両片想いのループの中で

静穂

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sideS 2-1

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新しい生活は沢山の刺激と、沢山の空虚をごちゃ混ぜにした様な日々だった。

クラスには同じ事務所のメンバーや、テレビで観てたあの子がいた。
なんていうのか、例えるなら日常とテレビの向こうが融合していく感覚。

画面の向こうでは出せない様な素顔や、
学生らしさとかがあって、そんな仲間に入ってる事が何か歯痒い気持ちになった。

テレビではあんなに明るいあいつも、プライベートでは静かだったり
清純派と言われるあの子が実はお笑いが好きでめちゃくちゃ笑う子だったり

多分、普通の高校生活。
違うとするなら、各々、仕事をしている事くらい。

そして、俺にとっては。
いつも当たり前に隣に居た華が居ない事が、今までと違う状況だった。

ふとした時に、華が居ない事に驚いて。
鳴らないケータイに落胆した。

中学の時、華はケータイを持ってる事を隠してたから、華から来る連絡を受けられるのは家族か俺だけ。
毎日会うのに、毎日律儀に「おやすみ」と送ってくれる。
東京に発つ直前まできちんとそのメールは来てて、だから。
…ずっとそんな関係は続くと思ってた。
あんな風に別れておきながら、お気楽な考えだと、今なら思う。

東京に着いたその日。
事務所に顔出して、マネージャーさんと不動産屋で鍵を受け取った。
俺を担当してくれる山田さんも地方出身者で、一人暮らしに迷ったら何でも相談してねと声を掛けてくれた。
家電は今日は届かないから、1週間程ホテル暮らしだけど、生活に必要な物の買い出しは結構あって、既婚者の山田さんに教えて貰いながら色々揃えた。
全体的にブラウンやベージュ系を選んだのは、華の事を考えていたからかも知れない。
落ち着いた華の部屋に比べて、実家の俺の部屋はアメコミのフィギュアがあったり、ゲームソフトがあったりと、色味も何もかもがごちゃごちゃだったから。
着いたのが昼過ぎだった事もあり、買い物を終わって、山田さん夫婦とご飯食べてホテルに着いたら、疲れて寝てしまった。
地元とは違って、何処に行ってもお祭りの如く人が沢山いた。
そんな街で暮らしていくなんて、半年前には思いも寄らなかった。
華からの「おやすみ」メールが無い事に気付いたのは東京に来てから既に5日経ってからだった。
その間、自分からも連絡はしていない。
気になって、中学の同級生に連絡したかったけど、色々検索されるのがイヤで、半分まで打ったメールを消した。
想いはこんなにあるのに、声すら聞けない。
毎日、華の連絡先を呼び出しては最後のボタンが押せずに、時間だけが流れた。








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