアローズがエリクールとフリーラ王太子妃夫妻、マイラースとアリーナ王子夫妻に問い掛けると、皆もすぐさまに同意した。
「妖精さんなら、ずっと私のそばにいて欲しいわ」
「それはずるいぞ」
「でもフランがいたら、嫌な公務もフランを見て、心が浄化されるじゃない」
「む、それはそうだな。フランのいる執務室、最高ではないか」
「でしょう?」
王太子妃夫妻、王子夫妻も再び、激しく同意をして、フランアールのいる執務室を想像していた。
「今度のお茶会にそれ着てきて頂戴、よーく、じーっくり見たいわ」
「分かりました」
「うふふ、楽しみ」
ルジエールも前回、見ているために驚くことはないが、フランアールはその様子をにこにこ見ている。
以前のパーティーとは違い、問題が起こるようなこともなく、無事に終了した。
邸に帰り、フランアールがお茶を飲んでいると、ルジエールも丁度通りかかった。
「飲みます?」
「ああ」
ルジエールはいい機会だと、ふと気になっていたことを聞いてみようと思った。
「素朴な疑問を聞いてもいいだろうか?」
「ええ」
「王家からの縁談はなかったのか?」
祖母が王女であったことから血筋は近いが、不可能ではない。あれだけ溺愛されていたら、そんな話が出ていてもおかしくない。
「ありませんわ」
「だが、あれだけ可愛がられて、王子二人とも年もそんなに離れていないだろう?」
二人とも年上ではあるが、十歳も離れていない。
「私が魅了を使っているのかとおっしゃられたでしょう?」
「いや、それは」
「疑われるのも慣れております。でも違いますでしょう?」
「ああ」
フランアールは自ら教会に行こうと言っていたことから、疑われることは度々あったのだろうとは思っていた。
「自分でもこれが普通にはなりましたけど、おかしいとは思っておりますのよ?だからこそ王家に嫁いで、国際問題になったらどうしますの?」
「あっ」
ルジエールはどうしてフランアールを嫁にと思わなかったのだろうかとしか思っていなかったが、結婚してからのことを考えていなかった自分に気付いた。
「そうでしょう?」
「国の顔なのだから、私なんて嫁いだら面倒ごとしかないの。だからおじ様、おば様、お兄様、お義姉様には可愛がってもらうだけよ?」
「そうか……」
「そもそも、私は姪?幼子?もしかしたら、ペットのような可愛がり方だと思うわ」
「ペットではないと思うが……」
それでも、今日の会話からも執務室にいるだけでいいなど、まさに妖精のような扱いをされて、遠からずだとは感じていた。
「もしかして、そのことで結婚したくなかったのか?」
「よくやく気付きましたのね、大半はそうですわ」
ルジエールは初めて、自分と似ているとは思っていた。
相性のいい相手とは思っているが、面倒だから結婚したくないルジエールと、面倒が起きそうだから結婚したくないフランアールは決定的に違うのだと実感した。
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