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第1章 追放

11話

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「なにをしやがる!?」

「やめておけ。ギーにはカルヴノとミロを護衛につけた。イーストポートまで無事にたどり着けるようにな。それでもいいなら、手を出しても構わんが」

 どうする? という無言の圧力に、

「クソがッ!」

 デイモスが地団駄を踏む。

「……フン」

「……っ」

 賢者と聖王女が口をつぐんだ。
 続けてペトラディが質問する。

「なあ、ククナリ。本当にいいのか? アルクリウスとよく似たギーを追放して。それどころか命を奪おうだなんて」

「……ははは、だからじゃないですか。どうしてアルク様が死んで、どうしてアルク様の偽物のギーさんみたいな平民だけが生き残ってるんですかっ? アルク様じゃない。――ギーが死ねばよかったのにッ!?」
「……そうか」

 ククナリの激しい剣幕に、ペトラディは黙りこむことしか出来なかった。
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