8 / 66
はじめの一歩
はち
しおりを挟む
何着かララに選んでもらい、その場で着替えさせてもらった。
これで暫くは衣装に困らないだろう。……洗濯ってもしかして川かどっかでやるのか?後で聞こう。
「一度宿に戻って……」
「なんで?忘れ物でもした?」
「この服持ち歩くには邪魔だから」
「収納すればいいじゃない」
「収納?」
「収納の仕方もわからないの?ほら、こうやって」
ずる、と何もない空間からアクセサリーを取り出したララ。
ぽかんとする僕と果穂をみて、今度はルルが大剣を取り出した。
「……わかる?」
「……わからない」
「……魔力の大きさにもよるんだけど、少しの荷物なら空間保存が出来るの。だから旅人でも最低限の荷物で出歩けるし、大事なものは盗まれることもないのよ」
「……ど、どうやってその収納できるのかわからない」
「イメージするの、ここに収納するって」
「えー……」
「とりあえずこれはあたしが預かっとくわ。時間が勿体ないし、これは宿に戻ってからでもいいでしょう」
「うん……」
魔法って、イメージでするものなのだろうか。
ファイヤー!みたいな詠唱したりしなくていいのだろうか。
いや、昨日ドラゴン燃やしたらしいけど僕詠唱なんかしてなかったもんな……
「ちょっと待ってて」
「あ、うん」
考え込む僕を置いて、ララが何か建物の中へ入っていった。
ここは何屋さんなんだろうか。武器屋とか?
ルルが持ってる大剣……あんなもの僕に扱えそうもない。
だからといってナイフのような小さいものでは、そんな至近距離でドラゴンみたいなモンスターとは戦えないし……
弓……そんなもの当てる自信がない。
日本刀……いやいやないでしょ、槍……それならなんとか?
うーん、でも果穂がいるならやっぱり魔法でどうにか……
「お待たせー!」
5分もしない内に、ララが戻ってきた。
そして笑顔で行くわよ!と言う。
「くそ雑魚モンスターの討伐よ!」
「……」
どうやらいきなり戦闘らしい。
「いーい?さっきも言ったでしょ、イメージするの、イメージ」
「うん……」
「ドラゴンを倒した時みたいに、燃やし尽くすぞ!って」
「ん……」
あの時そんなこと思ったかなあ。
とにかく必死だったことしか覚えてない。というか記憶がないんだけど。
「ん~……!」
手のひらから火を吹き出すイメージ。
漫画やゲームでたくさん見た筈だ。実際出したらしいし……でも出ない。
なんてこった、僕には魔法のセンスがないのか。
「……出ないわね」
「……出ないですね」
「まさかあの時火を出したのはカホ?そんな、でもあの時感じたのは確かにユートの魔力だったし……位置的にも……」
ぶつぶつ呟きながらララが考え込んでいる。
出来の悪い生徒で申し訳ないです。
「にいにー!こっちなんかいっぱいいるよお、ぷるぷるしてるやつー!」
そんな中、ルルと遊んでいた筈の果穂が楽しそうに僕を呼ぶ。
ぷるぷるしてるやつといえば、まさにくそ雑魚モンスター、スライムではないか。
なるほど、それなら僕でも倒せそうだ!……いや待て魔法まだ使えてないじゃないか。
武器もないし、踏み潰せば或いは……待て待て待て踏み潰すって結構ハードル高くないか?グロ注意じゃないか?
スライムをぶちゅっと踏み潰すとどうなるんだ?
寒天を踏み潰したようになるならいいけど、内蔵とか出てきたら……果穂にはとても見せられるものではない。
「待って、カホ、それ触っちゃダメ!その色は毒があるの!」
「え」
「えっ」
ララの鋭い声につられて、果穂が触ろうとしてる、ぷるぷるしてるやつに目を向ける。
確かに毒々しい色をしたスライムのようなもの。
ララの声を受けて、触ろうと伸ばした腕をぴたっと止めた果穂だったが、それも遅いとばかりにスライムの方から果穂に寄って行くのが見えた。
「危ない!果穂、下がって!」
言うが早いが、スライムがぴょん、と果穂の方へ飛び……
間に合わない。火は果穂に当たってしまう……
そして僕はまた気を失ったのだった。
これで暫くは衣装に困らないだろう。……洗濯ってもしかして川かどっかでやるのか?後で聞こう。
「一度宿に戻って……」
「なんで?忘れ物でもした?」
「この服持ち歩くには邪魔だから」
「収納すればいいじゃない」
「収納?」
「収納の仕方もわからないの?ほら、こうやって」
ずる、と何もない空間からアクセサリーを取り出したララ。
ぽかんとする僕と果穂をみて、今度はルルが大剣を取り出した。
「……わかる?」
「……わからない」
「……魔力の大きさにもよるんだけど、少しの荷物なら空間保存が出来るの。だから旅人でも最低限の荷物で出歩けるし、大事なものは盗まれることもないのよ」
「……ど、どうやってその収納できるのかわからない」
「イメージするの、ここに収納するって」
「えー……」
「とりあえずこれはあたしが預かっとくわ。時間が勿体ないし、これは宿に戻ってからでもいいでしょう」
「うん……」
魔法って、イメージでするものなのだろうか。
ファイヤー!みたいな詠唱したりしなくていいのだろうか。
いや、昨日ドラゴン燃やしたらしいけど僕詠唱なんかしてなかったもんな……
「ちょっと待ってて」
「あ、うん」
考え込む僕を置いて、ララが何か建物の中へ入っていった。
ここは何屋さんなんだろうか。武器屋とか?
ルルが持ってる大剣……あんなもの僕に扱えそうもない。
だからといってナイフのような小さいものでは、そんな至近距離でドラゴンみたいなモンスターとは戦えないし……
弓……そんなもの当てる自信がない。
日本刀……いやいやないでしょ、槍……それならなんとか?
うーん、でも果穂がいるならやっぱり魔法でどうにか……
「お待たせー!」
5分もしない内に、ララが戻ってきた。
そして笑顔で行くわよ!と言う。
「くそ雑魚モンスターの討伐よ!」
「……」
どうやらいきなり戦闘らしい。
「いーい?さっきも言ったでしょ、イメージするの、イメージ」
「うん……」
「ドラゴンを倒した時みたいに、燃やし尽くすぞ!って」
「ん……」
あの時そんなこと思ったかなあ。
とにかく必死だったことしか覚えてない。というか記憶がないんだけど。
「ん~……!」
手のひらから火を吹き出すイメージ。
漫画やゲームでたくさん見た筈だ。実際出したらしいし……でも出ない。
なんてこった、僕には魔法のセンスがないのか。
「……出ないわね」
「……出ないですね」
「まさかあの時火を出したのはカホ?そんな、でもあの時感じたのは確かにユートの魔力だったし……位置的にも……」
ぶつぶつ呟きながらララが考え込んでいる。
出来の悪い生徒で申し訳ないです。
「にいにー!こっちなんかいっぱいいるよお、ぷるぷるしてるやつー!」
そんな中、ルルと遊んでいた筈の果穂が楽しそうに僕を呼ぶ。
ぷるぷるしてるやつといえば、まさにくそ雑魚モンスター、スライムではないか。
なるほど、それなら僕でも倒せそうだ!……いや待て魔法まだ使えてないじゃないか。
武器もないし、踏み潰せば或いは……待て待て待て踏み潰すって結構ハードル高くないか?グロ注意じゃないか?
スライムをぶちゅっと踏み潰すとどうなるんだ?
寒天を踏み潰したようになるならいいけど、内蔵とか出てきたら……果穂にはとても見せられるものではない。
「待って、カホ、それ触っちゃダメ!その色は毒があるの!」
「え」
「えっ」
ララの鋭い声につられて、果穂が触ろうとしてる、ぷるぷるしてるやつに目を向ける。
確かに毒々しい色をしたスライムのようなもの。
ララの声を受けて、触ろうと伸ばした腕をぴたっと止めた果穂だったが、それも遅いとばかりにスライムの方から果穂に寄って行くのが見えた。
「危ない!果穂、下がって!」
言うが早いが、スライムがぴょん、と果穂の方へ飛び……
間に合わない。火は果穂に当たってしまう……
そして僕はまた気を失ったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
異世界に行った、そのあとで。
神宮寺あおい@1/23先視の王女の謀発売
恋愛
新海なつめ三十五歳。
ある日見ず知らずの女子高校生の異世界転移に巻き込まれ、気づけばトルス国へ。
当然彼らが求めているのは聖女である女子高校生だけ。
おまけのような状態で現れたなつめに対しての扱いは散々な中、宰相の協力によって職と居場所を手に入れる。
いたって普通に過ごしていたら、いつのまにか聖女である女子高校生だけでなく王太子や高位貴族の子息たちがこぞって悩み相談をしにくるように。
『私はカウンセラーでも保健室の先生でもありません!』
そう思いつつも生来のお人好しの性格からみんなの悩みごとの相談にのっているうちに、いつの間にか年下の美丈夫に好かれるようになる。
そして、気づけば異世界で求婚されるという本人大混乱の事態に!
【完結】平民聖女の愛と夢
ここ
ファンタジー
ソフィは小さな村で暮らしていた。特技は治癒魔法。ところが、村人のマークの命を救えなかったことにより、村全体から、無視されるようになった。食料もない、お金もない、ソフィは仕方なく旅立った。冒険の旅に。
追放された聖女は旅をする
織人文
ファンタジー
聖女によって国の豊かさが守られる西方世界。
その中の一国、エーリカの聖女が「役立たず」として追放された。
国を出た聖女は、出身地である東方世界の国イーリスに向けて旅を始める――。
異世界召喚された巫女は異世界と引き換えに日本に帰還する
白雪の雫
ファンタジー
何となく思い付いた話なので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合展開です。
聖女として召喚された巫女にして退魔師なヒロインが、今回の召喚に関わった人間を除いた命を使って元の世界へと戻る話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる