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第三章 建国の女神様
(17)継承者たち
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フィオラが夢中で魔具を眺めている間に、アルマの視線は自然と店の隅に引き寄せられた。そこには、時の重みを宿したような一つの魔具がひっそりと置かれている。「古代遺跡から発掘された魔具」と書かれた小さな札が添えられ、周囲の華やかな装飾品とは一線を画す佇まいを見せていた。
手に収まるほどの小さな三日月型の魔具は、独特な存在感を放っていた。触れると冷たい金属の感触が指先に伝わり、青緑色の艶やかな光沢が夜の海のように神秘的に輝いている。外縁には古代文字と幾何学模様が彫られ、見る角度によって微かに光を帯びる様子は、何か深遠な秘密を抱えているようだった。
中心にある小さな窪みからは、淡い緑色の光が脈動するように明滅していた。その光は三日月の先端へと広がり、まるで生き物が息づいているかのような感覚を与えていた。それは、長い間眠りについていながらも、何かを待ち続けているかのような、不思議な存在感を放っていた。
「それに興味を持たれる方は珍しいですね。」背後から柔らかな声が聞こえた。振り返ると、若い店主が静かに微笑みながら立っていた。
「これは祖父が手に入れた品なんです。昔、王都を訪れたトレジャーハンターが手放したものを譲り受けたと聞いています。どこの遺跡から来たのか、何のために使うのかも分かりません。ただ、祖父がとても気に入っていたので、処分することもできず、こうして飾っているだけなんです。」
アルマはその話を聞きながら、魔具をじっと見つめていた。「投入口や起動の仕組みが見当たらない…。でも、内部から伝わるマナの流れは異質ね。幾重にも張り巡らされた防御壁のような層がある。一体、何が秘められているのかしら。」その声には、未知への探求心が滲んでいた。
「失われた魔法を起動させる鍵なのかもしれない…」と呟くアルマの瞳には、遥か過去への憧れと興奮が浮かんでいた。
そんな彼女を見たフィオラは肩をすくめ、「でもなぁ、ウチからしたら、魔具ってもっと実用的でええんちゃう?マナを込めたらその場でバーンと派手に何か起こるくらい分かりやすい方が好きやわ!」と軽やかに笑った。その言葉には、実用性を重んじる彼女なりの信念が感じられた。
「実用性じゃないのよ。この魔具には、特別な歴史と力が眠っているの。」アルマの声には、未知の謎に触れた興奮がこもっていた。その輝きは、目の前の魔具をさらに神秘的なものに見せた。
二人のやりとりを聞きながら、壁にもたれたカーライルが腕を組み、呆れたようにため息をつく。「お前たちが話してると、どんなものでも壮大な冒険の道具に聞こえるな。まぁ、勝手に楽しんでくれ。」その言葉には呆れ半分、微笑ましさ半分の感情が滲んでいた。
店主は少し考え込むような表情を見せた後、ゆっくりと口を開いた。「君たちのような人たちに譲るのが、この魔具にとっても幸せかもしれませんね。」慎重に言葉を選びながら続ける。「祖父が金貨一枚で譲り受けたものですが、実際の価値は分かりません。…銀貨一枚でお譲りします。それでどうでしょう?」
その提案にアルマとフィオラは互いに目を見合わせ、驚きつつも静かに頷いた。
店主は一瞬視線を逸らし、再び二人に向き直る。「ただ、安く譲る代わりにお願いがあります。この魔具の使い方が分かったら教えてもらえませんか。私もこの店を継ぐ者として、もっと知識を深めたいと思っています。」
その「継ぐ者」という言葉にフィオラの胸が熱くなった。祖父ボルグの伝統を思い、自分もその誇りを受け継ぎたいという想いが心に燃え上がる。
「任せといてや!ウチらに期待してな!」フィオラは力強く頷き、快活な声で答えた。その言葉には、未来への決意がしっかりと込められていた。
こうしてフィオラとアルマは、その古代の魔具を手に入れた。長い歴史を秘めたその品に、店主は静かな期待と信頼を託す眼差しを向けた。
店を出た三人は、それぞれの胸に抱く思いと、これから始まる冒険への期待を胸に、王都の喧騒の中へと歩き出していった。沈む夕陽が石畳を照らし、三人の影を長く引き伸ばしていた。
手に収まるほどの小さな三日月型の魔具は、独特な存在感を放っていた。触れると冷たい金属の感触が指先に伝わり、青緑色の艶やかな光沢が夜の海のように神秘的に輝いている。外縁には古代文字と幾何学模様が彫られ、見る角度によって微かに光を帯びる様子は、何か深遠な秘密を抱えているようだった。
中心にある小さな窪みからは、淡い緑色の光が脈動するように明滅していた。その光は三日月の先端へと広がり、まるで生き物が息づいているかのような感覚を与えていた。それは、長い間眠りについていながらも、何かを待ち続けているかのような、不思議な存在感を放っていた。
「それに興味を持たれる方は珍しいですね。」背後から柔らかな声が聞こえた。振り返ると、若い店主が静かに微笑みながら立っていた。
「これは祖父が手に入れた品なんです。昔、王都を訪れたトレジャーハンターが手放したものを譲り受けたと聞いています。どこの遺跡から来たのか、何のために使うのかも分かりません。ただ、祖父がとても気に入っていたので、処分することもできず、こうして飾っているだけなんです。」
アルマはその話を聞きながら、魔具をじっと見つめていた。「投入口や起動の仕組みが見当たらない…。でも、内部から伝わるマナの流れは異質ね。幾重にも張り巡らされた防御壁のような層がある。一体、何が秘められているのかしら。」その声には、未知への探求心が滲んでいた。
「失われた魔法を起動させる鍵なのかもしれない…」と呟くアルマの瞳には、遥か過去への憧れと興奮が浮かんでいた。
そんな彼女を見たフィオラは肩をすくめ、「でもなぁ、ウチからしたら、魔具ってもっと実用的でええんちゃう?マナを込めたらその場でバーンと派手に何か起こるくらい分かりやすい方が好きやわ!」と軽やかに笑った。その言葉には、実用性を重んじる彼女なりの信念が感じられた。
「実用性じゃないのよ。この魔具には、特別な歴史と力が眠っているの。」アルマの声には、未知の謎に触れた興奮がこもっていた。その輝きは、目の前の魔具をさらに神秘的なものに見せた。
二人のやりとりを聞きながら、壁にもたれたカーライルが腕を組み、呆れたようにため息をつく。「お前たちが話してると、どんなものでも壮大な冒険の道具に聞こえるな。まぁ、勝手に楽しんでくれ。」その言葉には呆れ半分、微笑ましさ半分の感情が滲んでいた。
店主は少し考え込むような表情を見せた後、ゆっくりと口を開いた。「君たちのような人たちに譲るのが、この魔具にとっても幸せかもしれませんね。」慎重に言葉を選びながら続ける。「祖父が金貨一枚で譲り受けたものですが、実際の価値は分かりません。…銀貨一枚でお譲りします。それでどうでしょう?」
その提案にアルマとフィオラは互いに目を見合わせ、驚きつつも静かに頷いた。
店主は一瞬視線を逸らし、再び二人に向き直る。「ただ、安く譲る代わりにお願いがあります。この魔具の使い方が分かったら教えてもらえませんか。私もこの店を継ぐ者として、もっと知識を深めたいと思っています。」
その「継ぐ者」という言葉にフィオラの胸が熱くなった。祖父ボルグの伝統を思い、自分もその誇りを受け継ぎたいという想いが心に燃え上がる。
「任せといてや!ウチらに期待してな!」フィオラは力強く頷き、快活な声で答えた。その言葉には、未来への決意がしっかりと込められていた。
こうしてフィオラとアルマは、その古代の魔具を手に入れた。長い歴史を秘めたその品に、店主は静かな期待と信頼を託す眼差しを向けた。
店を出た三人は、それぞれの胸に抱く思いと、これから始まる冒険への期待を胸に、王都の喧騒の中へと歩き出していった。沈む夕陽が石畳を照らし、三人の影を長く引き伸ばしていた。
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