うんきょ

salmon mama

文字の大きさ
上 下
1 / 1

うんきょ

しおりを挟む
 ぶ

 ぶりぶりぶり

 右京君はトイレの個室に入っています。

 ぶりぶりぶり

「ヤー!!ヤー!!右京君がうんこしているぞ。右京君がうんこしているぞ。」

 隆くんが右京君を揶揄っています。愚かですね。残念ですね。かっこ悪いですね。頭が悪いですね。

 ぶりぶり、ぶりぶり

 ぶりぶり、ぶりぶり

 ふきふき、ふきふき

 ふきふき、ふきふき

 ジャーーーーーー!!

 満を持して、右京君が出てきました。

「満を持して、出てきました。」

 右京君がいいました。余程スッキリしたのでしょうね。素敵ですね。堂々としていますね。健康的ですね。かっこいいですね。

「ヤー!ヤー!右京君、学校でうんこをしていましたね。学校でうんこをしていましたね。」

 隆くんはここぞとばかりに揶揄います。本当に愚かですね。どうして、生きているのでしょうね。地獄に落ちるのでしょうね。視界に入れたくないですね。

「いいえ、私はうんきょをしていました。」

 ん、右京君が言いました。うんきょをしていたと言いました。ということはうんきょをしていたのですね。かっこいいですね。流石ですね。イケメンですね。

「本当ですか?うんきょをしていたのですか?」

 隆くんが尋ねます。こればかりはもっともな疑問ですね。本当なのでしょうか?本当にうんきょをしていたのでしょうか?私もちょっと全面的に信じることはできない。

「本当にうんきょをしていました。」

 右京君が答えます。本当にうんきょをしていたのですね。これは驚きですね。右京君が本当にしていたというのだから、していたのでしょうね。驚きですね。びっくりですね。

「本当かなあ。本当にうんきょをしていたのかなあ。」

 隆くんはいまだに疑っています。隆くんらしいですね。ねちっこいですね。まあ、でも気持ちは分からなくもないですね。本当なのでしょうか。本当に右京君はうんきょをしていたのでしょうか?

「先生に聞きに行きますよ。いいですか?」

 隆くんは遂に先生に聞きに行くことにしました。なんということでしょう。職員室に行くのでしょう。不思議な決断力ですね。サボテンですね。

「いいですよ。先生に聞いてみましょう。担任の里子先生に聞いてみましょう。」

 右京君も応じました。かっこいいですね。男らしいですね。ついて行きたくなりますね。理想の男性像ですね。

 トントン、失礼します。里子先生に用事があってきました。

 トコトコトコトコ

「あら、どうしたの。隆くんと右京君。」

 里子先生は問いかけました。何があったのか、不思議そうです。普通、一人で来るものですものね。おほんおほん。

「あの、右京君がトイレでうんきょをしていたと言っていましたが、本当ですか?」

 隆くんが単刀直入に聞きました。素敵ですね。こういう時の隆くんは素敵です。惚れ惚れしてしまいますね。ほんとほんと。

「本当です。先程右京君はうんきょしていました。」

 里子先生も単刀直入に答えます。すごいですね。きっとこの世の全てを知り尽くしているのでしょうね。参ってしまいます。恐ろしさすら感じますね。

「ただね右京君。学校でうんきょをしてはいけません!!」

 ズガーーーーーーン!!!

 右京、ショーック!!

 完
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...