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事件1
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「カイシュ!どうしてここにいる!」
「ですから、フランアール様に頼まれて」
「何だと!」
「まだ言うのか!」
ミハラはカイシュの頭を叩き付けており、さすが護衛も務めるとだけあって、足が折られているとはいえ護衛騎士も動けずにいる。
「ミハラ、落ち着け。言い訳を聞いてやろうではないか。カイシュ話せ」
「ですから、フランアール様が助けて欲しいと、連れ出して欲しいと目で訴えて来られたのです」
「目で?言葉で聞いたわけではないのか?」
「それは人目がありますから」
その言葉にフランアールは、溜息をついた。
ルジエールもこれがフランアールがこれまで苦労した実態なのかと、顔を顰めさせるしかなかった。
「お騒がせしてすみません、やっぱりここでも起こるのね。嫌になっちゃう。面倒だから、おじ様に引き渡してもいいかしら?」
ルジエールはこの僅かですべてを察したが、ジスラットとマーガレットはどういうことなのかと、困惑していた。
「とりあえず、部屋に閉じ込めておこう。私が出られないように封鎖する」
「そうですね、こんな夜分におじ様を起こすのは申し訳ないわ」
「カイシュ、来い!話はこの国で一番偉い人が聞いてくれる」
「……えっ」
「来い!」
ルジエールはまだフランアールを見て恍惚としているカイシュの襟を掴んで引きずって行き、丁度、様子を見に来ていた執事・ブラストに出くわして、ちょうどいい部屋に押し込み、出られないように封鎖した。
「お義父様、お義母様、お騒がせして申し訳ございません。時折、こういったことが起こりますの。ビードルトラン公爵邸は大丈夫かと思ったのですけど」
「っ、魅了の疑いはこれか……」
「はい、魅了ではないのですけども」
「それは知っているわ、そもそもルジエールが気付かないはずがないもの」
「ええ、信じていただきありがとうございます」
ジスラットとマーガレットもルジエールからフランアールが強いことと、魅了ではないが、邪な考えを持つ者が現れることを聞いてはいた。
フランアールがカイシュに色目を使ったとも、考えられない。
そもそも、カイシュはフランアールの護衛でもない。
「カイシュはどうして?」
「はい、部屋には鍵を掛けてもらっていたのですけど」
「鍵、鍵を盗んだのか?」
「かもしれませんね」
ミハラかリルハがフランアールの部屋に鍵を掛けるようにしており、掛け忘れたということは二人にはあり得ない。
「部屋に入って来た気配がしたので、誰かと思って起きたのですけど、あの方、抱き着いて来ようとして来て……押し返したのですが、外術者のようで、風魔法を起こされたのですが、それも返したので、壁にあたって大きな音が出たようです」
バーンという音の風魔法が原因であった。フランアールが身体強化で叩き付けたわけではない。
「っな、申し訳なかった」
「ごめんなさい」
「いいえ、こればかりは事件が起きてからでないと分からないのです」
邸内でこんなことが起こったことに、ジスラットとマーガレットは顔面蒼白になり、そこへ情けなさを滲ませたルジエールが戻って来た。
「ルジエール、完全に我が家のせいだわ……何てお詫びすれば」
マーガレットは小刻みに震えていて、いくらフランアールが慣れているとはいえ、邸で起きたことであるために責任はこちらにある。
「分かっております」
「気にしないで欲しいというのは無理でしょうけど、どこでも起きるのです。どなたか分かりませんけど、おじ様に引き渡します。護衛を減らしてすみません」
フランアールはカイシュと呼ばれているから、そんな名前なんだろうとは思ったが、知りもしない相手だったために、音がしてすぐに駆け付けて来たミハラとリルハに護衛騎士ということだけ聞かされていた。
「ですから、フランアール様に頼まれて」
「何だと!」
「まだ言うのか!」
ミハラはカイシュの頭を叩き付けており、さすが護衛も務めるとだけあって、足が折られているとはいえ護衛騎士も動けずにいる。
「ミハラ、落ち着け。言い訳を聞いてやろうではないか。カイシュ話せ」
「ですから、フランアール様が助けて欲しいと、連れ出して欲しいと目で訴えて来られたのです」
「目で?言葉で聞いたわけではないのか?」
「それは人目がありますから」
その言葉にフランアールは、溜息をついた。
ルジエールもこれがフランアールがこれまで苦労した実態なのかと、顔を顰めさせるしかなかった。
「お騒がせしてすみません、やっぱりここでも起こるのね。嫌になっちゃう。面倒だから、おじ様に引き渡してもいいかしら?」
ルジエールはこの僅かですべてを察したが、ジスラットとマーガレットはどういうことなのかと、困惑していた。
「とりあえず、部屋に閉じ込めておこう。私が出られないように封鎖する」
「そうですね、こんな夜分におじ様を起こすのは申し訳ないわ」
「カイシュ、来い!話はこの国で一番偉い人が聞いてくれる」
「……えっ」
「来い!」
ルジエールはまだフランアールを見て恍惚としているカイシュの襟を掴んで引きずって行き、丁度、様子を見に来ていた執事・ブラストに出くわして、ちょうどいい部屋に押し込み、出られないように封鎖した。
「お義父様、お義母様、お騒がせして申し訳ございません。時折、こういったことが起こりますの。ビードルトラン公爵邸は大丈夫かと思ったのですけど」
「っ、魅了の疑いはこれか……」
「はい、魅了ではないのですけども」
「それは知っているわ、そもそもルジエールが気付かないはずがないもの」
「ええ、信じていただきありがとうございます」
ジスラットとマーガレットもルジエールからフランアールが強いことと、魅了ではないが、邪な考えを持つ者が現れることを聞いてはいた。
フランアールがカイシュに色目を使ったとも、考えられない。
そもそも、カイシュはフランアールの護衛でもない。
「カイシュはどうして?」
「はい、部屋には鍵を掛けてもらっていたのですけど」
「鍵、鍵を盗んだのか?」
「かもしれませんね」
ミハラかリルハがフランアールの部屋に鍵を掛けるようにしており、掛け忘れたということは二人にはあり得ない。
「部屋に入って来た気配がしたので、誰かと思って起きたのですけど、あの方、抱き着いて来ようとして来て……押し返したのですが、外術者のようで、風魔法を起こされたのですが、それも返したので、壁にあたって大きな音が出たようです」
バーンという音の風魔法が原因であった。フランアールが身体強化で叩き付けたわけではない。
「っな、申し訳なかった」
「ごめんなさい」
「いいえ、こればかりは事件が起きてからでないと分からないのです」
邸内でこんなことが起こったことに、ジスラットとマーガレットは顔面蒼白になり、そこへ情けなさを滲ませたルジエールが戻って来た。
「ルジエール、完全に我が家のせいだわ……何てお詫びすれば」
マーガレットは小刻みに震えていて、いくらフランアールが慣れているとはいえ、邸で起きたことであるために責任はこちらにある。
「分かっております」
「気にしないで欲しいというのは無理でしょうけど、どこでも起きるのです。どなたか分かりませんけど、おじ様に引き渡します。護衛を減らしてすみません」
フランアールはカイシュと呼ばれているから、そんな名前なんだろうとは思ったが、知りもしない相手だったために、音がしてすぐに駆け付けて来たミハラとリルハに護衛騎士ということだけ聞かされていた。
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