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クリスティアナ教会3
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「これがお金です」
「お金も本物の様にしてあるのですね」
アイレットの手に乗ったお金は、紙幣の肖像画は偽物らしく描かれており、本物に見間違うことはないが、色や大きさ、雰囲気は同じである。
「はい、紙幣は版画で、硬貨は温めて固める板で作っています」
「君が?」
「はい、こういった模倣するようなものは得意です」
話が聞こえたのか、子どもたちが会話に入って来た。
「アイレット先生は器用なんだよ」
「バターロールも、チョココロネも先生が作ったのが一番上手!」
「嬉しいこと言ってくれるのね」
「ふふん!」
「今日の売り上げはくまのパンだけどね」
「そうね…」
「見せてくれてありがとう、とても素晴らしいね」
「こちらこそ、ありがとうございました」「ありがとうございました」
大公閣下とは知らない子どもたちだが、店員のおかげかきちんとしていて、アイレットは嬉しくなった。
「あなたもお作りになるんですね」
「はい…試行錯誤の末ですが…でも最近は公爵家の方に頼りきりなんです」
「母は生き甲斐ですが、皆は仕事などのいい息抜きになるようですよ。こねたり色を付ける作業は無心になれると」
「有難いことです」
ローグレイン大公閣下は深く頷き、教会の視察は朗らかに終わり、満足そうな様子にフォリッチ公爵も安堵した。
「あの買い物もアイレット嬢が?」
「はい、もっと簡易的なものを修道女になる前から行っていたそうです」
「前から?」
前から行っていた、それだけ信用を得ていたということか。
「はい、それで人気になりまして、本格的に作ることになったそうです。平民の子どもでも、偽物だと馬鹿にする子もいますから、なるべく本物に近いように頑張ったそうです」
「それで手伝うことに?」
「私の娘、この前のパルシエです。器用だと聞いたようで、手伝って貰えないかとお願いをされたそうで、喜んでおりました。それから邸で作っていたら、皆が楽しそうねと集まりましてね。実は母は父が亡くなってからは、あまり部屋から出なかったのですが、今や部屋か粘土部屋かというほどでして」
「感謝されているのですね」
「はい、粘土代は惜しまないと言ってあります」
「ははは!我が国にも取り入れたいほどだ」
貴族の学校に作れば、馬鹿にする者が多いだろうが、教会にあることで、将来に使える。売る側にだって買う側にだって知識は必要だ。
「ありがとうございます。買い物の授業をして、計算や言葉や文字、マナー、歴史を学ばせるとやる気が違うそうです」
「確かに、計算は直結しますし、言葉も丁寧にしなければならない。文字は読み書きできないと困る。マナーも知っていて損はない」
「はい、言語も知らないより知っている方がいい、修道女たちで他国の言葉で客をしたりもするそうです。いずれは他国の店に来たというものもやってみたいと」
修道女もアイレットがいるように、貴族令嬢もいれば、賢い平民もいる。言葉が通じないということを、身を持って味合わせることが出来る。
「子どもたちは身振り手振りするのですか?」
「今のところは、そのようですが、憶えたいという子もいるそうで」
「それはいいですね、歴史は…パンの歴史ですか」
「絡ませるそうです。この時代のパンはこれが人気でしたとか、後は小麦が少ない時、これまではどうしていたかなど」
「なるほど」
生きていく上で意味のないことはないと教えるということか。さすが、才女という名は見据えて、教えることにも長けているようだ。
「それで次の買い物の授業は、パンが値上がりしていたりするわけです」
「それは面白い」
「貴族の子どもに買い物の仕方を学ぶために、貸すことがあるほどです」
「それもいいですね」
フォリッチ公爵は視察という名目にした理由がよく分かった。これは私の仕事には関係ないが、立場には関係のあることだ。
「お金も本物の様にしてあるのですね」
アイレットの手に乗ったお金は、紙幣の肖像画は偽物らしく描かれており、本物に見間違うことはないが、色や大きさ、雰囲気は同じである。
「はい、紙幣は版画で、硬貨は温めて固める板で作っています」
「君が?」
「はい、こういった模倣するようなものは得意です」
話が聞こえたのか、子どもたちが会話に入って来た。
「アイレット先生は器用なんだよ」
「バターロールも、チョココロネも先生が作ったのが一番上手!」
「嬉しいこと言ってくれるのね」
「ふふん!」
「今日の売り上げはくまのパンだけどね」
「そうね…」
「見せてくれてありがとう、とても素晴らしいね」
「こちらこそ、ありがとうございました」「ありがとうございました」
大公閣下とは知らない子どもたちだが、店員のおかげかきちんとしていて、アイレットは嬉しくなった。
「あなたもお作りになるんですね」
「はい…試行錯誤の末ですが…でも最近は公爵家の方に頼りきりなんです」
「母は生き甲斐ですが、皆は仕事などのいい息抜きになるようですよ。こねたり色を付ける作業は無心になれると」
「有難いことです」
ローグレイン大公閣下は深く頷き、教会の視察は朗らかに終わり、満足そうな様子にフォリッチ公爵も安堵した。
「あの買い物もアイレット嬢が?」
「はい、もっと簡易的なものを修道女になる前から行っていたそうです」
「前から?」
前から行っていた、それだけ信用を得ていたということか。
「はい、それで人気になりまして、本格的に作ることになったそうです。平民の子どもでも、偽物だと馬鹿にする子もいますから、なるべく本物に近いように頑張ったそうです」
「それで手伝うことに?」
「私の娘、この前のパルシエです。器用だと聞いたようで、手伝って貰えないかとお願いをされたそうで、喜んでおりました。それから邸で作っていたら、皆が楽しそうねと集まりましてね。実は母は父が亡くなってからは、あまり部屋から出なかったのですが、今や部屋か粘土部屋かというほどでして」
「感謝されているのですね」
「はい、粘土代は惜しまないと言ってあります」
「ははは!我が国にも取り入れたいほどだ」
貴族の学校に作れば、馬鹿にする者が多いだろうが、教会にあることで、将来に使える。売る側にだって買う側にだって知識は必要だ。
「ありがとうございます。買い物の授業をして、計算や言葉や文字、マナー、歴史を学ばせるとやる気が違うそうです」
「確かに、計算は直結しますし、言葉も丁寧にしなければならない。文字は読み書きできないと困る。マナーも知っていて損はない」
「はい、言語も知らないより知っている方がいい、修道女たちで他国の言葉で客をしたりもするそうです。いずれは他国の店に来たというものもやってみたいと」
修道女もアイレットがいるように、貴族令嬢もいれば、賢い平民もいる。言葉が通じないということを、身を持って味合わせることが出来る。
「子どもたちは身振り手振りするのですか?」
「今のところは、そのようですが、憶えたいという子もいるそうで」
「それはいいですね、歴史は…パンの歴史ですか」
「絡ませるそうです。この時代のパンはこれが人気でしたとか、後は小麦が少ない時、これまではどうしていたかなど」
「なるほど」
生きていく上で意味のないことはないと教えるということか。さすが、才女という名は見据えて、教えることにも長けているようだ。
「それで次の買い物の授業は、パンが値上がりしていたりするわけです」
「それは面白い」
「貴族の子どもに買い物の仕方を学ぶために、貸すことがあるほどです」
「それもいいですね」
フォリッチ公爵は視察という名目にした理由がよく分かった。これは私の仕事には関係ないが、立場には関係のあることだ。
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