誰も悪くない

アップルギャング

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少年野球

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野球って試合は楽しいけど、日頃は地道な努力のみ。
毎日のランニング、素振りは、巨人の星並にやらないと、プロ野球選手にはなれない。
俺たちは、プロ野球を支える宣伝統だろうな。
俺たちも大変だけど、親たちはもっと大変そう。
少年野球って親は土日なし、洗濯3倍で朝も弁当作り。
仕事より早いの。妹たちなんて、一日中グランドの周りで遊んでるし、暑いし、楽しくないよ。
よく頑張った、俺も、妹たちも親達も、ありがとさん!って、プロ野球選手にはなれなかったけど、根性は少しついたかな。
雪の日の手足が冷たいのと、走るのが最後だともう一週とか、抜かされるともう一週なんて、よくやってたなぁ~。
ほんと、殺す気か~っていつも思ってた。
父親が出てってからすぐ辞めた。
金もかかるし、意外と親がついて行ってる子供がレギュラーしたりしてたから、うちの母ちゃんは、一人になって仕事で行けないし、金も続かないし、俺もやめたかったし。
野球は、終わりにした。
俺は、もともと音楽が好きだったし、詩を作ったり、ラップにしたり、それに夢中になった。
金がなくて機材は買えないけど、なんとか携帯で作ったり。
詩だけはノートに書いてたり。
母ちゃんの2番目の男に家を、急に出ろって言われて、何も持たず外に出されて。
1文無しでも、何でも生きていくしかない。
死ぬ選択肢はまずなかった。
その経験も、ラップの材料。
すべて、人生の勉強だと思ってる。
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