［鑑定］スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ！

第4章 お姫様達と黒の宮廷魔術師と、そいつらが使役したモノ達。3部 乱闘編 邪神vs フェイクROUND2と、乱闘に巻き込まれる者達。

第8話 何もかも石化させる邪神の襲撃！（フェイクの邪神宣言の前夜・ガス衝突暗黒地獄戦争）その4

 　ついに、勃発した[ガス衝突暗黒地獄戦争]は、まずガス防衛隊500万の兵士達の一糸乱れぬ突撃から始まった。

ガス国王
「いけ！わが軍よ！これで儂の天下の確定だ！」

　黒き魔導師カンターレは、ガス貴族軍を率いてマトの街にまっすぐに襲いかかってきた。

　対するは、新生ガス王国防衛隊と、バッカーを総大将とする冒険者ギルド軍。
　完全武装のカザトに向かって、いきなりカンターレが極大黒魔法ブラックレイを放つ！

　上空に飛んだカザト。

カザト
「ライトニングボルト！」

　カザトが雷魔法で迎撃する。

黒き魔導師カンターレ
「ほう！やるではないか！アタイは黒き魔導師カンターレ。
　お前たち同じく地球出身だ。
　まぁ、時代が違いすぎるのだけどね。
　やっとフェイクに無理矢理取り組まれていた状態から、開放された身だ。
　どうだろう？手を組まないか？
　アタイ達で、この世界を鎮めたら地球にも帰られるぞ。」

カザト
「また、この世界に召喚されては困るから、その憂いを解決してからだな、地球帰るのは。
　それに、お前からは人を人と思わない、いや人と言う枠から外れすぎた精神を感じる。
　人売りだな。
　貴様は、俺を誑かして誰かに売るつもりだろうな！
　あの外道の生徒会長達と同じクサイ人でなしの臭いがするのだよ！」

黒き魔導師カンターレ
「ほう！人でなしね。アタイはクソな運命なんて焼き捨てて、開拓するつもりなのだがね。」

カザト
「図星か。
　どうせ、フェイクが他の異世界の侵攻をするつもりで俺を戦闘人形にするつもりだろ？」

黒き魔導師カンターレ
「（チッ鑑定された気配も、魔導センサーの反応すらない。つまり論理的に出した回答か。）
　勘のいい子は、駄目だね。
　アタイの言うことを素直に聞くように、お仕置きしてあげよう。」

カザト
「大体、ブレーダー外道王女の身体を使っている時点で、クソな嘘の塊だって確定しているのだよな。
　叩き殺してやる！
　ブレーダー！覚悟しろ！
　貴様を地獄送りにしてやる！」

　カザトは、110設定していたリミッターを３つ解除した。

カザト
「リミットブレイク！」

黒き魔導師カンターレ
「ブラッククロウ！」

　カンターレの周囲に黒い大きな動物の爪を連続させる者が100浮かぶ。

カザト
「プロミネンスクロウ！」

　光熱の光る大きな爪を作り出すカザト。
　両者うごかない。
　いや、動けないのだ。
　既に、両者の間に空間魔法での占有権を奪い合う鍔迫り合いが始まっていた。

　そして、それは空間の歪曲を産み出す。
　下手に手を出せない。
　手数を増やしても、技を出した時点で衝突したら大爆発が起こるのは確実。
　しかし、相手に傷はつけられない。
　次の魔法攻撃を用意する空間の足場を確保しないと、いくら極大攻撃を仕掛けても決定打にならないのだ。

黒き魔導師カンターレ
「（しまった。ブレーダー王女の身体の時点で200%増しで、引き込めないと計算するべきだった。）
　ブラックネット！」

　黒い蜘蛛の巣を模した、網状の黒い魔力を放出するカンターレ。
　
カザト
「バルザーン！」
　カザトは、新技を繰り出した。
　小さい魔力の薄い幕の球の中に即死性の毒魔法や、雷に魔法に火魔法などを閉じ込めた無数の霧となった魔力球を、スプレーの如くカンターレに噴射した。
　カザトのこの魔法技の元イメージは、殺虫剤スプレーである。

黒き魔導師カンターレ
「ハァ？ぐ！
グキャー！
く、ブラッククロウ！」

　カンターレのブラックネットの隙間から、カザトのバルザーンの粒子が通過して、カンターレの常時展開の結界に連続衝突反応を起こして、不快な空間振動を起こして仮宿のブレーダー王女の身体に即死級のキラー振動を起こして、心臓停止を引き起こさせたのだ。

　カンターレは、技を放出してその場から離れて右胸を叩いて、無理矢理ブレーダー王女の心臓を再稼働させる。

　そんなカンターレに、100の雷の槍が襲う！

カザト
「ライトニングスピア・トルネード！」

黒き魔導師カンターレ
「舐めるな！ブラックネット！」

　黒い魔力の網で、結界を形成するカンターレ。



　地上では、そんな二人を見て戦うマトの街の防衛を担う冒険者ギルド軍。

「カザトの兄貴に続けー！」

　カザトの事を年上の冒険者達が、勝手にアニキよばりして士気を高める。
　その時、マトの街の防壁間際から裏切ったハイエルフ達の攻撃が始まった。

　それを見て、かつて前勇者と共に行動をしていたハイエルフの戦士ミストラルはため息をつく。
　十中八九、昨日見た神託の夢のせいだな。
　戦士ミストラルは、管理者神見習いフェイクから、孫娘達を助けたくないのか？助けたいのなら、冒険者カザトに言うことをきかせろ！と命令されていたからである。
　内心悩んでいた。
　カザトの先祖である築石　風力左衛門なら、もはや敵となった途端に、例え人の皮を被っていたとしても、モンスターとみなして躊躇無く斬ったであろう。
　
　ハイエルフの戦士ミストラルは、邪神ゴベールとの対戦の地ビオバールデルに向かった。
　

　バッカー
（冒険者ギルド（仮）グランドマスター）
「やはり、裏切ったか！貴様ら！邪神戦争の時もそうだったな！
　やれ！ハイエルフ達も邪神の下僕になったガス王国の手先だ！」

　マトの街は最初からトワイライト達が、なぜカザトと共に行動しているかを公開していたから、自称・トワイライトの親戚のハイエルフ達を初めっから、全く信用していなかった。

ハイエルフの長老
「うるさいわい！儂らの下僕にしてやる！」

　ついに本性を出したハイエルフの長老。
　ハイエルフとガス貴族軍の連合軍と、戦闘になる。


　が！
　マトの街の向こうの、ベイントス公国とブラー王国の国境砦は、そうは行かなかった。

勇者ゴン太
「いけー！特攻だ！命をかけろ！
　国境砦はにたどり着いて、自爆魔法で爆発しろ！」

　そう！ここで本当の本性を出している勇者ゴン太は、ホビットワールド軍の女性を除いた非戦闘員だった兵士達に、自爆攻撃をさせていたのだ。
　兵士をやっていた元ホビットワールド軍と、女性を残して一般人のホビット族男だけ年齢関係なく自爆させたのだ。
　魔力だけは、エルフ族よりは無いがやはり豊富なホビット族が魔法自爆すると、デカイ砦もすぐに崩れだした。
　矢で射ても、隷属化させているので止まらない！
　足をウインドカッターで斬っても、その場で自爆する。
　極悪非道の特攻を強いるのが勇者ゴン太流だから、ゴン太は全く平気だ。

カザト
「クソが！　あの生徒会長め！
　もはや、貴様は人間じゃねえ！
　燃やし尽くしてやる！」

　それを見たカンターレは、完全にカザト籠絡作戦が失敗した事を悟る。
　勇者ゴン太の、保育所時代のカザト素の性格が、泣き虫で虫を殺さないでと言う泣く性格だったのを考慮した、残虐性あふれる作戦を展開すれば、カザトがベイントス公国や、ブラー王国の兵士の被害を見て、これ以上被害が広がらないように、こちらに歩み寄ると思っていたが、実際は逆の結果を呼び込んだ。

　どう見ても、激怒している。
　先程から、炎魔法系の攻撃を仕掛けてくるが、カンターレがよけると確実に勇者ゴン太達に着弾するように自動追尾するプログラムを組み込んでいたのだ。

ドーン！
ドーン！
ドーン！


ガス国王
「ギャーーー!」
　
　ついに魔力防壁壁を張っていたのが、壊されて着弾してしまった。
　下半身が炭化するガス国王。
　宰相も、左腕が炭化した。
　勇者ゴン太は、左足が炭化する。
　三人共に、その痛さで気絶してしまう。
　ガス国王防衛隊や、ホビットワールド軍を指揮する者が、気絶してしまったが侵攻の軍の動きが止まらない。

カザト
「気絶したフリか！
　全て炭にしてやる！　
　もう許さん！
　プロミネンスボール！」

　高温の光る玉が1000出現する。

黒き魔導師カンターレ
「ブラックバレット！」

　それを迎撃するカンターレ。
　地上に着弾すれば、ガス国王達がヤバイと判断したカンターレが迎撃に集中する。

　ドォ～ン。

　ついに、ベイントス公国の国境５重砦の内の１つが倒壊した。
　そして、まだ自爆攻撃が続く。
　自爆の振動で小さな地震が連発した結果、第２第３の砦に、亀裂が走ってきた。

　ベイントス公国・国境防衛隊の隊長は決断する。
　ベイントス公都からの援軍と、防衛隊を国境砦から下がらせて、防衛陣を敷く事にした。

　そして、ベイントス公国・国境砦が落ちた。