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対峙からの逃亡劇 ?
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怒るコシを宥めながら、帝都を散策していると帝都お勧めの甘味処という表記が目に留まる。
「コシ、ちょっとココ寄ってこうよ」
「甘味処、別にいいけど・・・ 」
「ここの代金は私が払うから、少しは機嫌直してよ」
それならとコシも納得して店内に入ると、若いカップルや女性のグループで賑わっていた。とりあえず空いてる席に座り、当店イチオシという甘味を注文する。
料理が運ばれて来るのを待っている間、周りの雑談が耳に入ってくる。
「そういえば、あの噂って知ってる ?」
「あれでしょ、白龍の龍姫が帝都に乗り込んで話しでしょ」
「それもそうだけど、その白龍の龍姫が倒した海神の調査に出てた、黒龍と天龍の龍姫が二人揃って戻って来たってやつ」
どうやら私が倒した海神の調査に龍姫が二人も出ているらしく、丁度その二人が戻って帝都入りしたという話しで持ち切りのようだ。
「シラユリ、何をそんな真剣に悩んでるのさ。せっかくの甘味が台無しだよ」
「ああ、ごめん。なんか黒龍と天龍の龍姫って言葉がそこら辺から聞こてきてさ」
「大丈夫だって、街中に居れば早々見つからないって。それにこんなに広い街だよ、んな直ぐ会わないって」
フォークを口に咥え、甘味をがっつきながら言ってくるせいで妙に説得力に欠ける。
「それもそうね、幾ら気にしたって始まらないものね」
一緒に注文していた紅茶を啜っていると、店内の客がざわめき出し一斉に窓の外を眺め出す。何事かと思っていると、どこからか黒龍と天龍の龍姫だという歓声が挙がる。紅茶を吹き出しそうになったのを堪え、私達も集団の端から顔を出す。
外の通りには、注目を集めている二人の女性が並んで手を振りながら歩いていた。互いに対象的で、以前会ったことがあるクロツツジは派手な見た目だがお淑やかに手を振り。もう片方の女性は、腰までありそうな紅の髪を揺らしながら両手を掲げるようにして手を振っていた。修練着のようなモノも秋を思わせる色使いであり、見た目までも正反対だと捉えてしまう。
「おおスゲー、クロツツジ殿とキンカモミジ殿だ !」
「普段は管轄院から滅多に出て来ないし、二人揃って街を歩いてるとこなんて初めて見た」
周りの反応が気になり、群衆の隙間からさらに顔を出そうとしてコシに止められる。
「シラユリ、あんま顔出すと見つかるよ。片方とは面識あるんでしょ」
確かにコシの言う通りだと思い、これ以上は危ないと思い席に戻る。
とりあえず今は見つからないようにして、用を済ませたら早々に帝都を後にしようと思い宿に帰る。
「やっぱり気になるのよねー」
「黒龍と天龍の龍姫のこと、気にしたってしょうが無いじゃん」
「そうだけど ーーー 」
そんな話しをしながら部屋の前まで来ると、前方から来る二人の女性と鉢合わせになる。
普通の宿泊客なら良かったのだが、前方から現れた2人は件の龍姫だったのだ。
「白龍の龍姫 ーーー !?」
「クロツツジと天龍の龍姫 !!」
刹那の瞬間、私とクロツツジが覇龍化し覇気の突風が巻き起こる、宿の窓ガラスが軋み終わると同時に二人とも仕掛けるが、コシと天龍の龍姫が互いに制止を掛ける。
「ちょっ、シラユリ止まってっ !!」
「クロツツジもたんま、たんまっ !!」
「「何 !?」」
「こんなトコで闘ったら宿に迷惑っていうか、潰れるって建物が」
「クロツツジもこの前暴走して怒られたばっかじゃん、相変わらずクソ真面目なんだから ーーー」
私とクロツツジが二人を睨みつけるが、あっさりと正論を返されてしまう。互いにに覇龍化を解き、臨戦態勢を解除する。
「そうですね。ワタシとした事が少し早まりました、キンカモミジ」
「確かにこんなトコで闘りあったら、宿に迷惑だわ」
「にゃハハ、今の処はお互いに休戦ってとこで良いじゃない」
「ですが、キンカモミジ !?」
「はいはい、熱くならない。今此処で直ぐ捕まえなくったって大丈夫だって、宿から離れたタイミングで捕まえれば良いんだから。それにあーし疲れたし、先に部屋行ってるよ」
キンカモミジと呼ばれた女性はクロツツジが止める間もなく、そのまま部屋の中へと入って行ってしまう。
「白龍の龍姫、現状見逃しますが忘れないで下さい。この宿を出れば容易に貴女を捉えられることと、常に私達が監視している事をお忘れなきよう」
そう言い残し、クロツツジ自身も部屋の中へと入って行く。私とコシもそれを確認し、自室の中に入り大きな溜息を吐く。
「良かった~、闘わずにすんで」
「まったくだよ、ボクと天龍の龍姫が同じ考えだから良かったものの、一時はどうなるかとヒヤヒヤだったよ」
二人とも肩を撫で下ろすと、今日の疲れが身体中に一気に拡がる。結構歩いて疲れたし、汗もかいたことだしお風呂でも入ろうかしら。
「シラユリどこ行くの ?」
「ここの宿って大浴場が付いてるらしくてね、サッパリしてさっきの事も洗い流してくる」
大浴場まで行くと時間も中途半端なのか、お客はまバラで私としては助かっている。浴場に足を踏み入れると、見知った顔が掛け湯をしていた。
「にゃハハ、さっきぶりだね白龍の龍姫 !!」
身体全身に悪寒が走るような感覚があり、天龍の龍姫が私に向かい突如として殺気を放って来たのだ。持っていた手ぬぐいを捨て、僅かな間で臨戦態勢をとる。
「良い反応、あーしと殺し合いよ」
「コシ、ちょっとココ寄ってこうよ」
「甘味処、別にいいけど・・・ 」
「ここの代金は私が払うから、少しは機嫌直してよ」
それならとコシも納得して店内に入ると、若いカップルや女性のグループで賑わっていた。とりあえず空いてる席に座り、当店イチオシという甘味を注文する。
料理が運ばれて来るのを待っている間、周りの雑談が耳に入ってくる。
「そういえば、あの噂って知ってる ?」
「あれでしょ、白龍の龍姫が帝都に乗り込んで話しでしょ」
「それもそうだけど、その白龍の龍姫が倒した海神の調査に出てた、黒龍と天龍の龍姫が二人揃って戻って来たってやつ」
どうやら私が倒した海神の調査に龍姫が二人も出ているらしく、丁度その二人が戻って帝都入りしたという話しで持ち切りのようだ。
「シラユリ、何をそんな真剣に悩んでるのさ。せっかくの甘味が台無しだよ」
「ああ、ごめん。なんか黒龍と天龍の龍姫って言葉がそこら辺から聞こてきてさ」
「大丈夫だって、街中に居れば早々見つからないって。それにこんなに広い街だよ、んな直ぐ会わないって」
フォークを口に咥え、甘味をがっつきながら言ってくるせいで妙に説得力に欠ける。
「それもそうね、幾ら気にしたって始まらないものね」
一緒に注文していた紅茶を啜っていると、店内の客がざわめき出し一斉に窓の外を眺め出す。何事かと思っていると、どこからか黒龍と天龍の龍姫だという歓声が挙がる。紅茶を吹き出しそうになったのを堪え、私達も集団の端から顔を出す。
外の通りには、注目を集めている二人の女性が並んで手を振りながら歩いていた。互いに対象的で、以前会ったことがあるクロツツジは派手な見た目だがお淑やかに手を振り。もう片方の女性は、腰までありそうな紅の髪を揺らしながら両手を掲げるようにして手を振っていた。修練着のようなモノも秋を思わせる色使いであり、見た目までも正反対だと捉えてしまう。
「おおスゲー、クロツツジ殿とキンカモミジ殿だ !」
「普段は管轄院から滅多に出て来ないし、二人揃って街を歩いてるとこなんて初めて見た」
周りの反応が気になり、群衆の隙間からさらに顔を出そうとしてコシに止められる。
「シラユリ、あんま顔出すと見つかるよ。片方とは面識あるんでしょ」
確かにコシの言う通りだと思い、これ以上は危ないと思い席に戻る。
とりあえず今は見つからないようにして、用を済ませたら早々に帝都を後にしようと思い宿に帰る。
「やっぱり気になるのよねー」
「黒龍と天龍の龍姫のこと、気にしたってしょうが無いじゃん」
「そうだけど ーーー 」
そんな話しをしながら部屋の前まで来ると、前方から来る二人の女性と鉢合わせになる。
普通の宿泊客なら良かったのだが、前方から現れた2人は件の龍姫だったのだ。
「白龍の龍姫 ーーー !?」
「クロツツジと天龍の龍姫 !!」
刹那の瞬間、私とクロツツジが覇龍化し覇気の突風が巻き起こる、宿の窓ガラスが軋み終わると同時に二人とも仕掛けるが、コシと天龍の龍姫が互いに制止を掛ける。
「ちょっ、シラユリ止まってっ !!」
「クロツツジもたんま、たんまっ !!」
「「何 !?」」
「こんなトコで闘ったら宿に迷惑っていうか、潰れるって建物が」
「クロツツジもこの前暴走して怒られたばっかじゃん、相変わらずクソ真面目なんだから ーーー」
私とクロツツジが二人を睨みつけるが、あっさりと正論を返されてしまう。互いにに覇龍化を解き、臨戦態勢を解除する。
「そうですね。ワタシとした事が少し早まりました、キンカモミジ」
「確かにこんなトコで闘りあったら、宿に迷惑だわ」
「にゃハハ、今の処はお互いに休戦ってとこで良いじゃない」
「ですが、キンカモミジ !?」
「はいはい、熱くならない。今此処で直ぐ捕まえなくったって大丈夫だって、宿から離れたタイミングで捕まえれば良いんだから。それにあーし疲れたし、先に部屋行ってるよ」
キンカモミジと呼ばれた女性はクロツツジが止める間もなく、そのまま部屋の中へと入って行ってしまう。
「白龍の龍姫、現状見逃しますが忘れないで下さい。この宿を出れば容易に貴女を捉えられることと、常に私達が監視している事をお忘れなきよう」
そう言い残し、クロツツジ自身も部屋の中へと入って行く。私とコシもそれを確認し、自室の中に入り大きな溜息を吐く。
「良かった~、闘わずにすんで」
「まったくだよ、ボクと天龍の龍姫が同じ考えだから良かったものの、一時はどうなるかとヒヤヒヤだったよ」
二人とも肩を撫で下ろすと、今日の疲れが身体中に一気に拡がる。結構歩いて疲れたし、汗もかいたことだしお風呂でも入ろうかしら。
「シラユリどこ行くの ?」
「ここの宿って大浴場が付いてるらしくてね、サッパリしてさっきの事も洗い流してくる」
大浴場まで行くと時間も中途半端なのか、お客はまバラで私としては助かっている。浴場に足を踏み入れると、見知った顔が掛け湯をしていた。
「にゃハハ、さっきぶりだね白龍の龍姫 !!」
身体全身に悪寒が走るような感覚があり、天龍の龍姫が私に向かい突如として殺気を放って来たのだ。持っていた手ぬぐいを捨て、僅かな間で臨戦態勢をとる。
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