Symmetry-First story-

似鳥

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変わらない過去

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「先輩って部活…入ってないんですか…?」
「そうだね、入ってないよ。まぁ。詳しくは入ってたかな」

「そうなんですか」
「あ、いやそんな感じじゃなくて大丈夫だよ。ごめんね気を使わせちゃったみたいで。」

先輩は茶髪で耳に小さなピアスが一つ。
ラインストーンタイプ
逢咲学園の校風には少し違っているというか
今までの在校生にはいないタイプだろうか


バス停に行くたびに彼がそこにいる事に嬉しさを覚えていた
バス停に着くと必ず右後ろから先輩は話しかけてくる
そして、他愛のない話をしていた


「何部だったんですか」
「サッカー部だよ」

「僕も……今のところはサッカー部に入ろうかと思ってます」
「やめときな、あの部活。君が入るようなものじゃない」

「まだ…分からないんですけどね」
「僕からの…忠告って事で、よろしくね」

サッカー部の入部を軽く拒否された。
でも、先輩は本気の顔をしていた。

バスは違うからバス停でしか話せない


「あ、あと僕の名前いってなかったね。
 笹倉結人。先輩とか使わなくていいからね」
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