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第四話 絶対に許さない!!
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帰り道を歩きながら、スマホに文字を入力する。
「SSS級ダンジョンを発見したら」で検索してみると、意外にもあっさりと対処法がみつかった。
それらを丁寧に読んでいくと、結局最後は電話をかけろという内容だったので、ページの下貼ってあるリンクの中から夜間対応の電話番号を選ぶ。
すると、ぷるるとなってしばらくすると電話が繋がった。
「もしもし、こちら冒険者協会です。ご用件をお伺いします」
「あのーダンジョンをみつけたんですけど」
「ダンジョン委託の依頼ですね。かしこまりました。それではダンジョンの管理者名、住所、電話番号、それとダンジョンの等級をお答えください」
「わかりました。雨宮洋一……──」
滑らかな語り口のお姉さんに言われるがまま、住所やら電話番号やらを答える。
「──等級はえっと、SSS級っていったかな?」
しばらく待っててみても返事がない。
あれ?もしかして電波が悪いのかな?
「あの……聞こえてます?等級はSSS級です」
繰り返すと、電話口の声は震えていた。
「……嘘ですよね?」
「いやいや、ほんとですって。だから今すぐに処理してくれませんか?」
念を押すと、混乱したかのように素っ頓狂な声を上げた。
「ほへぇ?えへへ。私なんかが対応していいのかな?なになに、私全然わかんない。怖いんだけど。え、なにドッキリ?? やだなぁ、SSS級だなんて。帰り道事故にあわせて殺すつもりですか??」
「いや、そんなことしませんよ。さすがに……」
戸惑っていると、興奮したお姉さんのマシンガントークは止まらない。
「い、いや、嘘ですね。そんなはずはありません。まだこの世界で発見すらされていませんし、発見されれば世界を揺るがしかねない………………失礼ですが、ステータス画面の右上の地図に『SSS級』と記載されてるんですね??」
俺は「はてな」と首を傾げる。
「ステータス画面??なにそれ??どうやって確認すればいいんですか?」
尋ね返すと、お姉さんは咳払いを一つして自我を取り戻した。
「こほん。ステータス画面というのはまずダンジョンに入場していただいて、『ステータス』と唱えると出てくる白いウィンドウ画面を意味します」
「へー、白いウィンドウ画面ね……。でも入場ができない場合は?どうやってステータス画面を確認すれば??」
「それは叶いません。こっちが聞きたいくらいですね」
「でも、ノブを回しても固くて扉が開かないんですよ。なかなか頑固なやつで……」
「うーん……」
お姉さんはしばらく唸ったあと、ダンジョンについて丁寧に説明してくれた。
「ダンジョンというのはそもそも、中に足を踏み入れることから始まります。というのも、そこでステータス画面を確認して、この地はダンジョンなんだなと理解が進むからです。もし、それが扉型のダンジョンだとしても、確認出来なければただの扉です。もう一度繰り返します。ただの扉です」
しまったな……こりゃ老害かなにかと勘違いされてるぞ。俺はただあの扉を持っていってほしいだけなんだが。
ええい、こうなったら。何もかにも暴露してしまえ!!!!
「いやいや、聞いてください!それが喋るんですよその扉!!そして『SSS級ダンジョン』だって言い張るんです!」
「なんですって?喋る扉ですか、、。これまた聞いたことがないですね……。それならこうしましょう。先程の住所に専門家を送り届けます」
専門家?そんなものが存在すんのか。世の中は広いな。明日の朝には来てくれるのか?
「話が早くて助かります。なるべく急ぎの案件なんですけど……」
そう急かすと、お姉さんは至って冷静に受け答えした。
「ええ、ならあと3分後でいかがでしょうか?」
「3分後!? 3分で来れるような場所じゃないと思いますが……」
「大丈夫ですよ。冒険者協会は独自の転移魔法装置によって、日本各地にすみやかな移動を心掛けております。困った人を瞬時に助けるのが私達の使命ですから、このくらいの配慮は雑作もありません」
「そうなんですか?…………まあ、ならお願いします」
「わかりました。では後ほど係のものが伺いますので、その際にはよろしくお願いいたします」
「あ、はい。ありがとうございました」
俺はお姉さんにお礼を告げて電話を切った。そして近道になっている田んぼの畦道を早足で帰宅した。
「SSS級ダンジョンを発見したら」で検索してみると、意外にもあっさりと対処法がみつかった。
それらを丁寧に読んでいくと、結局最後は電話をかけろという内容だったので、ページの下貼ってあるリンクの中から夜間対応の電話番号を選ぶ。
すると、ぷるるとなってしばらくすると電話が繋がった。
「もしもし、こちら冒険者協会です。ご用件をお伺いします」
「あのーダンジョンをみつけたんですけど」
「ダンジョン委託の依頼ですね。かしこまりました。それではダンジョンの管理者名、住所、電話番号、それとダンジョンの等級をお答えください」
「わかりました。雨宮洋一……──」
滑らかな語り口のお姉さんに言われるがまま、住所やら電話番号やらを答える。
「──等級はえっと、SSS級っていったかな?」
しばらく待っててみても返事がない。
あれ?もしかして電波が悪いのかな?
「あの……聞こえてます?等級はSSS級です」
繰り返すと、電話口の声は震えていた。
「……嘘ですよね?」
「いやいや、ほんとですって。だから今すぐに処理してくれませんか?」
念を押すと、混乱したかのように素っ頓狂な声を上げた。
「ほへぇ?えへへ。私なんかが対応していいのかな?なになに、私全然わかんない。怖いんだけど。え、なにドッキリ?? やだなぁ、SSS級だなんて。帰り道事故にあわせて殺すつもりですか??」
「いや、そんなことしませんよ。さすがに……」
戸惑っていると、興奮したお姉さんのマシンガントークは止まらない。
「い、いや、嘘ですね。そんなはずはありません。まだこの世界で発見すらされていませんし、発見されれば世界を揺るがしかねない………………失礼ですが、ステータス画面の右上の地図に『SSS級』と記載されてるんですね??」
俺は「はてな」と首を傾げる。
「ステータス画面??なにそれ??どうやって確認すればいいんですか?」
尋ね返すと、お姉さんは咳払いを一つして自我を取り戻した。
「こほん。ステータス画面というのはまずダンジョンに入場していただいて、『ステータス』と唱えると出てくる白いウィンドウ画面を意味します」
「へー、白いウィンドウ画面ね……。でも入場ができない場合は?どうやってステータス画面を確認すれば??」
「それは叶いません。こっちが聞きたいくらいですね」
「でも、ノブを回しても固くて扉が開かないんですよ。なかなか頑固なやつで……」
「うーん……」
お姉さんはしばらく唸ったあと、ダンジョンについて丁寧に説明してくれた。
「ダンジョンというのはそもそも、中に足を踏み入れることから始まります。というのも、そこでステータス画面を確認して、この地はダンジョンなんだなと理解が進むからです。もし、それが扉型のダンジョンだとしても、確認出来なければただの扉です。もう一度繰り返します。ただの扉です」
しまったな……こりゃ老害かなにかと勘違いされてるぞ。俺はただあの扉を持っていってほしいだけなんだが。
ええい、こうなったら。何もかにも暴露してしまえ!!!!
「いやいや、聞いてください!それが喋るんですよその扉!!そして『SSS級ダンジョン』だって言い張るんです!」
「なんですって?喋る扉ですか、、。これまた聞いたことがないですね……。それならこうしましょう。先程の住所に専門家を送り届けます」
専門家?そんなものが存在すんのか。世の中は広いな。明日の朝には来てくれるのか?
「話が早くて助かります。なるべく急ぎの案件なんですけど……」
そう急かすと、お姉さんは至って冷静に受け答えした。
「ええ、ならあと3分後でいかがでしょうか?」
「3分後!? 3分で来れるような場所じゃないと思いますが……」
「大丈夫ですよ。冒険者協会は独自の転移魔法装置によって、日本各地にすみやかな移動を心掛けております。困った人を瞬時に助けるのが私達の使命ですから、このくらいの配慮は雑作もありません」
「そうなんですか?…………まあ、ならお願いします」
「わかりました。では後ほど係のものが伺いますので、その際にはよろしくお願いいたします」
「あ、はい。ありがとうございました」
俺はお姉さんにお礼を告げて電話を切った。そして近道になっている田んぼの畦道を早足で帰宅した。
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