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知らない世界
さん
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「ん……」
なんだか、ざわざわ煩い。森にいるかのような。音と、においが、する。
何時だ、今……
枕元のスマホを探すように腕を伸ばして、やっと覚醒した。
「果穂!」
飛び起きてびっくりした。
……どこだ、ここ。
森だ。いや何でだ。さっきまで白い箱の中に……いやそれもおかしいんだけど。
なんかあの、声がやなんか言ってた気がする。そこまでは思い出せるのに、肝心の内容が思い出せない。
いや、だから今はそんなことはどうでもよくないけどどうでもいい!
また果穂が傍にいない。
「果穂ー!」
まさか、さっきの果穂と一緒に、という願いは結局叶わなかったのか。
いや、さっきのこと自体が夢だったのか。
でもこの状態はどう考えても普通では……
焦りながら立ち上がり、当たりを見渡す。
とりあえず探さなくては。
あんな小さな子を、こんな森にひとりになんかさせられない。
どうやら深い森ではなかったらしい。あと少しで森から出られそうだ。
1度出てみて、近くにいそうになかったらまた森に戻ろう。そう決めて足を急がせる。
果穂が泣いていたらどうしよう。
急にこんな目にあえば不安で寂しくてこわいに決まってる。
早く、早く見つけてあげないと。
あと数歩で森を抜ける、その瞬間だった。
こどもの悲鳴が聞こえた。
果穂の声だ。
どうした、何が起きた、虫か、変な奴か、幽霊か怪獣か、
足が縺れそうになる。
果穂、果穂、果穂、兄ちゃんすぐ行くからな、あと、少し……
視界が明るくなる。森を抜けたその先は、一面茶色の、砂埃が舞う荒れた地だった。
次いで僕の視界に飛び込んできたのは座り込んで叫ぶ果歩と、その目の前にいる、でかい怪物。
「ド……」
あれは、ドラゴン、なんだろうか。
「果穂!」
「やぁあ!にぃ……」
走りながら名前を叫ぶと、果穂がこっちを見て、震える手を伸ばす。動けないようだ。
ドラゴンのようなものも唸りながら、そのでかい躯で果穂に近付く。
だめだ、間に合わな……
「果穂……!」
「……!」
その瞬間。
何かが光り、何かが飛び、果穂を抱えた。
「あんたの連れでいいのね!?」
女性の声と、それと同時に腕の中に果穂を投げられた。
「えっ」
「う」
目の前で繰り広げられることに頭がついていけない。
僕にただ出来るのは、今確実に腕の中にいる震える果穂を抱き締めるだけだった。
ギャオオ、とテレビでしか聞いたことのない叫び声。
先程の光は、男性の持つ、大きな……あれは大剣だろうか。大剣を軽々と振り、ドラゴンの躯に傷を付けていく。
「コイツ結構脆いぞ!」
「いいから早く倒しちゃって!小さい子もいるのよ!」
「あーそっか、今はダメだな」
あんなでかい化け物が脆いだって?なんなんだこの世界とこの人達は。
うわああん、と泣く果穂に、大丈夫だと声を掛けるがその声が震える。
なんなんだ、本当になんなんだここは。
まるで……まるでゲームや漫画の世界ではないか。
「これで終わり、っと……」
振り上げた大剣が、ドラゴンの首を落とした。
砂埃をあげ、首が地面に落ちる。
「……!?」
「大丈夫?投げちゃってごめんなさい、その子、怪我してない?」
「あ……」
女性が長い髪を靡かせながら振り返る。
こちらに手を差し伸べながら話しかけてきた瞬間だった。
「ララ!」
「危ない!」
「え」
首を落とした筈のドラゴンの躯が動いている!
僕達の方へ向けて。逃げる暇などない。
皆死ぬ。また。死ぬ。
僕は果穂を強く抱き締め、そのまままた、暗闇へ落ちた。
なんだか、ざわざわ煩い。森にいるかのような。音と、においが、する。
何時だ、今……
枕元のスマホを探すように腕を伸ばして、やっと覚醒した。
「果穂!」
飛び起きてびっくりした。
……どこだ、ここ。
森だ。いや何でだ。さっきまで白い箱の中に……いやそれもおかしいんだけど。
なんかあの、声がやなんか言ってた気がする。そこまでは思い出せるのに、肝心の内容が思い出せない。
いや、だから今はそんなことはどうでもよくないけどどうでもいい!
また果穂が傍にいない。
「果穂ー!」
まさか、さっきの果穂と一緒に、という願いは結局叶わなかったのか。
いや、さっきのこと自体が夢だったのか。
でもこの状態はどう考えても普通では……
焦りながら立ち上がり、当たりを見渡す。
とりあえず探さなくては。
あんな小さな子を、こんな森にひとりになんかさせられない。
どうやら深い森ではなかったらしい。あと少しで森から出られそうだ。
1度出てみて、近くにいそうになかったらまた森に戻ろう。そう決めて足を急がせる。
果穂が泣いていたらどうしよう。
急にこんな目にあえば不安で寂しくてこわいに決まってる。
早く、早く見つけてあげないと。
あと数歩で森を抜ける、その瞬間だった。
こどもの悲鳴が聞こえた。
果穂の声だ。
どうした、何が起きた、虫か、変な奴か、幽霊か怪獣か、
足が縺れそうになる。
果穂、果穂、果穂、兄ちゃんすぐ行くからな、あと、少し……
視界が明るくなる。森を抜けたその先は、一面茶色の、砂埃が舞う荒れた地だった。
次いで僕の視界に飛び込んできたのは座り込んで叫ぶ果歩と、その目の前にいる、でかい怪物。
「ド……」
あれは、ドラゴン、なんだろうか。
「果穂!」
「やぁあ!にぃ……」
走りながら名前を叫ぶと、果穂がこっちを見て、震える手を伸ばす。動けないようだ。
ドラゴンのようなものも唸りながら、そのでかい躯で果穂に近付く。
だめだ、間に合わな……
「果穂……!」
「……!」
その瞬間。
何かが光り、何かが飛び、果穂を抱えた。
「あんたの連れでいいのね!?」
女性の声と、それと同時に腕の中に果穂を投げられた。
「えっ」
「う」
目の前で繰り広げられることに頭がついていけない。
僕にただ出来るのは、今確実に腕の中にいる震える果穂を抱き締めるだけだった。
ギャオオ、とテレビでしか聞いたことのない叫び声。
先程の光は、男性の持つ、大きな……あれは大剣だろうか。大剣を軽々と振り、ドラゴンの躯に傷を付けていく。
「コイツ結構脆いぞ!」
「いいから早く倒しちゃって!小さい子もいるのよ!」
「あーそっか、今はダメだな」
あんなでかい化け物が脆いだって?なんなんだこの世界とこの人達は。
うわああん、と泣く果穂に、大丈夫だと声を掛けるがその声が震える。
なんなんだ、本当になんなんだここは。
まるで……まるでゲームや漫画の世界ではないか。
「これで終わり、っと……」
振り上げた大剣が、ドラゴンの首を落とした。
砂埃をあげ、首が地面に落ちる。
「……!?」
「大丈夫?投げちゃってごめんなさい、その子、怪我してない?」
「あ……」
女性が長い髪を靡かせながら振り返る。
こちらに手を差し伸べながら話しかけてきた瞬間だった。
「ララ!」
「危ない!」
「え」
首を落とした筈のドラゴンの躯が動いている!
僕達の方へ向けて。逃げる暇などない。
皆死ぬ。また。死ぬ。
僕は果穂を強く抱き締め、そのまままた、暗闇へ落ちた。
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