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したてやチューインのおおしごと

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 ねずみのチューインはおようふくをしたてるしごとをしています。


 どうぶつたちがたくさんくらすもりのなかで、おみせをしているチューイン。たいようがかおをだしたころ。お店のドアを誰かが強くドンドンドンと叩きました。

 「はいはい、いらっしゃいませ。したてやにようこそ。」

 チューインがおみせのドアをひらきますが、そこにはだれもいません。外に出てみると。

「あれれ?でもはいいろしかみえないぞ?」

「おーい、おーい!ここですよー!」

 するとうえからこえがきこえます。

「うわぁ!おおきい!」

 チューインがうえをみると、そこにらおおきなからだにながいはな。ゾウのおじょうさんがたっていました。

「こんにちは、チューインさん。」

「こんにちは、ゾウのおじょうさん。きょうらどんなふくをおさがしかな?」

 チューインはおおごえでさけびます。

「きょうはわたしのウェディングドレスをつくってほしいんです。わたしがおおきすぎてどのおみせにもことわられてしまったの。」

 ゾウのおじょうさんはかなしそう。そんなおじょうさんをみて、チューインはかわいそうになりました。

「まかせてください、おじょうさん。このチューインにしたてられないものなどございません。」

 そうさけぶと、チューインはおおいそぎでおみせにもどります。

「ええと。かみにぺんにメジャーにと!」

 どうぐをカバンにおしこんで、チューインはゾウのおじょうさんのところにもどります。

「さぁさぁ、サイズをはかりましょう。」

 メジャーをもったチューインは、ゾウのおじょうさんのからだをはしりまわります。

 みぎにひだりにうえにしたに。

「うん!サイズはわかった。つぎはデザインだな。」

 チューインはハシゴをつかってみせのやせにのぼります。ゾウのおじょうさんのかおのちかくまでいくと、たくさんのデザインがをみせました。

「お人形のようなふわふわドレス、人魚のようなマーメイドドレス、女王様のような大人びたドレス、なんでもつくろう!」

 チューインがドンとむねをたたきます。
 ゾウのおじょうさんはなででざいんがをつかむと、いちまいいちまいよーくみてなやみました。そしてきめたいちまいをチューインにわたします。

「おはなとししゅうがいっぱいのドレスがいいの。」

「うん!おじょうさんにぴったりだ!」


 チューインはハシゴをおりておみせにもどります。そして、たなのなかにあるありったけのまっしろなぬのをかかえました。

「よーし!」

 カバンの中からつかいなれたはりをとりだすと、チューインはぬのをあいだをはしりまわります。

「チューチューはしれ。チューチューはしれ。きれいなドレスにうまれかわれ。」

 するとしろいぬのはあっというまにおおきなおおきなドレスへかわりました。

 ドレスをたたんであたまのうえにのせたチューインはハシゴをのぼってやねのうえに。そしてまたおおごえでいいました。

「おじょうさん、ドレスができましたよ。」

「まぁ!」

 おおよろこびのゾウのおじょうさんは、はなでドレスをつかんであたまからかぶりました。

「まぁまぁきれい!とってもきれいよ、したてやさん!」

 おおよろこびのゾウのおじょうさんはそのままかえろうとします。

「まちなさい、おじょうさん。まだしあげがおわってないよ。」

 チューインはカバンのなかにたくさんのおはなとビーズをつめこんで、ゾウのおじょうさんがきているドレスにとびつきました。

「チューチューつけろ。チューチューつけろ。きれいはドレスをひからせろ。」

 チューインはドレスのあちらこちらにいろとりどりのはなとびーずをぬいつけました。

 おおきなドレスにおはなとビーズをぬいつけるのはおおしごと。チューインはチューチューといきをはきなが、ドレスのうえをはしりまわります。

 ゆうがたには、おはなとビーズでいっぱいのドレスができあがりました。

「ありがとう、すてきなしたてやさん。これでしあわせなけっこんしきができるわ。」

「えぇえぇ。よろこんでもらえてうれしいですよ。」

 チューインはおおごえでこたえます。ゾウのおじょうさんはスキップしながらかえっていきました。

 そらはもうあかねいろにそまっています。おおきなドレスのおおしごとにまんぞくしたチューインはハシゴをおりておみせにもどりました。

 
 
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