【R18】うさぎのオメガは銀狼のアルファの腕の中

夕日(夕日凪)

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花屋のうさぎとその友人4

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「は? 占いで『レイラの花屋で花を買え』って出たから、リオネル様のところに花を配達することに? なんか妙なことになってたんだねぇ」

 僕の話のさわりを聞いて、ロランは眉間に皺を寄せる。
 ……そうだよね、ものすごく妙な話だよね。お貴族様の考えることはやっぱり理解が難しい。
 だけど『占い』で国政の重要な選択を決める国もあるというのも聞いたことがあるし、そういう文化もあるのだろう。

「そうなんだよね。リオネル様がそういうのを信じるタイプなのはびっくりしたなぁ」
「うーん、そうは見えないけどね。それで?」
「リオネル様は、その。う、うさぎフェチみたいで……」

 僕が話せば話すほど、ロランの大きな目はまん丸になっていく。そして発情期が急に起きて騎士宿舎で狐族に襲われ、リオネル様にご処理をして頂いたことを話したところで――

「レイラ、ちょっと待って。俺のキャパシティに限界が……」

 頭痛を堪えるように額に手を当てたロランから、一旦ストップがかかった。

「あ、うん。わかった」

 ロランはなんとも言えない表情で腕組みをすると、少し考える様子を見せてから口を開いた。

「別にそれ、リオネル様が処理をする必要なかったよね? 薬を飲ませて放置するだけでも、悪いと翌日まではかかったかもしれないけど発散はできただろうし」

 たしかにそうしても発情は収まっただろう。時間はかなりかかるけれど。
『他人』が介在することで発情の霧散は早くなる。けれど一人で処理ができないわけではないのだ。

「それは発情中のオメガが宿舎に居たら迷惑だから、かな?」
「そうだとしても……娼婦を呼んで発散させれば済む話だったよね」

 目から鱗だ。娼婦、か。考えてもみなかったな。
 そんな形で童貞を失ったら、僕はたぶんさめざめと泣いていたけれど。
 はじめては――好きな人としたいのだ。夢を見すぎなのはわかっている。

「ベータの団員で厳重に警備するって手もあっただろうし。宿舎の全員がアルファってわけでもないんでしょ?」
「言われてみれば……」

 騎士団にはベータの団員も当然いる。彼らはオメガの発情に引きずられないので、警備をするのにはうってつけだ。

「じゃあどうして……」
「……ただリオネル様が触りたかっただけなんじゃないの? レイラに。だって正気の時に、馬車でも触られたんでしょ?」

 ロランの言葉に僕の目は丸くなった。

「それはうさぎフェチが高じて……?」
「その可能性もまぁ、否めないけど。でも今までリオネル様が、うさぎ族を侍らせてるっていう噂はないんだ。それどころか、誰々と付き合ってるって噂も一切なかったし。婚約者もいらっしゃらないよね?」
「ロラン、詳しいね」
「皆それくらい知ってるよ」

 ……リオネル様の『私的なこと』は、ずいぶんと噂になってるんだな。
 常に称賛を受ける美男のアルファは羨ましいけれど……私生活を観賞物にされる生活は大変そうだと思ってしまった。

「だからさ、リオネル様は本気なんじゃないの?」
「……本気?」
「レイラを本気で気に入ってて、愛人や妻にしたいって可能性があるんじゃないかって話」

 ロランはそう言うと、ケーキの苺をがぶりと口にする。
 あまりに現実感の無いロランの言葉に、僕は首とかくりとぎこちなく傾げた。
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