異世界勇者召喚失敗か？

第2章 要塞建築編

第42話 要塞を作ろう！2

第42話　要塞を作ろう！2

異世界105日目　昼
　結局1週間休む事になった。
　［掌握］を使って、身体から疲労物質を絞り出しても、これだけかかった。

　さて、反撃するか？

軍港　占領しているつもりの冒険者ギルド軍

　クリスタルをかざしている少女が、顔を突然引きつらせた。

少女
「サブギルドマスター。我々はあと一時間以内に、全ての骨を折られるか、ひき肉ミンチになるか、精神まで砕かれて今の人格とは違うようにさせられます。
　撤退を。」

ブリントン王国　冒険者ギルド　サブギルドマスター
「な、なんだって。だがな、こちらも命令を受けている。引くわけにはいかない。
　すぐに、なんとか任務を達成できる未来を、［予言］で出せ！」

少女
「そんな、舐めた未来ではありませんよ。あなたは、舐めきっている。
　私は離脱します。それでは。」

　耳がとんがった、美少女其の場からすぐに撤収する。
　それを見て、日頃から彼女を慕う女性冒険者達は、ついて行った。

　サブギルドマスターは、命令違反だと王城のギルドに報告していたが既に軍港が凍りだしていた。
　3時間後。少女の言う通り、傲慢なサブギルドマスターたちは、何回も死ぬ一歩寸前まで行って、ついに自分が貴族であっても、何もほかの庶民と変わらない、しかも魔王から逃げ出しただけの人間だと、現実を強制的にみることになり、ブリントン王国と聖大教会帝国に反旗を翻さないと生きていけないと悟った。


　ブリントン王国　王宮殿

　城は粉々。城の中で唯一残ったのが宮殿部分であったのだけど、まさかここまで壊れるとは。

　世間では、国王は魔王ケムケムの襲来を知って逃げたとか言われだが、実は違った。
　全く偶然だ。
　そして、いまもだが聖大教会帝国では、いや、でもだな、とんでもないことが起こっているのだ。
　私も、神託を見た！いや通常の神託ではなくて、この世界の女神様達を束ねるお方が現れて、神罰をクソバカ王国の国王を下すのを見た。

　まさか、クソバカ王国からの（廃棄物）の役割りが、かなり重要だったなんて…。
　兵隊も3分１になった。王妃共がいないのがせめてもの救いだ。
　あ！そうか！ピーチ！第5王女のピーチを呼ぼう。
　あいつの［予言］は確かだった。この城が壊れる。確かに当たったな。
　呼び戻して、もし冒険者ギルドが失敗したら、（廃棄物）の相手をさせよう。
　
　しばらく時間は経過した。

　冒険者ギルドは失敗したのか。ピーチは呼び戻したのか？
　は？行方不明だと。だから呼び戻せ！今、［予言］のエルフの巫女が、この国の冒険者ギルドにいるだろうが！
　頭を使え！と怒鳴ったが、宰相もいないので、バカばかりだから仕方ないか。
　
　エルフ！長寿不老の美貌の持ち主の人種だ。
　冒険者ギルド本部が、今回の重要性を感じて、エルフの里に頼んでやってこさせたのだ。

　すぐにきた。いかん！下半身が！
　く、失礼があると破滅する。我慢だ我慢！
　
エルフの予言巫女　プレリュード
「この城は間もなく崩壊する。城というのはこの都市のこと。
　怒らせてはいけない存在を怒らせた。
　聖大教会帝国で、聞いたことよりもひど過ぎる。
　既に［予言］の仕事はした。
　全員に、報酬を出してもらおう。
　サブギルドマスターが、傲慢な心ごと砕かれたのは、本人の選択だ。責任は冒険者ギルドに言え。」

　国王は、拒否した。
　そして、交渉の果てに自分の欲望も含めた利益を得ようとしたが、あっさりと彼女達は帰って行った。

エルフの予言巫女　プレリュード
「急ぎましょう。ブリントン王国が滅びる。

　え？！　うし…ろを見ないで！早く行くのよ！」

　馬車の幌を閉じて、ただ全速で離脱する一行を、城門から少し離れた所にいた大縁　増田（おおべ　ますた）が見ていた。


異世界105日目　夕方

「あいつは、オレ達の接近知って逃げたか。
　どういうやつだ？」

マリーナ
「あ、アレ見たことあります。確か立ち入り禁止区域のエルフ自治領（隠れ里）の［予言］の巫女姫プレリュードです。」

リーナ
「間違いないとおもいますが、本来なかなかエルフの森から出ないのに、なぜでてきたのでしょうか。」

「エルフ…か。地球では、伝説の民族だな。敵対してこなければいいが。」

ナツ（聖女Ver.）
「…。」

　さて、要塞を作るためには、報酬をもらいにいくか！

　王都に入った、オオベ一行。
　まずは、呼んできたギルドマスターに、テーブル街でもらうはずだった報酬と、それを強制停止した損害賠償をとって、そしてその後王太子の宣戦布告の決着をつけないとな！