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時空の不思議
見えない待ち人
しおりを挟む今日も時間の不思議についてお話し致します。
これは筆者が都内のとある店で営業職に就いていた時の実話です。
外は台風のような大荒れで
入店されてくるお客さんは皆ずぶ濡れで折れた傘を必死に畳まれていたり、
タオルで身体を拭いて乾かしていたのを
記憶しています。
店内には
濡れた床をモップで乾かしているスタッフ
、カウンターで受付をしているスタッフ、裏のスタッフルームで書類を作成する
スタッフ、そしてお客様と対面で契約を交わす自分の合計4人いたことと記憶しています。
そんな中私は常連客である
美香さんという20代の女性客と契約を交わす為に向かい合って座っていました。
アポイントメントは午後七時でした。
美香さんは私を慕ってくれており、
毎回の契約は私を指名してくれていました。
「美香さん今日はありがとうございます」
「こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。」
「では、こちらが契約書です、ご確認
ください」
美香さんはじっくりと規約を読み、
ご自分の契約が間違っていないか確認を
されていました。
「こちらで大丈夫でしょうか?」
「はい、一点だけ、この箇所を変更してもらえますか?」
美香さんから契約内容を一箇所変更するようにと依頼されましたので、
私は裏の書類作成デスクに行き、
訂正をする事にしました。
「かしこまりました、それではすぐに
書類を訂正してお持ち致します。」
私がそう言うと美香さんは
「ありがとうございます、では私はお手洗いに行ってきます」
そう言うと店舗を出ですぐ角にある
トイレに行かれました。
店舗を出ていくところをしっかりと確認してから私は裏のスタッフルームで書類を訂正しました。
簡単な訂正だったので時間はかかりませんでしたし、何よりもお客様をお待たせさせない事を日頃から気をつけていました。
3分くらいが経ち再び先程のブースに戻りましたがまだ美香さんは戻っていませんでした。
長い間ブースで待ちました。
契約書を再度見直したり、
デスクを整えたりしながら待っていました。
美香さんは戻って来ませんでした。
夜の時間帯は混み合う店舗でしたので、
スタッフに尋ねる時間すらありませんでした。
もしかしたら契約が嫌で帰ってしまったのかもしれない、
そう思った私はトイレを見に行きました。しかしいません。
ブースにも戻っていません。
悩んだあげく私は
裏のスタッフルームに行き
美香さんに電話をかけることにしました。
「プルルルル、、」
美香さんの応答はありませんでした。
そしてなす術を失った私は再び先程のブースに戻ったのです。
すると、、、
そこには美香さんが座っていたのです。
私の表情は一気に明るく変わったことでしょう。
「美香さん、良かったお戻りでしたね。
大丈夫ですか?」
しかし美香さんは腕を組み、苛立ちを隠せない表情で言ったのです。
「え?何がですか?」
「ずーっとお戻りにならないから心配してました」
「は?私ここにもう20分以上座ってましたけど。」
「え?」
「トイレに行かれて、ずっと戻ってこなかったですよね?」
「直ぐに戻ってきましたよ。
戻ってこなかったのはあなたですけど」
「え?私もこのブースで美香さんを
待っていましたよ」
そう言うと美香さんは
同情心のこもった声で言いました。
「大丈夫ですか?」
その後美香さんは契約を終え帰っていきました。
時計は19時40分を回っていました。
閉店後、他のスタッフにある事を聞き
私は自分の気が狂ったのではないかと
深く落ち込みました。
その受け付けスタッフ曰く、
美香さんは店舗を出て直ぐに戻り
ブースに座っていたとのことでした。
しかし私が対応していると思い特には
声かけをしなかったとのことでした。
時は、
私は
一体どこに行ってしまったのでしょうか。。。
考えても考えても結論は出ません。
ただ一つだけ言えることは
今まで経験をした
時間の流れがおかしくなる時は
必ずと言って良いほど、
外が大荒れなんです。
大気が不安定で、気圧の変動が激しか
ったように記憶します。
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