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ミミミー

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 海の中、赤小魚がたくさん泳いでいる。みんな、仲が良さそう。しかしよくみると隅っこに黒小魚が一匹。一匹だけ色が違うから馴染めていないようだ。便宜上ミミミーと呼ぶこととする。

 ある夜、事件が。大きな魚、ビッグウオが襲ってきたのだ。小魚たちはなすすべなく、半分以上が食べられてしまった。運良くミミミーは岩の陰にいたので助かっていた。

 きっとまたいつかビッグウオが襲ってくるぞ。どうしよう。

「みんなでまとまって、魚の形を作るんだ。一匹の大きな魚のようになって追っ払うんだ。」

 ある赤小魚が言った。そうだ!それがいい!みんな同意した。

「しかし、これにはミミミーの協力が不可欠だ。ミミミー、協力してくれるかい?」

 ミミミーは喜んだ。自分が必要とされている。協力することにした。しかし、ここで赤小魚とミミミー間に認識の違いが生じていた。赤小魚側はミミミーに目の役をしてもらおうと思っていたのに、ミミミーはうんこの役をすると思っていたのだ。

 次の日。

 大変だー!ビッグウオがきたよー!

 監視役の赤小魚がみんなのところへきていった。さあ、みんなで集まってビッグウオより大きい魚のふりをするんだ。ほれほれほれ、ほれほれほれ。

 ひゅひゅひゅひゅひゅーん

 赤小魚たちは抜群のチームワークでビッグウオの倍くらいはありそうな魚のシルエットを作った。目の位置にミミミーが来ればどっからどうみても魚だ。しかし、、、ミミミーはお尻の位置にいた。うんこの役を演じていたのだ。

 ダメだよミミミー、君は目の役をやるんだ。

 赤小魚がいった。

「嫌だい、そんな地味な役。僕はうんこが大好きだから、うんこの役をやってやるんだ。」

 ミミミーは動かない。仕方がないのでミミミーの位置を目にするようにこっちが移動してやろう。赤小魚たちはうんこ役をやっているミミミーの位置が目になるように魚のシルエットを作り直した。

 グオオーーーン

「な、なんて事するんだ!俺はうんこの役をやるんだーい!」

 シュピピピー

 ミミミーは新しく作られたシルエットのお尻の位置に移動した。

 くそ、ミミミーめ!赤小魚たちは再びシルエットを作り直し、ミミミーはまたお尻の位置に、そんなことを永遠と繰り返した。

 それをみたビッグウオ。なんだあいつら、みんなで集まってわけわからない動きをしているぞ。もしかしたら毒にやられたのかもしれない。食べないでおこう。

 ビッグウオは帰っていった。


 めでたし、めでたし。

 完


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