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一章 入学
青葉 side
しおりを挟む「あいつ、足だけ速いからなぁ。追いつかねぇ」
「はぁはぁ、……うん。俺も運動できる方だけど境本くん速いね」
「……次から名前で呼んだらどうだ。敦も喜ぶと思うし。俺も友達にしてくれるなら俺の名前でもいいぞ」
「こちらこそ、風間と……違うか。青葉と友達になれて嬉しいよ。……そっか、次は敦って名前で呼んでもいいのか」
バスに乗ろうとした時、後ろの席の東山は暗いように映っていた。現在の東山は敦のお陰で明るく輝いている。俺も階級などはルールを知らないから気にしないのだが、鏡境学園では重要な秩序。今の時代にも続くこの制度は気になる点が多すぎる。もしも時はあれを使わないといけない。元気よく走っていくあいつの姿が暗くならないうちに。
「青葉、凄く遅いぞ。もうちょっと、運動するべきだ!! 女性との運動とは凄いくせにー」
「敦、殺す」
調子のっているあいつの頭を殴ることを決めて全力で走り出す。敦は殺意を感じたのか怯えながら逃げて、望は笑いながら俺達の後を追いかけていた。
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