7 / 21
第7話 『家電量販店』ツアー
しおりを挟む
「それじゃあ、旦那様。どこから見ていきましょうか」
「そうだなぁ」
ペッハー君だったアリスが人間の姿になったということもあり、俺たちは改めてここにある家電がどんな仕様変更ができるのか確かめに行くことにした。
時間はあるわけだから、一階から順番に見ていくのがいい気がするが、気になるところがあったらいきなりそこに行ってみてもいいかもしれない。
俺はそんなことを考えながらフロアマップをじっと眺めていた。
しかし、どうしても気になってしまうことがあって、俺は後方をちらっと見る。
「……とりあえず、少し離れてみようか」
「?」
「いや、別に難しいことは言ってないでしょ」
アリスはきょとんと首を傾げながら、俺にぴったりと体を密着させて、後ろから抱きついていた。
さすがに今の俺が子どもの姿とは言え、双丘の感触を前にすれば少し気恥しもなる。
アリスはそんな俺の考えなど気にする素振りも見せず、当たり前のような顔で続ける。
「旦那様が人恋しくならないようにしているのですが、ダメでしたか?」
「別に、ダメという訳じゃないけど。い、今は他の家電を見に行くんだろ。時と場合を考えるべきだと言っているんだって」
アリスに人恋しさを感じていたことを告げてしまっただけに、俺はあまりアリスに強く言えずにいた。
それに、アリスはペッハー君だったときからボディタッチが多かった気かする。だから、急に女の子の姿になったから接触を控えるようにというのは違う気がした。
俺が再びアリスの方に振り返ったときには、アリスはいつもと変わらない表情をしていた。
「旦那様。それで、どこか気になるところはありました?」
「あっ、そうだったな。どうするか……それじゃあ、お掃除ロボットなんかどうかな?」
「お掃除ロボットですか。それなら、一つ上のフロアですね」
アリスがここまで変わったわけだし、お掃除ロボットとかも凄い仕様変更ができるかもしれない。
さすがに、お掃除ロボットが女の子になるとまでは思わないけど、面白い進化をしてくれる気がする。
俺は密かにそんな期待をして、アリスに案内されてエスカレーターを上ってお掃除ロボットの売り場へと向かった。
「おお、これがお掃除ロボット」
ウィーン、ウィーン。
俺は前の前で動く白色のお掃除ロボットを前に、小さく感動の声を漏らしていた。
そういえば、お掃除ロボットを生で見たのは初めてかもしれない。
お掃除ロボットって値段が高い割には隅の方を掃除できなかったり、段差で転んだり、物と物の間を掃除できなかったりするイメージがある。
だから、家電量販店に行っても見に行ったことはなかった。
俺の中でのお掃除ロボットって、動画の中で猫が乗っているイメージしかないんだよなぁ。
「それじゃああ、仕様変更をしてみるか」
俺はそう言って、片膝を立ててお掃除ロボットに優しく触れる。すると、以前にアリスの使用変更をした時と同じウインドウが何もない所に表示された。
『仕様変更しますか? Yes/No』
俺はそのまま『Yes』を選択しようとして、ピタッと指を止める。
「アリス。この仕様変更って、何がどう変わるか分かったりしないのか?」
俺が以前に仕様変更をしたとき、アリスは女の子の姿になった。
あの時のことを考えると、これからお掃除ロボットがどんな姿に変わるのか事前に知っておきたい。
「旦那様の理想に近づく感じですね。お掃除ロボットに何を期待するかです」
「お掃除ロボットに期待するもの、か……なんだろ?」
俺は頭の中で理想のお掃除ロボットをイメージする。
隅々までどんなものでも掃除ができて、猫とかが乗っても移動できる奴かな? あ、そのままお掃除ロボットに乗って空とか飛んだら面白いかも。
俺はそんな冗談みたいなことを考えてから、仕様変更の画面の『Yes』の部分に触れる。
すると、突然お掃除ロボットが光り出した。そして、ぽんっと出た白い煙がお掃除ロボットを覆った。
「さて、どんな仕様変更になるのかな?」
俺がワクワクしながら待っていると、白い煙の中から何がヌッと出てきた。
「「あれ?」」
そして、煙の中からから出てきた物を見た俺たちは、そんな言葉尾を漏らしたのだった。
「そうだなぁ」
ペッハー君だったアリスが人間の姿になったということもあり、俺たちは改めてここにある家電がどんな仕様変更ができるのか確かめに行くことにした。
時間はあるわけだから、一階から順番に見ていくのがいい気がするが、気になるところがあったらいきなりそこに行ってみてもいいかもしれない。
俺はそんなことを考えながらフロアマップをじっと眺めていた。
しかし、どうしても気になってしまうことがあって、俺は後方をちらっと見る。
「……とりあえず、少し離れてみようか」
「?」
「いや、別に難しいことは言ってないでしょ」
アリスはきょとんと首を傾げながら、俺にぴったりと体を密着させて、後ろから抱きついていた。
さすがに今の俺が子どもの姿とは言え、双丘の感触を前にすれば少し気恥しもなる。
アリスはそんな俺の考えなど気にする素振りも見せず、当たり前のような顔で続ける。
「旦那様が人恋しくならないようにしているのですが、ダメでしたか?」
「別に、ダメという訳じゃないけど。い、今は他の家電を見に行くんだろ。時と場合を考えるべきだと言っているんだって」
アリスに人恋しさを感じていたことを告げてしまっただけに、俺はあまりアリスに強く言えずにいた。
それに、アリスはペッハー君だったときからボディタッチが多かった気かする。だから、急に女の子の姿になったから接触を控えるようにというのは違う気がした。
俺が再びアリスの方に振り返ったときには、アリスはいつもと変わらない表情をしていた。
「旦那様。それで、どこか気になるところはありました?」
「あっ、そうだったな。どうするか……それじゃあ、お掃除ロボットなんかどうかな?」
「お掃除ロボットですか。それなら、一つ上のフロアですね」
アリスがここまで変わったわけだし、お掃除ロボットとかも凄い仕様変更ができるかもしれない。
さすがに、お掃除ロボットが女の子になるとまでは思わないけど、面白い進化をしてくれる気がする。
俺は密かにそんな期待をして、アリスに案内されてエスカレーターを上ってお掃除ロボットの売り場へと向かった。
「おお、これがお掃除ロボット」
ウィーン、ウィーン。
俺は前の前で動く白色のお掃除ロボットを前に、小さく感動の声を漏らしていた。
そういえば、お掃除ロボットを生で見たのは初めてかもしれない。
お掃除ロボットって値段が高い割には隅の方を掃除できなかったり、段差で転んだり、物と物の間を掃除できなかったりするイメージがある。
だから、家電量販店に行っても見に行ったことはなかった。
俺の中でのお掃除ロボットって、動画の中で猫が乗っているイメージしかないんだよなぁ。
「それじゃああ、仕様変更をしてみるか」
俺はそう言って、片膝を立ててお掃除ロボットに優しく触れる。すると、以前にアリスの使用変更をした時と同じウインドウが何もない所に表示された。
『仕様変更しますか? Yes/No』
俺はそのまま『Yes』を選択しようとして、ピタッと指を止める。
「アリス。この仕様変更って、何がどう変わるか分かったりしないのか?」
俺が以前に仕様変更をしたとき、アリスは女の子の姿になった。
あの時のことを考えると、これからお掃除ロボットがどんな姿に変わるのか事前に知っておきたい。
「旦那様の理想に近づく感じですね。お掃除ロボットに何を期待するかです」
「お掃除ロボットに期待するもの、か……なんだろ?」
俺は頭の中で理想のお掃除ロボットをイメージする。
隅々までどんなものでも掃除ができて、猫とかが乗っても移動できる奴かな? あ、そのままお掃除ロボットに乗って空とか飛んだら面白いかも。
俺はそんな冗談みたいなことを考えてから、仕様変更の画面の『Yes』の部分に触れる。
すると、突然お掃除ロボットが光り出した。そして、ぽんっと出た白い煙がお掃除ロボットを覆った。
「さて、どんな仕様変更になるのかな?」
俺がワクワクしながら待っていると、白い煙の中から何がヌッと出てきた。
「「あれ?」」
そして、煙の中からから出てきた物を見た俺たちは、そんな言葉尾を漏らしたのだった。
50
あなたにおすすめの小説
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
婚約者を奪った妹と縁を切ったので、家から離れ“辺境領”を継ぎました。 すると勇者一行までついてきたので、領地が最強になったようです
藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。
家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。
その“褒賞”として押しつけられたのは――
魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。
けれど私は、絶望しなかった。
むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。
そして、予想外の出来事が起きる。
――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。
「君をひとりで行かせるわけがない」
そう言って微笑む勇者レオン。
村を守るため剣を抜く騎士。
魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。
物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。
彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。
気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き――
いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。
もう、誰にも振り回されない。
ここが私の新しい居場所。
そして、隣には――かつての仲間たちがいる。
捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。
これは、そんな私の第二の人生の物語。
私は愛する人と結婚できなくなったのに、あなたが結婚できると思うの?
あんど もあ
ファンタジー
妹の画策で、第一王子との婚約を解消することになったレイア。
理由は姉への嫌がらせだとしても、妹は王子の結婚を妨害したのだ。
レイアは妹への処罰を伝える。
「あなたも婚約解消しなさい」
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さくら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる