【完結】幼い義妹が聖女なのは内緒でお願いします

ほんだし

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生きていく街

さんじゅうなな

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「おはようございます!ゆっくり眠れましたか?」
「……?」
「まだ眠たいですか?寝てても大丈夫ですよ」

 百花が覗き込んでいる。
 ……あのまま昼寝しちゃったか。

「おかえり」
「……ただいまです!すごいおうちですね、おつかれさまです」
「あんまり他人の家行かなかったから、自分ちくらいしかよくわかんなかったんだよね」
「大きなおうちだったんですね」
「殆ど家に帰ってこない仕事人間だったからねえ……お金があることだけが親として取り柄だったかもね」

 ちょっとわたしのおうちと似てますね、と少し寂しそうな顔をして、まだ寝てる果穂を撫でる。

「どうしますか?まだ休んでいても大丈夫ですけど」
「んー、僕は大丈夫だよ、果穂だけ寝かせておこう」
「でも、魔法、疲れるんですよね?ララさんも心配してました」
「休んだから大丈夫かな、それより皆の話が聞きたいかも」
「?」

 まだちょっと引き摺ってる。
 前の世界を知ってる百花やララとルルに完全に甘えているなあ……

「じゃあお茶淹れます、夕飯までもうちょっとありますし、ゆっくりしましょう」
「……うん」

 はい、と差し伸べられたその手を掴んで立ち上がる。
 たまには百花にリードされるのも悪くない。



「寝てたの?」
「ごめんごめん」
「謝ることはないわよ、この調子じゃ大分疲れたでしょ」
「果穂と一緒に寝ちゃってたよー 」

 まだ寝かせといて、とソファに下ろす。
 起きた時に誰もいないと騒ぐのが目に見えてるので、目に見えるところに置いておかないと。機嫌が悪くなったらそれは大変だ。

「それにしてもすごいわね、こんな建物見たことないわ」
「外はどうだった?街並みに浮いてない?」
「それは大丈夫だけど、あまりうちに招待しない方がいいわね」
「皆友達出来ても呼ばないでくれよー」

 どうぞ、と百花の淹れてくれた紅茶が出される。
 ココアや緑茶以外にも用意しておいて良かった。
 こういう時、ちょっと絵にならない。いや別に緑茶でもいいんだけどさ。

「学園はどうだった?」
「どうだったも何も。入学もまだだし」
「いきなり喧嘩しといてよく言うわな」
「あれはあのいけ好かない奴が悪いわ」
「何かあったの?」
「気の弱そうな女の子に絡んでたから助けただけよ」
「……ララも女の子なんだから、そういうのはルルに任せた方がいいよ」
「でも絶対あたしの方が強いし!」
「はは」

 そこは今あんまり関係ないけど。

「ララさん、悠斗さんも心配してるんですよ」
「俺も心配しろよ」
「いやー、ルルには期待してるよ、ちゃんと学園で見ててあげてよね」
「わたしもちゃんと見てます!」

 ララの気の短さはもう百花にもバレてる。
 ルルが積極的に中に割って入らないタイプだから心配してるんだぞ。

「あ、ついでに帰りにモモカの住んでた所にも寄って引き払ってきたわよ」
「はい!」
「これでモモカはこの家の子ねえ」
「嬉しいです!」

 そうだそうだ、百花はもううちの子だ。
 安心して帰れる家を作るのが僕達の役目だ。
 ……なんか兄通り越して父親のような気分になってきた。
 果穂も百花も小さいからなー、心配過ぎて過保護になってしまう。

「入学っていつから?」
「1週間後だな」
「それまでのんびりだなー」
「それがねえ」
「?」
「あたしたち明日からちょっと呼ばれてて」
「何か問題あった?」
「王都の外に不審者が出るらしくて。どうせ盗賊とかでしょうけど。ギルドから数人呼ばれてお仕事よ、入学前だってのに」
「大丈夫?」
「そこらの人間に負ける気はしない」
「……」

 ランクも高くなるとそういう、招集されたりもあるんだな、面倒だし程々にするようにしよう。
 まぁ僕がそんなに強くなれるとは思わないけど。

「じゃあ明日は百花に王都を案内して貰おうかな」
「……!はい!お任せ下さい!」
「モモカ嬉しそうねー」
「お役に立てそうだと嬉しいです!わたし何も出来ないから」
「そんなことないわよ!ご飯はおいしいしかわいいしいい子だし何も出来なくないわよ!」
「ララさん苦しいです~」

 強く抱き締めるララに、嬉しそうな声で抗議する百花。
 そんな百花にまたララは笑顔で頭を撫でる。
 髪がぐちゃぐちゃだ。それでも2人の女の子は笑顔だった。
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