王道を書いてみたい

ひこ

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昔話

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夕暮れの公園に二人の少年の影が重なりながら、ベンチに座る。片割れの少年は何処かに引っ越しするため別れを告げる。もう一人の少年は泣きそうになりながら、寂しさを誤魔化して笑う。

「また、会えるよ。その時、約束を果たそうよ」

「……うん、絶対に約束を果たそうね」

「あぁ。指切りげんまだな!」

  一生の別れではない。この約束がまた結んでくれる。二人の少年は小指を合わせて指切りをした。それから、10年が立ち始める。
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