こんな異世界望んでません!

アオネコさん

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天使救出編

三人の会話

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「………」

 皆さんおはようございます。
 朝日が射し込む部屋のベッド。
 その上で俺とアスキルは裸で一緒に寝ているという状況。
 ……これが、朝チュンというヤツなのか。


 ……。

 ……………。

 ……………………。


 んなわけないだろっっ!!
 ぎゃぁぁ!皇子としてしまった!!やばいって!これやばいって!
 しかもアスキルはこの国唯一の皇子っぽいし、その王位?継承権第一位の皇子の初めてを図らずも奪ってしまったんだよ!?
 やばいって!問題になるって!
 え?朝チュン初めてじゃないだろ?って?
 今そんな話どうでもいいわっ!!!

「ん……ユウト?どうした?」

「………」

 朝日の中で美少年スマイル晒すなや。
 そしてサラッと尻揉むなや。

「まだ朝早いぞ、寝てても大丈夫だ」

 いやいや、大丈夫じゃないよ?
 抱き着こうとするんじゃねぇよ?
 お前のそのキラキラフェイスに泥水転送させてやろうか?おぉん?

「起きたら父上に俺達の事を話そう」

 ……何の話を?

「な……なん……の?」

 俺が尻からアスキルの手をどかしながら聞くと、アスキルは何を当たり前のことを、という感じで口を開いた。

「俺達の結婚の話だ」

 ポッと頬を赤く染めながら言うアスキルは傍から見れば絵画かと思う程の美しさがあった。
 だがそれは、そう、の話である。
 やっぱりそう来たか……!!問題になるぞ!!というか問題になった!!
 あかん……とってもあかんよ……。

「結婚式はハビリオンが所有する島だな、朝には二人で一緒に食事を……それから……」

 ……あの、寝てもいいですか?
 さっき寝てていいとか言ってましたよね?
 ちょっと現実逃避したいんで、おやすみなさい。
 というわけで、結婚後の生活の話をし始めたアスキルを置いて夢の世界へと旅立った。


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・


「……というわけなのです」


 アスキルの視線の先には父親であるアラル皇帝が座っている。
 ここはアラル皇帝の私室のような場所で、アスキルと俺と皇帝の三人しかいない。
 そしてアスキルは自分の父親に俺との結婚の話をしているのだ。
 ……ふっ、どうしてこうなったかって?
 それは……。



 あれからしばらくして夢の世界から引き摺り戻された俺はアスキルと朝ご飯を食べていた。
 なんか一人だけ恋人同士の初めての朝みたいな雰囲気を出してるアスキルを必死で見ないふりをしていたのだ。
 それよりも、どうすればアスキルとの結婚を回避出来るか……それだけを必死に考えていた。
 この朝ご飯が終わればアスキルは俺を連れて父親のところに突撃するのだろう。
 父親であるアラル皇帝はあの事件の後、なんの問題もなく快復したようで、今は忙しくしているらしい。皇帝だからね、仕方ない。
 ……というか、そんな忙しいところに結婚だなんて面倒な案件持ってっちゃダメだと思うんだが。

 アスキルには、皇族として生活するなんてそんなの平凡に生きてきた俺には無理、とか、ポッと出の俺なんかを一時の感情で選んじゃダメだ、とか色々言ったのに全く聞いちゃくれない。
いっその事、転移で逃げるか?とも考えたけど、フェル達やウィアベルさんを思うとそんな事出来やしない。
 特に、ハビリオンの学院に推薦してくれたレイトさんやそれを受け入れてくれたウィアベルさんを裏切るわけにはいかない。
 それにハビリオンに来れなくなるのも嫌だしね。

 だからアスキルの説得は諦めて、父親に説明する事にしたのだ。
 アスキルは聞いてくれなかったけど、父親である皇帝なら聞いてくれる……かもしれない。
 自分の息子のお願いをホイホイ聞いちゃう父親じゃない事を祈るのみだ。
 というわけで、こっそりアラル皇帝のところに行こうとしたところ、アスキルに見つかり、何を勘違いしたのか、こういう話は一緒に言うべきとか言って勝手についてきてしまったのだ。
 くそ……スキルで気配を消してたのになぜバレたし……。



 と、まぁそんなわけで先程の光景になったというわけだ。
 キラキラした瞳で父親を見ているアスキルとは違いどんどん目が死んでいく俺。
 どこの恋愛映画かっ、ってくらいの恋愛話をされて、目が死なないわけがない。
 おい、アスキルよ……いつ二人は恋に落ちたんだ?脚色しまくってるぞ。
 でもアスキルには悪いけど、次はちゃんと自分の話を聞いてもらおう。
 アスキルがあんな事言ってるけど自分には荷が重いです……みたいな。
 皇帝に話せば納得してくれるだろう……多分、きっと、おそらく……。


「それは認められん」



「え?」
え?


 アラル皇帝の発言に、アスキルの声と俺の心の声が重なった。
 アスキルは、まさか否定されるとは思っていなかったらしく、俺も、説得するまではアスキルに協力的だと思ってたから、この発言で驚き固まってしまった。

「な、なぜですか?」

 立ち直ったアスキルがそう聞くと、アラル皇帝はゆっくりと俺に視線を向けた。
 ……え?な、なんでしょうか……?

「ユウト殿は、とある目的でこの国を訪れたのだろう?」

 とある目的。
 それは天使の封印を解く鍵がこの国にあると、レイトさん達が推測して、俺に入学という形で探させようとしたのが今回の目的だった。
 色々な事があり過ぎて忘れかけてたけど、元々そのつもりで来たんだよね……。
 結局、許可証云々は関係無く、色々な場所に入れちゃったんだけど。
 多分その事を言ってるんだろうね、さすがに皇帝は俺達の目的を知ってたか。
 いや別に皇帝に隠れてする意味も無いんだけど。
 レイトさん辺りが話を通してくれたのかな?

「そうだったのかい!?」

 猫かぶりアスキルがこちらを驚いたように見た。
 あれ?言ってなか……ったね。多分。
 まぁ嘘ついてたわけじゃないし?俺は悪くないし?
 そう思い頷くと、なぜかガーンという効果音が出そうなほど呆然とするアスキル。なぜや。

「それに、聞くところによるとユウト殿は記憶喪失だそうじゃないか」

 ……え?あっ?あっ!忘れてた!
 俺、記憶喪失って設定なんだった……。
 やばいやばい……ちゃんと覚えておかないと。
 でないと色々矛盾が出てしまう!
 ていうか、聞くところによるとって、誰から聞いたん?レイトさんかな?あ、でもウィアベルさんかも。

「ならば、忘れているだけでユウト殿には家族や大切な人がいるかもしれん、ユウト殿はお前とは一緒にいられないのだ」

 アラル皇帝の言葉にアスキルはグッと歯を食いしばり、何かを我慢するような仕草を見せる。
 まぁ、嘘ではない……と思う。
 家族もいるし、大切な人……は、いないけど、天使の封印を解くためにここにはいられないし……。
 一緒にいられないのは確かだ。

「そ、そんな……しかしっ」

 アスキルは首を横に振り、突然俺の方に顔を向けた。
 そして俺の肩を両手でがっしりと掴んだ。
 いや、そんなウルウルお目目で見られてもアスキルが男である限りキュンッとはしないから。

「ユ…ユウトは、それでいいのか……?」

 ……。
 それでいいも何も……って言おうと思ったけど、アスキルの必死な顔を見ると、今までの思い出が頭を……。
 だからといってじゃあ結婚するとはならないけどな!!

「ごめんアスキル、アスキルの事は好きだけど俺にはやらなきゃいけない事があるんだ。だからアスキルと一緒にはいられない」

 出来るだけ誠実に。
 最初は変な貴族から始まって、色々あったけど、今は俺の中で大切な人の一人になってるつもりだ。
 一夜を共にしたからとかじゃない、純粋な気持ち。
 だからアスキルを傷付けるつもりはないと心から思ってる。
 それでもアスキルの思いには応えられない。
 逃げるようだけど、ごめん。
 ……あー、なんか凄い絆されてる感じがするよ。
 今まで色んな生き物に抱かれ……いや、思い出すのはやめよう。
 これから先、 スキルの副作用がある限りどんどんヤバい方向にいってしまう気がする。
 だけど、それは逃げられないし、頑張っていくしかないのだろう。
 ……何を頑張るか?
 ノーコメントで。







――――――――――――――――――――――――――――――

お久しぶりです!アオネコさんです!

一月以上更新出来ておらず申し訳ありませんでした!
そしてこれからももしかしたら不定期更新が続くかもしれません……。
ですがもし、それでも応援してくださる方がいるなら感謝いたします!


そしてそして、お気に入り件数が1500件を突破いたしました!
ありがとうございます!これからも皆様のコメントや、お気に入りを見て励みにしてまいります!


どうぞ、これからもユウト君達を作者共々よろしくお願いします!



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