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彦星きゅんきゅん

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 七月七日、雨。これでは織姫に会えないじゃないか。空のやつ、ふざけやがって。彦星は怒っていた。空を宇宙裁判所に訴えよう。彦星は宇宙裁判所へ行った。

 宇宙裁判所、流石、宇宙裁判所というだけある。門を抜けると裁判所の建物まで真っ直ぐ一本道が続いている。何で出来ているのか分からないが、その脇には銀色の柱がどしんどしんと建っている。

「空が雨を降らせている。織姫に会えない。ひどいじゃないか。裁判長、空を呼んできて裁判を開いてくれ。」

「そんなこと言われても、空は空だからね。呼んでくることなんてできないよ。悪いね。」

「そんなあ。」

 彦星はがっかりしました。

「あ、そういえば同じようなことを言ってきた奴がいたなあ。確か、織姫とか言ったかな。」

「えっ、織姫も同じことを!」

 彦星はきゅんとしました。会えなくても、心は繋がっているんだと。

『いつまでも織姫と心が繋がっていられますように。』

 彦星は短冊に書きました。

 キュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュン!!

 でもさ、二人とも裁判所に来れるならさ、裁判所で出会えるはずだよね。変なの。キュンキュンキュンキュン。

 完
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