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事件です!
山火事は、鎮火するのに一週間かかった。メモを見てとりあえず、電話してみた。留守電に伝言を入れた。やはりすぐには返事は来なかった。余計に気になった。返事が来たのは、鎮火してから二週間過ぎた頃だった。
「電話してくれてたのに、遅くなりすみませんでした。」
やっと来た電話が嬉しかった。
「大丈夫でしたか?」
「多少のやけどはありましたが、大丈夫です。」
「よかったです。」
無事で良かった。
「心配してくれたんですね。ありがとう。」
ちょっと嬉しかった。
「里見さん達と知り合えて、消防官がいかに大変か、ほんの少しだけ分かった気がします。」
「知ってもらえたら嬉しいです。」
やりとりが楽しくなってきた。
「心配かけたお詫びに食事でもいかがですか?」
「二人ですか?」
ちょっとドキドキした。次の返事にガクっときた。
「いえ、友人も一緒です。」
二人じゃないんだと思ったが仕方ない。
「分かりました。ぜひ、伺います。」
改めて携帯に登録した。LINEを繋げて、後日、日にちと時間を連絡してくれるみたい。
「何で、二人じゃないこと、残念に思うんだろ?」
好きじゃないはずなのに、二人じゃないことを残念に思うことに戸惑った。そして二日後に会うことになった。
当日。待ち合わせのレストランで久々に会った。
「今日はありがとう。」
「あの、友人の方は?」
「すいません、都合が付かなくて。」
ちょっと嬉しい。
「いえ、大丈夫です。」
「すいません、お付き合いください。」
「…。」
イヤじゃないのに、そう言われるとなんか辛い。
里中さんは、レストランとかではなく、知り合いのオシャレなバーに連れて行ってくれた。
「すいません、思いつかなくて。」
「いえ…。」
お店はとても素敵なバーだった。お店の方もみんないい人ばかりで楽しかった。あっという間に時間が過ぎた。
「送りますね。」
「ありがとうございます。」
アパートまで歩いた。長い道のりが、やけに短く感じた。夜の川はなんだか神秘的だ。あの火事で火元になった空き地まで来た。
「ここでしたね。初めて会ったのは。」
「そうですね。」
私の部屋を外から見る。確かに危なかった。
「里中さんからすると、確かに身を乗り出す私は危ないですね。」
改めて思った。
「すいません、恥ずかしかったですよね。配慮が足りなくて。」
「いえ、私が危なかったです。ありがとうございました。」
「行きましょうか。」
「はい。」
部屋の前まで来た時、私の部屋の前に誰かいた。
「誰だろう。」
「少し、様子見ましょう。」
私と里中さんは、部屋には行かず、様子を見た。その人は、私の部屋の前をウロウロして、中の様子を見たりしながら立ち去った。気持ち悪い。
「行きましたね。行きましょうか。」
「は、はい。」
部屋の前まで来た。思わず、腕をつかんだ。さっきの人が気持ち悪い。
「もう少しいてくれませんか?」
何でも理由を付けて引き留めたかった。
「話したいです。イヤですか?」
少し考えた里中さんは、首を振った。
「いいですか?お邪魔しても?」
「是非。」
部屋に入ると鍵を閉めた。すると、帰ってくるのを待っていたかのようにチャイムが鳴った。
「誰?」
ドア覗き穴から見ると、知らないおじさんが立っている。新聞屋さんではないみたい。
「あの、どちら様ですか?」
「…。」
何も話さない。下を向いたままだ。気持ち悪い。その様子を見ていた里中さんがドア覗き穴から覗いた。
「知らない人?」
「知らない人です。」
「奥に入って。あと携帯持っていて。」
「はい。」
私はリビングに行き、携帯を持って近くまで行くと、里中さんは、ドア越しに優しく話しかけた。
「どちら様ですか?」
「あんた、誰だ?」
「彼氏ですが、あなたは?」
「彼氏?そんな奴はいるはずない。彼女は俺の女だ。」
里中さんが振り返る。私は首を横に振る。気持ち悪い。恐怖しかない。里中さんが、通報してと囁いた。私は、震える手で携帯で通報した。
「あの、家の前に知らないおじさんがいて…。」
すると、いきなり、おじさんはドアを叩き始めた。
「い、今、なんか、ドアを、叩き始めたんで早く。」
「一人ですか?」
「いえ、知り合いがいてくれて対応してます。」
「今、警官が向かいます。」
「怖いんで、早く来てください。」
里中さんが手を出した。携帯を渡すと、
「中消防署の里中です。サイレン鳴らさずに来た方がいいです。興奮してます。」
「了解です。いくつくらいの人ですか?」
「60才くらいかな。彼女は知らない人だと。」
「ドアはまだ叩いてますか?」
「今は叩いてないです。」
「分かりました。このまま繋いでいてください。」
「了解です。」
里中さんは、右手で携帯を持ったまま、左手で私の手を握ってくれた。
「大丈夫。俺がいるから。」
怖くて泣きそうだった。数分後、警官が到着した。
「来たようです。」
「では、切りますね。指示に従ってください。」
「了解です。」
電話を切った里中さんは、私をリビングに連れて行った。外から警察官の声がした。
「どうしました?」
「女の家に来たら、男がいやがった。あの女、ぶっ殺してやる!」
「穏やかじゃないね、そんなの。」
「おい!聡子!出て来いよ!」
そう言ってドアを叩き始めた。
「叩いたらダメだよ。」
制止する声。
「聡子って?」
「認知症の方かもしれないね。」
外から警察とおじさんのやりとりが聞こえる。
「ここのお部屋、聡子さん家じゃないよ。」
「はあ?」
表札なんてないから分からないだろう。チャイムが鳴った。
「はい。」
里中さんが出てくれた。
「中央警察の、山田です。」
「山田か?」
ドアを開けると、知り合いの警察官だったみたい。
「里中?お前んちか?」
「彼女の。」
「いたのか?」
「まあな。」
アパートの中に入って来た警官が私を見る。
「あの、聡子さんって方の家だと男性は言い張るんですが。」
「私は、下の名前は梨奈です。全く知らない方です。」
「分かりました。」
警察官は、再び外に出た。
「お住まいの方は女性とお住まいで、女性のお名前は聡子さんと言う名前ではないそうです。」
「そんなはずない!」
おじさんがドアを開けて入ろうとした。怖かったけど、入ってきたら嫌だと思って、私は先に玄関に立った。ドア開けたおじさんと目が合った。
「あんた、誰だ?聡子はどこだ?」
「知りません。私の部屋です!」
「知らないって言ってるよ。一回、署に行こうか?おじさん、ドア叩いて凹んでるし。」
凹むほど叩いたのかと驚いた。おじさんは、しょぼんとしたまま、警察に連れて行かれた。私は、リビングで座り込んだ。里中さんは隣に座った。
「大丈夫?梨奈さんは強いね。」
「強い?怖かっただけです。すいません、そばにいてくれてありがとうございました。」
「強い梨奈さんも好きです。」
手が震えていた。それを見た里中さんはギュッと抱きしめてくれた。すると、チャイムが鳴った。里中さんが出てくれた。それはさっきとは別の警察官が来たようだ。それから、事情を聞かれたりして落ち着いたのは、21時を回っていた。やっと二人きりになった。
「やっと落ち着きましたね。大丈夫?」
「大丈夫、です。」
迷惑をかけたくないと思った。
「梨奈さんはウソつくの下手です。」
私の手は震えていた。
「本当、大丈夫なのに。」
「意地っ張り。」
そう言って抱きしめてくれた。
「里中さん。あの、今夜、泊まってくれませんか?やっぱり怖い。」
「いいですか?心配なんで、泊まらせてください。」
「お願いします。」
ソファで座っている間、ずっと手を握ってくれた。
「落ち着いてきたみたいですね。」
「そばにいてくれてよかったです。」
「一緒の時でよかった。」
私が怖がらないようにずっと手を握ってくれた。私は、里中さんの腕にしがみついた。
「どうしたの?」
「好きになりそうです。」
「ありがとう。でも、今日は聞かなかったことにするよ。冷静になってから、聞きたい。」
私は自分が思うより冷静じゃないのかなと思った。
「そうですね。私、お風呂入って来ていいですか?」
「はい。」
下着とパジャマを用意した。男性用の下着を引き出しの奥から出した。元カレの為に買ったものだ。
「サイズ合うといいですけど。」
「え?あ、ありがとう。大丈夫です。」
「あ、これは下着泥棒避けのです。」
バレバレの嘘。
「ありがとう。」
私は、そそくさとお風呂に入った。出ると、里中さんがうたた寝していた。
「疲れていたのに、ごめんなさい。」
寝顔が可愛い。里中さんに毛布をかけて、見つめているうちに朝になった。いつの間にか同じ毛布の中にいた。何もなく朝を迎えた。
「ごめん、寝てた。今夜は泊まれないけど、大丈夫?」
「多分。最悪、実家に行きます。」
「そうしてくれたら嬉しい。」
「気をつけて。」
里中さんはギュッと抱きしめてくれた。
「行きたくないなぁ。」
「また、来てくれますか?」
「はい、もちろん来ます。」
消防官は、24時間勤務と夕方で終わる勤務があるらしく、24時間勤務の後は1日休みを繰り返すらしい。事件のこともあり、しばらく実家に戻ることにした。今年のクリスマスは、久々の実家になりそうだ。
朝ごはんを食べて、一緒に出勤した。なんだか新婚みたいだ。恥ずかしさと嬉しさが混ざっていた。会社近くのコンビニでお昼を買った。別れる時、すごく寂しくなって、思わず里中さんの服の裾を掴んだ。何だか子どもみたいだ。
「梨奈さんも可愛いことするんですね。」
「こんなこと、初めてです。恥ずかしいです。」
里中さんが私の耳元で囁いた。
「離したくなくなります。」
「仕事終わったら、連絡ください。」
「はい。」
「電話してくれてたのに、遅くなりすみませんでした。」
やっと来た電話が嬉しかった。
「大丈夫でしたか?」
「多少のやけどはありましたが、大丈夫です。」
「よかったです。」
無事で良かった。
「心配してくれたんですね。ありがとう。」
ちょっと嬉しかった。
「里見さん達と知り合えて、消防官がいかに大変か、ほんの少しだけ分かった気がします。」
「知ってもらえたら嬉しいです。」
やりとりが楽しくなってきた。
「心配かけたお詫びに食事でもいかがですか?」
「二人ですか?」
ちょっとドキドキした。次の返事にガクっときた。
「いえ、友人も一緒です。」
二人じゃないんだと思ったが仕方ない。
「分かりました。ぜひ、伺います。」
改めて携帯に登録した。LINEを繋げて、後日、日にちと時間を連絡してくれるみたい。
「何で、二人じゃないこと、残念に思うんだろ?」
好きじゃないはずなのに、二人じゃないことを残念に思うことに戸惑った。そして二日後に会うことになった。
当日。待ち合わせのレストランで久々に会った。
「今日はありがとう。」
「あの、友人の方は?」
「すいません、都合が付かなくて。」
ちょっと嬉しい。
「いえ、大丈夫です。」
「すいません、お付き合いください。」
「…。」
イヤじゃないのに、そう言われるとなんか辛い。
里中さんは、レストランとかではなく、知り合いのオシャレなバーに連れて行ってくれた。
「すいません、思いつかなくて。」
「いえ…。」
お店はとても素敵なバーだった。お店の方もみんないい人ばかりで楽しかった。あっという間に時間が過ぎた。
「送りますね。」
「ありがとうございます。」
アパートまで歩いた。長い道のりが、やけに短く感じた。夜の川はなんだか神秘的だ。あの火事で火元になった空き地まで来た。
「ここでしたね。初めて会ったのは。」
「そうですね。」
私の部屋を外から見る。確かに危なかった。
「里中さんからすると、確かに身を乗り出す私は危ないですね。」
改めて思った。
「すいません、恥ずかしかったですよね。配慮が足りなくて。」
「いえ、私が危なかったです。ありがとうございました。」
「行きましょうか。」
「はい。」
部屋の前まで来た時、私の部屋の前に誰かいた。
「誰だろう。」
「少し、様子見ましょう。」
私と里中さんは、部屋には行かず、様子を見た。その人は、私の部屋の前をウロウロして、中の様子を見たりしながら立ち去った。気持ち悪い。
「行きましたね。行きましょうか。」
「は、はい。」
部屋の前まで来た。思わず、腕をつかんだ。さっきの人が気持ち悪い。
「もう少しいてくれませんか?」
何でも理由を付けて引き留めたかった。
「話したいです。イヤですか?」
少し考えた里中さんは、首を振った。
「いいですか?お邪魔しても?」
「是非。」
部屋に入ると鍵を閉めた。すると、帰ってくるのを待っていたかのようにチャイムが鳴った。
「誰?」
ドア覗き穴から見ると、知らないおじさんが立っている。新聞屋さんではないみたい。
「あの、どちら様ですか?」
「…。」
何も話さない。下を向いたままだ。気持ち悪い。その様子を見ていた里中さんがドア覗き穴から覗いた。
「知らない人?」
「知らない人です。」
「奥に入って。あと携帯持っていて。」
「はい。」
私はリビングに行き、携帯を持って近くまで行くと、里中さんは、ドア越しに優しく話しかけた。
「どちら様ですか?」
「あんた、誰だ?」
「彼氏ですが、あなたは?」
「彼氏?そんな奴はいるはずない。彼女は俺の女だ。」
里中さんが振り返る。私は首を横に振る。気持ち悪い。恐怖しかない。里中さんが、通報してと囁いた。私は、震える手で携帯で通報した。
「あの、家の前に知らないおじさんがいて…。」
すると、いきなり、おじさんはドアを叩き始めた。
「い、今、なんか、ドアを、叩き始めたんで早く。」
「一人ですか?」
「いえ、知り合いがいてくれて対応してます。」
「今、警官が向かいます。」
「怖いんで、早く来てください。」
里中さんが手を出した。携帯を渡すと、
「中消防署の里中です。サイレン鳴らさずに来た方がいいです。興奮してます。」
「了解です。いくつくらいの人ですか?」
「60才くらいかな。彼女は知らない人だと。」
「ドアはまだ叩いてますか?」
「今は叩いてないです。」
「分かりました。このまま繋いでいてください。」
「了解です。」
里中さんは、右手で携帯を持ったまま、左手で私の手を握ってくれた。
「大丈夫。俺がいるから。」
怖くて泣きそうだった。数分後、警官が到着した。
「来たようです。」
「では、切りますね。指示に従ってください。」
「了解です。」
電話を切った里中さんは、私をリビングに連れて行った。外から警察官の声がした。
「どうしました?」
「女の家に来たら、男がいやがった。あの女、ぶっ殺してやる!」
「穏やかじゃないね、そんなの。」
「おい!聡子!出て来いよ!」
そう言ってドアを叩き始めた。
「叩いたらダメだよ。」
制止する声。
「聡子って?」
「認知症の方かもしれないね。」
外から警察とおじさんのやりとりが聞こえる。
「ここのお部屋、聡子さん家じゃないよ。」
「はあ?」
表札なんてないから分からないだろう。チャイムが鳴った。
「はい。」
里中さんが出てくれた。
「中央警察の、山田です。」
「山田か?」
ドアを開けると、知り合いの警察官だったみたい。
「里中?お前んちか?」
「彼女の。」
「いたのか?」
「まあな。」
アパートの中に入って来た警官が私を見る。
「あの、聡子さんって方の家だと男性は言い張るんですが。」
「私は、下の名前は梨奈です。全く知らない方です。」
「分かりました。」
警察官は、再び外に出た。
「お住まいの方は女性とお住まいで、女性のお名前は聡子さんと言う名前ではないそうです。」
「そんなはずない!」
おじさんがドアを開けて入ろうとした。怖かったけど、入ってきたら嫌だと思って、私は先に玄関に立った。ドア開けたおじさんと目が合った。
「あんた、誰だ?聡子はどこだ?」
「知りません。私の部屋です!」
「知らないって言ってるよ。一回、署に行こうか?おじさん、ドア叩いて凹んでるし。」
凹むほど叩いたのかと驚いた。おじさんは、しょぼんとしたまま、警察に連れて行かれた。私は、リビングで座り込んだ。里中さんは隣に座った。
「大丈夫?梨奈さんは強いね。」
「強い?怖かっただけです。すいません、そばにいてくれてありがとうございました。」
「強い梨奈さんも好きです。」
手が震えていた。それを見た里中さんはギュッと抱きしめてくれた。すると、チャイムが鳴った。里中さんが出てくれた。それはさっきとは別の警察官が来たようだ。それから、事情を聞かれたりして落ち着いたのは、21時を回っていた。やっと二人きりになった。
「やっと落ち着きましたね。大丈夫?」
「大丈夫、です。」
迷惑をかけたくないと思った。
「梨奈さんはウソつくの下手です。」
私の手は震えていた。
「本当、大丈夫なのに。」
「意地っ張り。」
そう言って抱きしめてくれた。
「里中さん。あの、今夜、泊まってくれませんか?やっぱり怖い。」
「いいですか?心配なんで、泊まらせてください。」
「お願いします。」
ソファで座っている間、ずっと手を握ってくれた。
「落ち着いてきたみたいですね。」
「そばにいてくれてよかったです。」
「一緒の時でよかった。」
私が怖がらないようにずっと手を握ってくれた。私は、里中さんの腕にしがみついた。
「どうしたの?」
「好きになりそうです。」
「ありがとう。でも、今日は聞かなかったことにするよ。冷静になってから、聞きたい。」
私は自分が思うより冷静じゃないのかなと思った。
「そうですね。私、お風呂入って来ていいですか?」
「はい。」
下着とパジャマを用意した。男性用の下着を引き出しの奥から出した。元カレの為に買ったものだ。
「サイズ合うといいですけど。」
「え?あ、ありがとう。大丈夫です。」
「あ、これは下着泥棒避けのです。」
バレバレの嘘。
「ありがとう。」
私は、そそくさとお風呂に入った。出ると、里中さんがうたた寝していた。
「疲れていたのに、ごめんなさい。」
寝顔が可愛い。里中さんに毛布をかけて、見つめているうちに朝になった。いつの間にか同じ毛布の中にいた。何もなく朝を迎えた。
「ごめん、寝てた。今夜は泊まれないけど、大丈夫?」
「多分。最悪、実家に行きます。」
「そうしてくれたら嬉しい。」
「気をつけて。」
里中さんはギュッと抱きしめてくれた。
「行きたくないなぁ。」
「また、来てくれますか?」
「はい、もちろん来ます。」
消防官は、24時間勤務と夕方で終わる勤務があるらしく、24時間勤務の後は1日休みを繰り返すらしい。事件のこともあり、しばらく実家に戻ることにした。今年のクリスマスは、久々の実家になりそうだ。
朝ごはんを食べて、一緒に出勤した。なんだか新婚みたいだ。恥ずかしさと嬉しさが混ざっていた。会社近くのコンビニでお昼を買った。別れる時、すごく寂しくなって、思わず里中さんの服の裾を掴んだ。何だか子どもみたいだ。
「梨奈さんも可愛いことするんですね。」
「こんなこと、初めてです。恥ずかしいです。」
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