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第2章 動きだした凶悪な者達
第8話 カザトを狙う者共
神聖皇国でのカザトの行動は単純だった。
まず、要請通り鍛冶場の復興である。
そして、そのことは順調良くすすんでいたのだが、ガス王国の王族の血が流れていない貴族達が、動きだした。
某ガス貴族侯爵家の使い
「冒険者ではなく、我が家に取り立ててやろうと侯爵様のお言葉である。」
もちろん、カザト達は断った。
そして、こんな輩が増えてきたので、ダンジョンにさっさと潜り込んだのである。
流石に、ダンジョンまで追いかけて来なかったのだが、ガス貴族達は王に成れるという夢を見たいのか、なかなか諦めなかった。
だが、そんな彼らにもライバルか現れる。
ドワーフのキスカ姫が、ドワーフ・ガズンを連れて神聖皇国にやってきたのである。
ドワーフ・ガズンはガス王都にいたのだが、カザトによる、ガス王都解放後ドワーフ国から呼ばれて、里帰りしていたのである。
そして、ドワーフ王の命令で、姫と共にカザトを説得してドワーフ国に連れていき、ゴブリン国攻略作戦にカザトを組み込む為に、神聖皇国にやってきたのである。
しかも、その内容を隠さず公言しているのだ。
これには、皇主もガス国王も抵抗したが、ゴブリン国を封じるか討伐しないと、ゴブリンエンペラー達の起こす
この事態は収束しないと言われて、黙るしかなかった。
その頃、カザトは神聖皇国のA級ダンジョンの地下第49階層にいた。
カザト
「やれやれ、あいつらしつこいな~
俺が、あいつらの命令を聞いて当たり前だと思ってやがる。
さて、整理するか!」
空間隔離壁の透明な箱に入ったスキルオーブが、150個近くあった。
カザトは、女性勇者組用のスキルオーブを分けて、皇主に献上する分と女性陣が使う分に分けた。
実は、このダンジョンのボス部屋前広場は、カザト達の基地となっていた。
この広場の横に、カザトの空間切断によって近くのダンジョンと繋がっている。
どういうことか?
簡単だ!
カザト達が地上に戻ると、うるさい出待ちの貴族共がやってくる。
そうすると、時間の無駄だ。
なので、ダンジョンの空間を切り開いて、隣のダンジョンにくっつけて攻略していったのである。
ただいま、E~B級まで約50のダンジョンを攻略した…
いや…違った…
トワイライトが、ウインドバーンの実験に失敗して…ダンジョンボスが爆発したり…
エルファーが、ウインドドリル乱射でダンジョンごと破壊しかけたり…
マーベルが、ダンジョンボスのゴブリンロードに、新必殺技「ライトスマッシュ」を仕掛けたら…
ボス部屋ごと壊れしてしまい、崩落の中、ダンジョンコアを回収したりと、忙しかった…
そして、ここで何をしているかと言うと、聖職者達が着けている装飾品に似せた物に、[解呪]と[浄化]を付与していっているのである。
ブラー王国で、[解呪]を付与した首飾りを装備した国王達が、コブリンの討伐に忌避感が無くなったらしい。
どうも、この世界全体にステータスには出ないが、コブリンを増やす呪いがかかっていると思われるのだ。
その間、ナタリー達の戦闘訓練がダンジョンで続く。
□□
神聖皇国の女性勇者組の寄宿舎では、会議が始まっていた。
珠(りん)が、帰ってきてカザトの状況が報告される。
「え~!あの買い物していた美人エルフは、風人の従者?」
「ねぇ?私達も、その生け贄投棄の共犯になっているの?」
珠(りん)
「直接会うと、あの、自称・女神に探知されてしまい、良からぬ事が起こるから止めたほうが良いと判断したって、言われた。
そして、別の意味でも止めたほうが良い、と言われた。」
「別の意味?」
「あ~、私達が、風人をメロメロにするってこと~?」
「だったら、そうしようよ!戦わなくて済むのだし!」
「そうだよね~。風人に戦わせたらいいだけじゃん!」
「というわけで、珠(りん)が説得係ね~」
珠(りん)
「ダメよ~!言ったでしょ!別の意味でも、止めたほうがいいと言われたって!
そうよ!別の意味!
あなた達の親が享受しているスペシャルな利益のことよ!」
「オイ!珠!わかっていると思うけどいくらお前でも…え?どういう事?」
「風人が、力を持ったから反撃してくるってこと?」
「私達は、悪くない!共犯でしょ!」
珠(りん)
「そこにいるのは、わかってますよ! 出てきてください!世話役の司祭さん?」
女性司祭
「あの…その…これは…」
珠(りん)
「質問があります。前勇者の事を、知っていますよね?」
女性司祭
「ハイ…。(ガクガク)」
珠(りん)
「築石 風力左衛門って名前、聞いたことがありませんか?
答えて下さい。
そして、知っていることを私達に教えてください。」
そして、邪神戦争の事を聞く女性勇者組達は、真っ青になる。
「はぁ?じゃあ築石家って冤罪で、あんな目にあってたの。」
「前勇者になったご先祖さんは、戦争起こす位、強かったんだ。風人って、今かなり強いのよね。」
「嫌よ…どうするのよ!みんな、復讐される?」
「私達、あんた達のイジメに関係ないから!」
「無駄よ!あんた達の親達や先祖が、何代も利益を得ている。」
「始めっから、××家の失敗の濡れ技を、風人の先祖が行方不明になったから、手軽に冤罪をかけられるって事で
着せたって言うのが公然の秘密だったけど、築石 風力左衛門さんが消えたのは、まさか異世界勇者召喚だったとはね~」
「あ~、だめじゃん!風人は、この世界の都合のせいでひどい目にあっていたから、協力するわけないじゃん!」
「私達の事は、どうするのよ!あれだけゴブリンを討伐してもレベル上がらないのに、風人に寄生作戦は、駄目になった…終わってない?」
「それどころか彼の復讐・殺しのリストに、私達も載っているって事?」
「どうするのよ!」
「オイ!珠(りん)? 何か名案無い?」
珠(りん)
「では、風人の子供を産んでもいいと、腹をくくれる人いる~?」
ダルそうに言う珠(りん)しかし彼女は、既に腹くくっていた。
シーーーーーーン!
無言で、手を上げた者全員であった。
なぜか女性司祭(19歳のエリート)も手を上げた。
「決まりね」
誰となく言った。
そして、珠(りん)は、トワイライト達からの聞いた女性勇者改造作戦を聞くと、色めき立った!
「そういえば勇者の生徒会長が、経験値取得100倍なんてスキルがあるけど、レベルが上がらないって言ってたよね! あれってまさか!」
「スキルが起動していないのではなかったって?」
「経験値が、吸い取られるって!意味無いじゃん!」
「詐欺じゃん!女神の詐欺じゃん!」
「どこが、特典よ!」
「だから、帰せ!って言っても無理矢理ここに、送り込んだのか!」
「モノ扱い…奴隷扱い…ハァ、しかも帰さない!そりゃ戦争だよね~」
「邪神戦争?邪神って言われていたのは?」
女性司祭
「第2世代管理者神フェイク様です。
前勇者様が、お亡くなりになるまで名前すら言うことを禁止されました。
全ての民に、邪神として呼ばれました。」
「あの女神…邪神だったか!」
「だから、拉致してもなんとも、思っていなかったか…」
「だいたい魔王すらいない…なぜ、勇者召喚をした?」
女性司祭
「その理由すら、わかっていません。
我々も、神託を下ろしてもらえるように祈願していますが、全く返答がありません。
そのこともカザトさまは、良く考えての、あなた達に会わないとの選択だとカザト様本人から聞きました。
今、カザト様は、スキルオーブを獲得するために、ダンジョンに行かれてます。」
ここに、カザトを別の意味で襲おうとする女性集団が、現れたのである。
□□
その頃、背筋に冷たいものが走っていたカザト…。
精霊から女性勇者組の事を聞いて、カザトに言うかどうか悩むトワイライト達。
カザト
「何か、良からぬ事が起ころうとしているのかな~
ハァ~
あの貴族達は、うっとおしいからな~」
そんな事を言っているうちに、ナタリー達の戦闘訓練も終わりボス部屋に行く事になったカザト達は、ほとんど手を出さない状態で、ナタリーとメリーにバラバラに斬られるゴブリンキング・レッドを見て、これなら神聖皇国で自衛出来ると胸をなでおろす。
ダンジョンコアを制圧して、転移でダンジョンを脱出すると、やはりダンジョン前に野営をしているガス貴族の奴らが群がってくるが…
冒険者ギルド職員
「カザトさん、緊急です。ギルドまで来てください。」
皇都の冒険者ギルドに向かうのだが、ガス貴族達が道中でもうるさいので、まず、値踏みして肩を掴んできた騎士?の腕を折ることにした。
騎士?
「ウギャー!」
痛みで、のたうち回る騎士?を見て、その主の子爵をじっと見るカザト達…
ガス某子爵
「え?
(どういう事だ?わしの何を観察しているのだ?嫌な予感がする。
対応を間違えたら酷い事になる予感がする。
だが、私達は貴族!平民に、頭を下げず!媚びず!金と血をすするのみ!)
我が騎士に、なんてことをしてくれたのか!」
カザト
「ハァ、節度はやはり無かったか!
だから、前勇者達は殺してしまえと、書き残したのか!」
冒険者ギルド職員
「節度…。
(ヤバイ!これはヤバイ!前勇者は、節度が無かった貴族は斬ったと言われている。)」
カザト様の事は冒険者ギルドを通すことで、ガス王国と先王様と確約があると言うが、子爵達は、自分の欲が最優先だから聞く気もなんてない!
だが、一部の危機管理意識の高い下級貴族達は場の異常性に気がついて、
ゆ~く~り~
ゆ~く~り~
そして大股で、音を立てずに退却をはじめた。
カザト
「貴様、何様のつもりだ!
俺には、爵位なんて関係ないぞ?
そして、貴様らのルールに従う義務なんて無いぞ?
なら、有るのは礼儀と節度しかない。
しかし、全く教育の出来てない騎士を持った事に、恥じず!反省せず!逆ギレで、肯定するか?
礼儀と節度がないなら、もはや、貴族と名乗る貴様はモンスターと同じだな!
ここで、ゴブリンと同格とみなして討伐するか!」
ガス某子爵
「!?
(く!舐めやがって!こうなったら、ここで斬り倒してやる!
オイ!……
あ!しまった! わしの最強の護衛がこいつだった!
え?周りの奴ら!いつの間にか、逃げてやがる!
しまった!
公爵様と侯爵様が言っていたのはこのことだったのか!)
今日の所は、これくら…
ヒェー!
お助けーーーーーー!」
カザトが、まじでムカついて睨むと逃げて行った…
のたうち回っていた騎士も、あ然としていた。
カザトは騎士に[ヒール]をかけて「あいつの為に、命をかけるのか?」と言うと、騎士やその仲間は
「いや…、辞めておく。ガス国王に会わせてくれないか?」と、言うので司祭に頼んで、子爵の元騎士はガス国王に会った。
後に、聞くと退職を願い出たらしく、今はガス国王の元で騎士をしているらしい。
で、逃げた某子爵は宿に帰ると護衛が一人もおらず、怒り狂って暴れたのだが、場所は神聖皇国!
すぐに捕らえられて、某公爵のもとに送り返されて、ガス国王からの手紙で事の顛末を知った某公爵は、この子爵をゴブリンエンペラー討伐軍の第1陣に無理矢理任命して、出陣されたらしい。
さて、冒険者ギルドが何を慌てていたのか?
それは、ドワーフ国からの面倒くさい姫の事でもあったが、そのドワーフ国とガス王国の間の国があって、その名をアッロガーンス王国と言うのだが、その国がゴブリン退治を、冒険者ギルドに依頼したらしい。
そして、ゴブリン軍が攻めて来たので、そのゴブリン退治が完了してから報酬を払うと言うのだが、この国がゴブリン達の手に落ちるとドワーフ国との交通が出来なくなり、今後の事にも重大な損害が出てしまうと言うことで、協力してほしいと言ってきた。
ゾワリ!
カザトの背中に嫌な予感が走る。
罠だな!間違いなく罠だな!
さて、どうするか?
アッロガーンス王国の情報を、前勇者達の記憶から呼び出す。
うわ~!平民を殺してもなんとも思わない、とんでもない国じゃん!
うわ~!
向こうから、特使っポイやつが来たぞ~!
このハイエンシェントヒューマンって種族になって感じたのは、かなり魔力や人の生命力の流れの感度などがよくわかるようになったことだ。
そして、この特使身分を偽っているが、王族の者でジョブは呪術師!
俺に不利な条件で魔法契約をさせようとしているのが、まるわかりだ!
アッロガーンス王国特使
「どうも、私はアッロガーンス王国の特使であります。
名を…
ウグ!(クソ!いきなり呪詛が解呪されて、跳ね返ってきた?)
あぁ…」
カザト
「どうされましたか?
(オイオイ!あの黒いネバネバした黒い魔力は、呪いだったのか!
そうかい!それらがその気なら、こちらにも覚悟が有る!)
ゴブリン退治を依頼されるとするなら、まず身の安全を保証してもらわねばなりません!
もし、国家的陰謀!
そして私達の家族を狙うなどをした場合の、ペナルティを決めないといけませんね!
ここに、ガス国王用の標準仕様の契約書を 用意いたしました。
これでよろしければ、クエストを受けましょう!」
アッロガーンス王国特使
「(小癪な!我が呪いの声を聞いても効かないで、平然としてやがる!)
契約内容は、我が国が決めることなのですよ?
冒険者ギルドから、聞きませんでしたか?」
カザト
「おやおや、教養の無い方と話すのは疲れますな~
契約内容は、こちらの条件そのものです。
なぜ、あなた達に決められると思っておいでかな?
時間の無駄だ!帰ってもらおう!」
アッロガーンス王国特使
「グ!グハーーーーーー!(吐血!)
(クソ!呪いが全て跳ね返ってきただと?まさか、レベル差か!クソ!勝てない!
だが、兄貴(国王)の「連れてこい」命令は絶対!条件を飲んだふりして、騙すか!)
仕方ない…
オイ!何故席を立つ!」
カザト
「失せろ!」
アッロガーンス王国特使
「ぐう!冒険者ギルドは、クソ!冒険者ギルドのドワーフ国からの物資を運ぶ協定は破棄しますぞ!
いいのですか?冒険者ギルドマスター殿?」
皇都の冒険者ギルドマスターが、カザトに仕事を受けるように高圧的に言ってくるが…
カザトがバスターソードに手をかけて、マーベル達が戦闘体制入ると、顔を引きつらせて土下座に入った!
皇都の冒険者ギルドマスター
「すいません!受けてください!
すいません!受けてくれないと、この世界は困った事になるのです!
その、身分保障に必要な条件を全て、冒険者ギルドは受け入れます!
特使もいいですね!全て受け入れで!
これで、貴方が受け入れ拒否したら、冒険者ギルドももう関わりませんよ!
冒険者ギルドは、冒険者カザトに敵対しない!
これは、本部の決定ですから!」
アッロガーンス王国特使
「(冒険者ギルドが撤退されたら困る!
クソ!仕方ない!受け入れたフリをして調印してから、後はいくらでもどうにでもなるから、合意だけするか!)
わかりました。」
カザト
「では、この魔法契約をしてもらいます。」
アッロガーンス王国特使
「魔法契約だと!クソ!わかったよ!
(内容なんて、どうでもいいか!後で、強制解除させればいいだけだからな!)
では、サインを書きましたよ!
うがーーーーーー!」
特使に契約印が浮かび激痛に特使は、気絶する。
皇都の冒険者ギルドマスターも署名した。
署名するしかなかった。
そこに、もし裏切った場合、その国を滅ぼしてもカザトが次の国を勝手に作り、それを無条件で冒険者ギルドは、
認めると書かれていても署名するしか無かった。
アッロガーンス王国特使が、全面的に悪いのだから!
知ったことか!と、心の中で悪態をつく!
しかし、ギルドマスターはもし、ドワーフ国関係者がカザトに対する暗殺・傷害に関与した事で起こる、闘争、戦争、に対して一切邪魔をせず一切関与せず、ドワーフ国の崩壊及び次の国家の構築にて対して、反対せずに無条件で承認すると書いてあることを、確認していても何も言えなかった。
カザトが、抑えてしても殺気が漏れ出していたのもあるが、ドワーフの姫達の事を[面倒くさい姫]と言っていた事を職員から聞いていたからである。
かなり、怒っている…
だが、鍛冶ギルドの鍛冶場の閉鎖の仕方や撤退の仕方に、かなり多くの国家規模の怒りが燃え上がっており、カザト鍛冶場の解放を妨害してきても不思議ではないと、構えていることにギルドマスターは、[当たり前の事だ]と了解した。
そして、アッロガーンス王国特使が担架に乗せられて退席したあと、万が一の時の連絡方法を話し合う事になった。
そのあと、トワイライト達に勇者女性組の対応を丸投げして、皇主達にダンジョン討伐のお土産
スキルオーブ多種
神官用ダンジョンドロップ品
[解呪]のネックレス多数
(一つ以外、カザト製造)
を献上して大変喜ばれ、アッロガーンス王国特使との事を報告して、万が一の連絡方法を決めて、次の日にはアッロガーンス王国に出発した。
□□□
カザトは、勇者女子高生組の抱えている問題が、解決したのでとりあえず、ガス王国圏から逃れるつもりみたいですね。
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