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[最終章]心の拠り所
[最終話]再会の約束 後編
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駅を後にし、定食屋の前を通る。
すでに中條さんの姿はなかった。
始まりがあれば終わりが必ず訪れる。
でも、こんな終わり方は誰も予想してないし、誰も望んでいなかった。
コンビニの前を通る。
偶然美奈と出くわした。
美奈「昨日はすいません」
私「それはいいから、黙ってれば大丈夫だから」
美奈「わかりました。あ、それと....美波は大丈夫なんでしょうか」
私「んー、難しいと思うよ」
美奈「それはどういう事ですか?」
私「細かくはわからないけど、脅されたとしても新聞にも載っちゃった事件だからね、普通に帰宅はできないだろうね。最終的に保護観察で終わったとしても鑑別所は免れない、学校も退学処分になるだろうしね」
美奈「そんな.....」
私「若さゆえ判断を誤ったとしても後の祭だ。今後結婚するにしても家柄を気にする相手とは結婚できないんじゃないかな、隠しても簡単にばれるからね」
美奈「そんな未来にまで影響するの?」
私「一般人と結婚するなら話は別だけどね。ただ、今後アイツみたいな悪い奴にまた捕まらないという保証はどこにもない」
美奈「退学....」
私「うん、これは仕方ない」
美奈「そうですか....」
私「あとは警察と家庭裁判所での心証次第かな」
美奈「無罪には?」
私「それはないよ。だって未成年だろうが空き巣と器物損壊の片棒担いでるからね」
美奈「詳しいんですね」
私「俺も昔はヤンチャして結構世話になったからな」
美奈「え?まさか少年院...?」
私「その手前、保護観察はあったけどね」
美奈「だから詳しいんですね」
私「あまり偉そうには言えないけどね、でもあぁいう所にぶちこまれると悪い知識だけ自然と増えていくよ」
美奈「え?何でですか?」
私「考えてもみなよ、他にも悪い事してきた奴らが一緒なんだよ?まずは何して入ってきたかに興味が集まる。その儀式が一頻り終わったら意見交流会が始まる。そこで自然と知識が詰め込まれていくんだよ」
美奈「そんなぁ....」
私「心配ならどんな形で出てくるにせよ、ちゃんとケアしてやりなよ」
美奈「はい、わかりました」
私「それじゃな、元気でな」
妻「元気でね」
美奈「たまには遊びにきてくださいね」
私「あぁ、気が向いたらな」
軽く手を振り美奈と別れる。
アパートに着いた。
このアパートも今日限りだ。
そう考えると少し名残惜しい気もする。
JとMが大きなカバンを抱えて下に降りてきた。
私「あれ?どうしたの?」
J「なんか先方の日程の都合で一日前倒しになっちゃったらしくてこれから行かなきゃいけなくなっちゃったんだよ」
妻「ほんとに?」
M「うん、つい二時間くらい前に電話きて急に言われたんだよね」
私「そりゃ大変だなぁ」
J「最後に飲もうかと思ったんだけど次回にお預けだな」
私「そりゃ残念だ、次回を楽しみにしておくよ」
J「Kは次の現場どこだっけ?」
私「山梨の甲府だよ」
J「いいなぁ近くて」
私「ハズレじゃない事を祈るばかりだよ」
J「そうだな、少しはのんびりやりたいもんな」
私「全くだ」
J「電車の時間があるから、じゃあまたな」
私「あぁ、またな」
握った拳をコンと合わせてお互いの無事を祈った。
ポツンと妻と二人だけになった。
妻「今度会った時が楽しみだね」
私「あぁ、そうだね。ほんとに楽しみだ」
そういいながら自室の扉をパタンと閉めた。
無知奮闘編 完
すでに中條さんの姿はなかった。
始まりがあれば終わりが必ず訪れる。
でも、こんな終わり方は誰も予想してないし、誰も望んでいなかった。
コンビニの前を通る。
偶然美奈と出くわした。
美奈「昨日はすいません」
私「それはいいから、黙ってれば大丈夫だから」
美奈「わかりました。あ、それと....美波は大丈夫なんでしょうか」
私「んー、難しいと思うよ」
美奈「それはどういう事ですか?」
私「細かくはわからないけど、脅されたとしても新聞にも載っちゃった事件だからね、普通に帰宅はできないだろうね。最終的に保護観察で終わったとしても鑑別所は免れない、学校も退学処分になるだろうしね」
美奈「そんな.....」
私「若さゆえ判断を誤ったとしても後の祭だ。今後結婚するにしても家柄を気にする相手とは結婚できないんじゃないかな、隠しても簡単にばれるからね」
美奈「そんな未来にまで影響するの?」
私「一般人と結婚するなら話は別だけどね。ただ、今後アイツみたいな悪い奴にまた捕まらないという保証はどこにもない」
美奈「退学....」
私「うん、これは仕方ない」
美奈「そうですか....」
私「あとは警察と家庭裁判所での心証次第かな」
美奈「無罪には?」
私「それはないよ。だって未成年だろうが空き巣と器物損壊の片棒担いでるからね」
美奈「詳しいんですね」
私「俺も昔はヤンチャして結構世話になったからな」
美奈「え?まさか少年院...?」
私「その手前、保護観察はあったけどね」
美奈「だから詳しいんですね」
私「あまり偉そうには言えないけどね、でもあぁいう所にぶちこまれると悪い知識だけ自然と増えていくよ」
美奈「え?何でですか?」
私「考えてもみなよ、他にも悪い事してきた奴らが一緒なんだよ?まずは何して入ってきたかに興味が集まる。その儀式が一頻り終わったら意見交流会が始まる。そこで自然と知識が詰め込まれていくんだよ」
美奈「そんなぁ....」
私「心配ならどんな形で出てくるにせよ、ちゃんとケアしてやりなよ」
美奈「はい、わかりました」
私「それじゃな、元気でな」
妻「元気でね」
美奈「たまには遊びにきてくださいね」
私「あぁ、気が向いたらな」
軽く手を振り美奈と別れる。
アパートに着いた。
このアパートも今日限りだ。
そう考えると少し名残惜しい気もする。
JとMが大きなカバンを抱えて下に降りてきた。
私「あれ?どうしたの?」
J「なんか先方の日程の都合で一日前倒しになっちゃったらしくてこれから行かなきゃいけなくなっちゃったんだよ」
妻「ほんとに?」
M「うん、つい二時間くらい前に電話きて急に言われたんだよね」
私「そりゃ大変だなぁ」
J「最後に飲もうかと思ったんだけど次回にお預けだな」
私「そりゃ残念だ、次回を楽しみにしておくよ」
J「Kは次の現場どこだっけ?」
私「山梨の甲府だよ」
J「いいなぁ近くて」
私「ハズレじゃない事を祈るばかりだよ」
J「そうだな、少しはのんびりやりたいもんな」
私「全くだ」
J「電車の時間があるから、じゃあまたな」
私「あぁ、またな」
握った拳をコンと合わせてお互いの無事を祈った。
ポツンと妻と二人だけになった。
妻「今度会った時が楽しみだね」
私「あぁ、そうだね。ほんとに楽しみだ」
そういいながら自室の扉をパタンと閉めた。
無知奮闘編 完
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長期に渡って連載お疲れさまでした
老婆心ですが最終話なら「完結済」に設定を変えるとより多くの読者の目にとまると思います
アドバイスありがとうございます。
さっそく反映させて頂きます。