男爵令嬢なのにくじ引きで王子のいる生徒会の役員になりました!

らな

文字の大きさ
115 / 157

第115話 国王とのお茶会

しおりを挟む
「・・・生徒会は・・・?」
リアは絞り出すように尋ねた。

「くじ引きというのは建前だった。君が選ばれることは決まってたんだ。」
クリスの答えにリアは愕然とした。
あの楽しかった日々は作られたものだったのか、と。
自然な流れでメンバーと打ち解けていったと思っていたが、2人が自分に優しくしてくれていたのはリアが母の娘だったからで、ここに連れてくるためだったからなのか。

泣きそうな表情になったリアにジークフェルドが慌てて話しかけた。
「勘違いしないで欲しい。父上から頼まれたのは、お前が幸せに暮らしているか確認することと、困っていることがあれば助けてやれということだけだ。」

膝の上で握りしめていたリアの手の上に、ジークフェルドは自分の手を重ねた。
「確かにリアを生徒会に入れたのは計画的なものだったけど、俺の気持ちは誤解して欲しくない。一緒に過ごすうちに、少しずつリアのことが好きになっていって、お前をリンドブルムに連れていきたいと思うようになったんだ。」
真剣な表情で話すジークフェルドに、リアも彼を見つめた。

円卓の向こうで王妃様がおかしそうに笑っている。
「まあ、若いわねえ。あの子ったら親が目の前にいるって忘れてるのかしら?」
国王もその言葉に笑みを浮かべた。

「ジーク。おまえはリアのことが好きなのかい?」
父の問いにジークフェルドは力強く頷いた。
「はい。本人にも気持ちを伝えてあります。」
「リア。君もジークのことが好きなのかな?」
リアも小さな声で”はい”と言いながら頷いた。

「ふむ。それなら選択肢が変わってくるな。ロイ、カイル。もう出てきていいぞ。」
国王の呼びかけに、飾られていた観葉植物の陰から父とロイが現れた。

「父さま、ロイ?どうして・・・?」
リアは目を見開いた。
父はアルノーにいるはずだ。

カイルはリアの前まで来ると懐かしそうに目を細めた。
「リア。少し見ない間に綺麗になって・・・。女の子の成長は早いねえ。ミアにそっくりだよ。」
そう言うとリアを抱きしめた。
「父さま、どうして・・・。」
「エリオット陛下に呼ばれたんだよ。リアをリンドブルムに呼ぶから、今後のことについて一度話し合いたいと言われてね。」
「そんな・・・。」
「リアがミアの娘である限り、いつかこんな日が来るかもしれないという可能性は常に考えていたよ。陛下はリアに何かを強制することはないとおっしゃって下さっているから、話を聞いてゆっくり考えよう。」
いつものように穏やかな口調で諭され、リアは父の腕の中で頷いた。

そして父に抱かれたまま、すぐ横に立つロイを見た。
「リア。俺の本名はロイス・ローゼンハイム。役職はこの国の将軍だ。かつて近衛騎士団に所属し、ユーフェミア様の専属護衛騎士と勤めていた。」
リアの中で不思議に思っていたことや違和感を感じていたことが、全てきれいに繋がった。
エミリア王妃があれほどリアに優しくしてくれたこと、ロイがあれほどリアを可愛がってくれたこと・・・。

「今までアーロン領で、おまえと遊び過ごした日々は、仕事からの義務感じゃない。おまえを本当の娘のように思っていたし、会いに行くのをいつも楽しみにしていた。そこはわかってくれ。」
真剣な表情のロイに、リアは”うん”と言って頷いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

生徒会の期間限定雑用係~麗しいメンバーに囲まれた危険なお仕事~

piyo
恋愛
容姿は平凡、生粋の庶民であるクィアシーナは、フォボロス学園への転校初日、いきなり生徒会に目をつけられる。 声をかけてきたのは、この国の第二王子にして現生徒会長・ダンテ。 彼から持ちかけられたのは、あまりにも突飛な「生徒会入り」の誘いだった。 だが、その真の目的は別にある。 生徒会庶務・アリーチェを害した犯人を炙り出すための――囮役。 平民であるクィアシーナは、“次の標的”として最も都合のいい存在だったのだ。 しかも、事件解決の暁には褒美を与えるという条件つき。 危険な役目だと分かっていながらも、彼女はその話を引き受ける。 しかし事件は単なる学園内トラブルでは終わらなかった。 生徒たちの嫉妬、派閥同士の対立、そして王位継承を巡る思惑―― 数々の陰謀が、静かに学園を蝕んでいく。 平凡だと思われていた少女は、持ち前の行動力と観察眼で真相に踏み込んでいくが、 次第に彼女自身も、周囲の思惑に巻き込まれていき……? 犯人探しに推し活、鋭すぎるツッコミまでこなす庶民女子は、 最後に「褒美」として何を手に入れるのか。 これは、 平凡(?)な少女が学園と王国の闇に首を突っ込み、いつの間にか中心人物になっていく物語。 ※できる限り毎日更新。 ※62話までが第一章、63話〜第二章、92話〜第三章になります。 前半ラブコメ、後半第二章以降シリアスです。 ※「私にキスしたのは誰ですか?」と同じ世界感ですが、単品で読めます。 ※アルファポリス先行で他サイトにも掲載中

隠された第四皇女

山田ランチ
恋愛
 ギルベアト帝国。  帝国では忌み嫌われる魔女達が集う娼館で働くウィノラは、魔女の中でも稀有な癒やしの力を持っていた。ある時、皇宮から内密に呼び出しがかかり、赴いた先に居たのは三度目の出産で今にも命尽きそうな第二側妃のリナだった。しかし癒やしの力を使って助けたリナからは何故か拒絶されてしまう。逃げるように皇宮を出る途中、ライナーという貴族男性に助けてもらう。それから3年後、とある命令を受けてウィノラは再び皇宮に赴く事になる。  皇帝の命令で魔女を捕らえる動きが活発になっていく中、エミル王国との戦争が勃発。そしてウィノラが娼館に隠された秘密が明らかとなっていく。 ヒュー娼館の人々 ウィノラ(娼館で育った第四皇女) アデリータ(女将、ウィノラの育ての親) マイノ(アデリータの弟で護衛長) ディアンヌ、ロラ(娼婦) デルマ、イリーゼ(高級娼婦) 皇宮の人々 ライナー・フックス(公爵家嫡男) バラード・クラウゼ(伯爵、ライナーの友人、デルマの恋人) ルシャード・ツーファール(ギルベアト皇帝) ガリオン・ツーファール(第一皇子、アイテル軍団の第一師団団長) リーヴィス・ツーファール(第三皇子、騎士団所属) オーティス・ツーファール(第四皇子、幻の皇女の弟) エデル・ツーファール(第五皇子、幻の皇女の弟) セリア・エミル(第二皇女、現エミル王国王妃) ローデリカ・ツーファール(第三皇女、ガリオンの妹、死亡) 幻の皇女(第四皇女、死産?) アナイス・ツーファール(第五皇女、ライナーの婚約者候補) ロタリオ(ライナーの従者) ウィリアム(伯爵家三男、アイテル軍団の第一師団副団長) レナード・ハーン(子爵令息) リナ(第二側妃、幻の皇女の母。魔女) ローザ(リナの侍女、魔女) ※フェッチ   力ある魔女の力が具現化したもの。その形は様々で魔女の性格や能力によって変化する。生き物のように視えていても力が形を成したもの。魔女が死亡、もしくは能力を失った時点で消滅する。  ある程度の力がある者達にしかフェッチは視えず、それ以外では気配や感覚でのみ感じる者もいる。

天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎ ギルドで働くおっとり回復役リィナは、 自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。 ……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!? 「転ばないで」 「可愛いって言うのは僕の役目」 「固定回復役だから。僕の」 優しいのに過保護。 仲間のはずなのに距離が近い。 しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。 鈍感で頑張り屋なリィナと、 策を捨てるほど恋に負けていくカイの、 コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕! 「遅いままでいい――置いていかないから。」

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】

iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。 小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

【完結】異世界転移したら騎士団長と相思相愛になりました〜私の恋を父と兄が邪魔してくる〜

伽羅
恋愛
愛莉鈴(アリス)は幼馴染の健斗に片想いをしている。 ある朝、通学中の事故で道が塞がれた。 健斗はサボる口実が出来たと言って愛莉鈴を先に行かせる。 事故車で塞がれた道を電柱と塀の隙間から抜けようとすると妙な違和感が…。 気付いたら、まったく別の世界に佇んでいた。 そんな愛莉鈴を救ってくれた騎士団長を徐々に好きになっていくが、彼には想い人がいた。 やがて愛莉鈴には重大な秘密が判明して…。

【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!

こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。 そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。 婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。 ・・・だったら、婚約解消すれば良くない? それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。 結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。 「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」 これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。 そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。 ※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。 ※本編完結しました。 ※後日談を更新中です。

やけに居心地がいいと思ったら、私のための愛の巣でした。~いつの間にか約束された精霊婚~

小桜
恋愛
ルディエル・アレンフォードは森に住む麗しの精霊守。 そんな彼が、いよいよ伴侶を迎えようと準備を始めているらしい。 幼馴染という関係に甘んじていたネネリア・ソルシェは、密かにショックを受けていた。 そろそろ彼との関係も終わらせなければならないけれど、ルディエルも精霊達もネネリアだけに優しくて――? 「大丈夫。ずっと居たいと思えるような場所にしてみせるから」 鈍感なネネリアと、一途で奥手なルディエル。 精霊に導かれた恋は、本人だけが気づかない。

【完結】貧乏子爵令嬢は、王子のフェロモンに靡かない。

櫻野くるみ
恋愛
王太子フェルゼンは悩んでいた。 生まれつきのフェロモンと美しい容姿のせいで、みんな失神してしまうのだ。 このままでは結婚相手など見つかるはずもないと落ち込み、なかば諦めかけていたところ、自分のフェロモンが全く効かない令嬢に出会う。 運命の相手だと執着する王子と、社交界に興味の無い、フェロモンに鈍感な貧乏子爵令嬢の恋のお話です。 ゆるい話ですので、軽い気持ちでお読み下さいませ。

処理中です...