いいなずけ制度

山田ランチ

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2ー5 押しが強い留学生

 高身長の対照的な男子生徒二人はぐるりと教室内を見渡してから、少し若い方が一歩前に出た。

「皇子っていっても十三番目だし、皆気負わずに仲良くしてくれ! こいつは俺の従者だが一緒に学園に通う事になった。年は上だがおじさんなんて呼ぶなよ」
「……ダフィンと申します。宜しくお願い致します」

 明快な挨拶をしたのはリヒャルドが話していたジルヴェスタ・ルル・アスカリーだった。アーベントシュトラール帝国は海を渡った南西にある広大な土地を持つ大帝国だった。
 二人共この国では見かけない褐色の肌に、背も群を抜いて高く、同じ年とは思えないくらいに大人びていた。大きな目は金色に輝き、まるで野生の肉食動物のような獰猛ささえ垣間見える容姿をしていた。銀色の長い髪を後ろに結んだジルベスタと、同じく銀色の短髪のダフィン。容姿は似ているのに気配はまるで太陽と月のように対象的だった。

「席はそうだね……」

 先生が決める前にジルベスタは大股で進んでいくとテアの後ろに座った。その横にダフィンが座る。テアと、主にカレイアの後ろはリヒャルドが嫉妬するからと生徒達が避けて空けていた場所だった。

「俺ここがいい! やっぱり美人の側はやる気が出るよな! しかもなんか良い匂いがするし、なぁダフィン?」

 しかしダフィンは無視を決め込んでいるようだった。本当に対象的だと思い後ろを見ると、大きな瞳と目が合う。ニコッと笑みを向けられとっさに愛想笑いをすると、ジルベスタは嬉しそうに肩を抱いてきた。

「お前テアに何するんだ!」

 カレイアが立ち上がっても座っているジルヴェスタとあまり視線が変わらない。その事にカレイアは更に苛立ちが募ったようだった。

「テアちゃんっていうんだ! かっわいいなぁ! 恋人はいるの?」 

 その時、アベルがガタリと椅子を動かしたのが視界の端に映った。

「あなたには関係ありません。授業が始まるのでお静かにして下さい、ジルベスタ殿下」
「ジルでいいってば! ジルって呼んでよ。ねえジルって呼んで?」

 見た目はかなり男らしいというのに、話し出すと人懐っこい表情にテアは仕方なく名前を呼んだ。

「お静かにお願いします、ジル殿下」
「殿下はいらないんだよなぁ」

 不貞腐れたような声が後ろでしたがもう返事はしなかった。


「それで気に入られたって訳か」
「気に入られたというか、からかわれているというか。今は目立ちたくない時ですしなんだか面倒な事になりました」

 ヘッセンの研究室にお昼を届けにきたついでにテアは午後をここで過ごす事にしていた。自分用の菓子も用意してきたのでお茶を入れていると、ヘッセンはヒョイッとクッキーをつまみ食いして通り過ぎていく。そしていつものサンドイッチを片手に地図を開いていた。

「そろそろ目星は付いたんですか?」

 テアも地図を挟んで椅子に座ると地図を覗き込んだ。地図の上にはバツが付いている箇所が幾つがある。

「聖女フリーデの縁の地から確かめてみてはいるがどこも違うんだよな。お前一体どこの土から出来たんだ?」

 机の上に置いていた人形をピンと跳ねると、人形はくたりと倒れた。

「クッキーちゃんに乱暴しないで下さい」
「乱暴って、ただちょっと押しただけだろ」
「この国を救うかもしれない人形なんですよ、もっと大切にするべきです。それに今日も“いつもの”とだけ浮き出ましたけど、もっと具体的に教えて欲しいです」
「そんな事言ったってその腹にどれだけ言葉が入ると思っているんだよ。せいぜい五文字くらいだろ!」

 テアは人形を掴むと大事そうに抱えた。

「そもそもどうやってお腹に字が浮かび上がるように書いているんです?」

 ずっと不思議だった。人形はこちらの手元にあるというのに、一体どうやったらこのお腹に字を掛けるというのか。するとヘッセンは机に字を書いた。

「どうも何も腹が減ってんのに面倒くさい事なんかするかよ。ここにこうだ」

 次は肉、という言葉が人形のお腹に浮かび上がる。

「……どういう仕組です?」
「さぁ?」
「真面目に考えて下さいよ!」

 勢いで眼鏡を外すと黒い目と目が至近距離で合った。

「ちょ、馬鹿! 返せ!」

 毟り取られた眼鏡を掛け直すと、残りのサンドイッチを勢いよく食べ始めた。

「もう私相手に変装しなくてもいいんじゃないですか? どうせここには誰も来ないんですから」
「用心に越したことないんでな」
「どれだけ自分の容姿に自信がおありなんですか」

 皮肉を込めて言ったつもりだったが、ヘッセンは食べ進めていた手を止めてしまった。

「……俺は王族なのにずっと勝手をさせてもらってきたんだ。だからなんとしても俺の代で王族の犠牲を食い止めたいんだ、絶対に。だから見た目だけで寄ってきた奴らの相手をしている暇はないし、注目も浴びたくないんだよ」
「すみません、何も知らないのに勝手な事を言いました」

 すると大きな手がどんと頭に乗ってきた。

「しおらしくなるな、調子が狂う。それでこの机だけど、書くのは別にいつも机って訳じゃないんだ。壁の時もあるし、寝転びながら床の時もある。どう思う?」
「……随分と怠慢に呼び付けていたんですね」
「そうじゃなくて人形との関係性だよ!」
「同じ素材なんじゃないです? 例えば同じ土とか? この家は独特の風合いですし、土壁かなと思っていましたけど。まさか机もだったなんて驚きですが先生のご趣味なのかと思っていました」

 立ち上がったヘッセンは急いで上着を取った。

「ここは昔から王家所有の建物だったんだ。城に戻ればこの家がどんな風にして出来たのか分かるかもしれない!」
「調べ物なら私も行きます! 二人の方が絶対に早く分かるはずです!」
「でも学生には外出禁止命令が出ているだろ。お前は間に合うなら授業に戻れ」
「でも私も何かしたいんです! 公爵三家の生まれで、“大地の澱”を集めてこの国を守っている気になっていました。でも本当に大変だったのは王家の皆様だったなんて、このままでは居てもたってもいられません!」
「それなら五日後にジルベスタ殿下を歓迎する舞踏会が行われるはずだからそれに出席しろ。その時に手伝わせてやる」

✳✳✳✳✳

 ジルヴェスタの側にはすぐに人が集まり、まるで太陽のように笑う明るく人物だった。十三番目の皇子というからにはさぞ疎まれて育ち、性格はひねくれているのかと思った事を許して欲しい。テアは内心ジルヴェスタに謝罪しながらすぐに出来た友人達と楽しそうに笑っているジルヴェスタをぼんやりと眺めていた。すると視線に気が付いたジルヴェスタがヒラヒラと手を振ってくる。とっさに振り返したが周囲の女子生徒達の顔は引き攣っているように見えた。

「ジル皇子と親密になったとしたら彼の国に嫁ぐって事よね?」
「テア……もしかしてあの軽薄そうな男に惹かれたんじゃないだろうな? 確かにアベルのような誠実そうな男が他の女を選ぶとは思わなかったが、あれは駄目だ。絶対に泣かされるから止めろ!」
「何馬鹿な事言っているのよ。私じゃなくて彼女達の話よ」

 するとカレイアはあぁと言って興味を失ったようだった。

「アーベントシュトラール帝国はそもそも一夫一妻制だぞ。だからどれだけ妻の座を望んでも狭き門って訳だ」
「意外ね。という事はジル皇子のお母様は十三人もお子をお産みになられたという事?」
「いいや、妻は一人だが後宮があるんだ。そこには何十人も愛人を囲っているらしい」

 言葉を失っているとカレイアは少し楽しそうに続けた。

「ごめん、からかった訳じゃないぞ? 愛人という立場は少し特殊で、王の子を産んでも好きに後宮を出る事が出来るらしいんだ。だから母親が誰というよりも、王の子というのに重きを置いているらしい。だから後宮には貴族に限らず色々な身分の女性が住んでいるみたいなんだ」
「随分詳しいのね。そんなにあの国に興味があったなんて驚きだわ」
「騎士たるもの周辺国の動向を知っておくのは当たり前の事だ」
「シュバルツ領と我が国は貿易もしておりますからね。いつも大変お世話になっております」

 そう言って後ろから現れたダフィンは後ろで手を組みながら真っ直ぐに頭を下げた。

「ダフィン! 抜け駆けするな!」

 ジルヴェスタが大股で近付いて来ると急に周辺が賑やかに変わるものだから驚いてしまう。ジルヴェスタが移動してしまい残念そうにする女子生徒達は、それでもこちらに参加する勇気はないようだった。

「花嫁候補達が悲しんでいますよ」
「あ、もちかしてヤキモチ焼いてくれている? そうだとしたらテアちゃんが一番なんだけどな。どう? 俺と一緒に国に帰らない?」

 その瞬間、聞こえていた女子生徒から小さな悲鳴が上がった。

「行く訳ないでしょう。というか頷かないと分かっていて言っていますよね?」
「やっぱり手強くていいよねぇ」

 どこかで絡んだ事のあるような話し方にテアは思わずカレイアに耳打ちをした。

「ジル皇子ってどこかリヒャに似ているわよね?」

 するとバンと机に手を着いたカレイアが立ち上がった。

「リヒャルドの方が何百倍も誠実で一途だ! こんな奴と一緒にするな!」
「アッハハ! こんな奴ってまさか俺の事? これでも一応国では大モテなんだけどな」
「それは本当です。こんなんでも一応大モテしておられますよ。十三番目という地位も丁度良いのかもしれません」

 十三番目という地位のどこがいいのだろう。王位継承権はなくきっと王族の中では何の発言権もないに等しいはずなのに。

「テアちゃん顔に出過ぎだって! ほら、自由に行きられるけれど王族っていう絶対に食いっぱぐれない立場じゃんか。だから公務に縛られず、でも身分は欲しいっている女性に大人気なんだよね」

 明るくそう言われれば言われる程痛々しく見えるのは何故だろう。不意に溢れてしまった言葉は取り消す事も出来なく、しっかりとジルヴェスタの耳に届いていた。

「それって凄く可哀想ね」
「は? なにそれ」
「ご、ごめんなさい! 気にしないで下さい」
「いやいやいや! 気になるって! 可哀想だなんて初めて言われたし」

 気まずさのあまり俯くと、ジルヴェスタは人懐っこい表情で覗き込んできた。

「俺、本気でテアちゃんに惚れたかも」
「それはごめんなさい」

 反射的に返した言葉に今度こそ失言だったと思った。しかしジルヴェスタはニカッと笑ってきた。

「なぁテアちゃんってたまにどこかに消えるけど、先生の手伝いをしているんだってな。えっらいなぁ! 俺なら絶対にサボっちゃうけど」
「それはあなただからですよ」

 すかさず返したダフィンに二人の仲の良さが伺える。ダフィンは四つ上の二十歳だそうで、見ていると従者というよりもジルベスタの兄のように見えてきていた。

「訳あって一年の間は先生のお手伝いをする事になっているんです」
「その訳も聞いちゃったんだよねぇ。元許婿を殴ったんだって? しかも今はテアちゃんはフリーだって聞きました! パチパチパチ」

 大きな手を叩きながら可愛らしい交換音を付けてくるジルベスタに思わず笑ってしまう。それに皆腫れ物に触るような話題だというのに、こんな風にはっきりと話題にされるともはや清々しくさえあった。

「それでお願いなんだけど、明日の舞踏会はエスコートしてくれよ」
「……エスコートしてくれですって?」

 聞き間違いかと思ったが、机に伏せると上目遣いをしてきた。

「この国のしきたりなんて知らないし、テアちゃんがそばにいてくれたら安心だなって思ったんだけど」
「そういう事でしたら他のご令嬢をご紹介致しましょうか? すみませんけど私はもうお相手の方がいるんです」
「やっぱりそうかぁ! テアちゃんくらい美人だと後が途切れる訳ないよな!」

 大声でそういって背伸びをすると、アベルの方を見てにやりと笑った。

「あれ元許婿だろ? まだテアちゃんの事気にしているみたいだけど?」
「でももう無関係ですから」

 テアはこれ以上の話題を避ける為に教室を出た。

「テア様! 少しお話させて頂けないでしょうか?」
「クラリッサさん……」

 まさか声を掛けてくると思わなかった相手に身構えると、クラリッサはガバっと頭を下げてきた。

「どういうつもり? 頭なんて下げないで頂戴」
「怒っていないんですか? 私の事……」

 怒るも何もそんな時期はもう過ぎてしまった。許嫁だってもう解消したと知っているはずだろうに、何故まだ関わろうとしてくるのか理解出来なかった。

「怒っていないわ。もうこれでいいかしら?」
「嘘です! 絶対に怒っているはずです。だって私がアベルを奪ったんですから!」
「奪ったという自覚はあったのね。でもあなた私にライバル宣言したじゃない。だからこうなって満足でしょう? 今更怒る事なんてないわ、あなたの勝ちよ」

 嫌味でも皮肉でもなんでもない。今は本当にそう思う事が出来ていた。

「テア様ったら意地悪です。どうせアベルに何か吹き込んだんですよね?」
「……何ですって?」
「そうじゃなきゃアベルが冷たくなるなんてありえないんです! 今では口も利いてくれなくて。絶対にテア様のお言葉に従っているはずなんです!」

 返す言葉もない。クラリッサの声に徐々に生徒が集まり始めてくる。

「悪いけれどもうこの件は終わった事なのよ。私はアベルに何も言っていないわ。二人の問題のようだからちゃんと話し合う事ね」
「待って下さい! まだ終わってません!」

 腕を引かれた瞬間、靴が滑って体が半回転してしまった。思わず手摺りを掴んだがその下は階段。落ちるのを覚悟で目を瞑ったが、後ろから物凄い勢いで抱き締められた。

「ッ馬鹿!」

 耳元で聞き慣れた声がする。振り返り乱れた髪の間から見えたのは焦った顔のヘッセンだった。

「先生……」

 そのまま勢いよく持ち上げられると階段から遠ざけられた。

「今のはどういう状況だ? 突き飛ばされたのか?」
「違います! テア様が勝手に!」
「テア、本当なのか?」
「……ただの事故ですから大事にしないで下さい」

 ヘッセンは苛立ったような息を吐くと胡乱な目で言った。

「もし事故だったとしても責任は問われるんだ。今度からはよく考えて行動するように。分かったら教室に戻れ」

 放心したまま教室に戻っていくクラリッサを眺めていると、後ろから腕が回ってくる。叫ぶ暇もないまま腰に上着を巻かれると抱き上げられた。

「ちょッ!? 先生!」
「怪我をしているかもしれないから医務室に連れて行く。落ちたくなかったら暴れるな」

 確かに足を揃えていないと大惨事になってしまう。それでも恥ずかしさの方が相まってヘッセンの肩に顔を埋めた。

「あんな先生いたかしら? でもちょっと格好良かったわよね?」
「分かるわ! 上着を脱がれたらとても良い体をされていたわよ」

 聞こえてくる声にテアはもう二度と顔を上げられなくなってしまう。

「いいんですか? 注目されていますよ」

 しかし女生徒達の歓声になど微塵も興味ないようにヘッセンはどんどん進んで行ってしまう。窓から廊下を覗いていたジルベスタは、楽しそうにふぅんと笑っていた。

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