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〈2章〉第11話 生まれてくる命
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「お嬢様! そのように歩かれては危ないですよ!」
エルザは支払いを済ませてお店から出ると、随分先へ進んでしまっていたカトリーヌの背中を追って走り出した。
カトリーヌの腹は妊娠八ヶ月目になり大分目立つようになってきていたが、つわりがあった頃よりもずっと快適に過ごす事が出来ていた。何よりお腹の中から感じる胎動はカトリーヌを確実に“母”へと変えていっていた。
ふと、足を止めたカトリーヌに追いついたエルザは、急に足を止めたカトリーヌの顔を覗き込んだ。
「いかがなさいました? お嬢様?」
不安そうなエルザの顔にカトリーヌは小さく微笑んだ。
「……しゃっくりしているわ」
「しゃっくり、ですか? 誰がです?」
そのまま視線はカトリーヌが触れているお腹に向いていく。そしてエルザは驚いたようにカトリーヌを見た。
「もしやお腹の中でですか?」
「そうよ。変な感じ」
カトリーヌはそっとお腹を撫でて目を閉じた。
「お嬢様ったらすっかりお母さんのお顔をしておられますよ」
「……本当に?」
「本当ですとも。でもまだまだ気を抜かないでくださいね! 無事に誕生するまで私は気が気ではありません!」
カトリーヌの腕を掴み、支えるようにして歩き出すエルザに寄り添いながらカトリーヌも歩き出した。
「そう言えば買えたの?」
するとエルザは得意そうに袋を持ち上げた。
「もちろんです! これでルイス坊っちゃまも喜びますね!」
「まだルイス坊っちゃまなんて呼んだら嫌がられるわよ。というか私の事も今だにお嬢様と呼ぶんだもの」
「いいんです! 私にはいつまで経ってもお嬢様に坊ちゃまなんですから」
「あなたがモンフォール家に来てから長いものね。エルザもそろそろ結婚を考える年でしょう?」
「私はいいんです。お嬢様方のそばにいるのが幸せなんですから」
貴族の結婚は早いが、平民女性の結婚も十八から二十二歳くらいには結婚している者も多いらしく、エルザはその適齢期を少し過ぎた二十三歳になろうとしていた。見た目も悪くないし侍女としても技量も申し分ない。それにエルザの良さは何よりその明るさにあった。エルザがいるだけで周りは明るくなるし、元気になれる。それなのに今だに結婚しないのは正直気になるところだった。
「そういえばカールは元気にしている?」
そう言ってちらりと盗み見るようにしエルザに視線を送ると、僅かに顔が強張った気がした。いつも笑顔のエルザの顔が曇るのはカールの話を出した時と決まっている。そう気がついたのは王都に来てからだった。ジェニーが事ある毎にカールの話ばかりをするものだから、モンフォール領を出てから会っていないというのに、カールを身近に感じるから不思議なものだ。
「どうでしょうか。私も連絡は取っていませんから」
「そうなの? でもきっと忙しいのよね。今モンフォール領はどうなっているのかしら」
「旦那様もほとんど屋敷には帰られないのでお身体が心配です」
父親は王都に来てからというもの、ベルトラン侯爵に紹介された仕事の他にモンフォール領復興の為、寝る間を惜しんで働く日々だった。最後に顔を見たのはいつだったかも思い出せない。エルザは時折着替えや近況報告の為に城へ行っているようで、父親の最近の様子もエルザから聞く事の方が多くなっていた。
「私達には私達に出来る事をするだけよね」
「そうですよ。奥様もようやく外出する機会が増えてきましたし、ルイス様も晴れて騎士団へ入団されました。後はお嬢様が元気なお子をご出産されるだけですね! 皆首を長くして……」
そうしてエルザははっと口を噤んだ。
「……申し訳ございません」
「大丈夫よ。気にしていないわ」
そういってカトリーヌは街の端に停めてあった馬車へと乗り込んだ。
アルベルトに妊娠したと手紙を出してからかなりの月日が過ぎようとしていた。手紙を書いている間はどんな返事が来るのか心配で仕方なかった。喜んでくれるだろうか、短く素っ気ない手紙が届いたらどうしようか、名前の事や子供に関する事を定期的に手紙に書いた方がいいだろうか。そんな事を考えて過ごし二週間が過ぎ、一ヶ月が過ぎ、三ヶ月が過ぎ……、ついにカトリーヌは返事が来る事を諦めた。
どんなに考えも全ては無意味で、アルベルトは手紙の返事をくれる事はなかった。
「少しお腹が減ったから、帰ったらそのお土産でお茶にしましょう」
「そうですね、そうしましょう! ルイス様が騎士団に入られてから奥様もすっかり退屈しているようですし、ジェニー様もお呼びして女子会ですね」
「でもルドルフがいるわよ?」
「そうですね、それでは……侍女の格好でもお願いしましょうか」
カトリーヌは想像してしまった妄想に吹き出しかけて口を閉じた。
モンフォール家での楽しいひとときを過ごし、カトリーヌとルドルフが屋敷に戻った時だった。玄関の方が騒がしいと思ったのも束の間、「ゆっくり来て下さい!」と言い残してルドルフは走り出していた。
遅れて玄関に辿り着いた瞬間、中から出てきたその姿にカトリーヌは息を止めた。アルベルトと同じ濃い青色の髪には少し白髪が交じっている。階段の上から見下ろしてくるその姿に、カトリーヌは思わずびくりと身体を縮こめてしまった。結婚式では何度か言葉を交わした記憶がある。でもそれはとても事務的で、顔もよく見る事が出来なかった。すらりとした身長に、少し痩けた頬。とっさに階段を降りてきたベルトラン当主を怖いと思ってしまい、身を横にずらした。
「お久し振りですお義父様」
「すぐに行くからそう固くなるな」
「そんな! ゆ、ゆっくりしていって下さい」
「我が家なのだから好きにするさ。まだ腹はあまり出ていないのだな」
「お腹はこんなものだと先生も仰っておりました」
「それならいいが、大事なベルトラン家の跡取りなのだから無理はしないでくれ」
「承知しております」
怖いと思いながらもそのまま通り過ぎていく背中をとっさに追いかけて声を掛けていた。
「あのッ! アルベルト様はご無事でしょうか。連絡がありませんので心配しておりました」
不意に呼び止めたせいで今度は見下げる格好になってしまう。見上げてきた無表情な顔に、カトリーヌは思わず腹を守るように抱えた。
「あれの事は気にせずに、お前は丈夫な子を産む事だけに集中すればよい。どうせ心配する程夫らしい事もしていないのだろう?」
「もちろんこの子の事を第一に考えております。大事な我が子ですから」
するとベルトラン侯爵は不思議そうに眉を潜めた。
「子の誕生というのは、そのように嬉しいものなのか?」
その時初めて自分が無意識に微笑んでいるのだと思った。
「皆がそうかは分かりませんが、私はこの子を授かったと聞いた時、不安もありましたが嬉しい気持ちになりました」
「愛していない男の子供でもか?」
義父に言われてしまえばどう答えるのが正解なのか分からない。それでも嘘だけは吐けないと思った。
「“私の子”です。私もモンフォールの者達も、この子を愛しています」
返事はなく、正解も質問の意図も全く分からなかった。緊張で心臓がバクバクとなるのを耐えていると、すぐに見送りに出ていたルドルフが戻ってきた。
「奥様? 大丈夫ですか?」
「平気よ。お義父様は何をしにいらしたのかしら」
するとルドルフは困ったように視線を下げた。
「たまに大旦那様の遺品を整理しにいらっしゃるのです」
「アルベルト様のお祖父様は結婚する前にお亡くなりになられたのよね。ご葬儀はお身内のみでされるからと出席は出来なかったけれど、時間を掛けてご自身で遺品整理だなんて、余程愛してらしたのね」
「……モンフォール家は本当に愛に溢れたご家族なのですね。ですが旦那様の遺品整理はそれとは少し違うとうに思います」
「お手伝いしようかしら? 幸い私は時間を持て余しているもの」
「埃っぽい場所はお体に障りますよ」
「……そうね。それに知らない者にあれこれ触られたくないでしょうしね」
「知らない者ではありませんが、奥様はまずお体を第一にお考え下さい」
「みんな二言目にはそればかりなんだから。それにしてもアルベルト様が心配だわ」
心の声が出てしまうと、ルドルフが驚いたように振り返ってきた。
「おそらくお忙しいだけで奥様の事は気にされていると思います」
「そうよね。この子の為にも私がしっかりしないと」
お腹の中でお腹が蹴られた感覚に、はっとして足を止めた。
「あなたもそう思うわよね」
もごもごと腹の中で動く感覚に微笑みながら、静かな屋敷の中を歩き出した。
エルザは支払いを済ませてお店から出ると、随分先へ進んでしまっていたカトリーヌの背中を追って走り出した。
カトリーヌの腹は妊娠八ヶ月目になり大分目立つようになってきていたが、つわりがあった頃よりもずっと快適に過ごす事が出来ていた。何よりお腹の中から感じる胎動はカトリーヌを確実に“母”へと変えていっていた。
ふと、足を止めたカトリーヌに追いついたエルザは、急に足を止めたカトリーヌの顔を覗き込んだ。
「いかがなさいました? お嬢様?」
不安そうなエルザの顔にカトリーヌは小さく微笑んだ。
「……しゃっくりしているわ」
「しゃっくり、ですか? 誰がです?」
そのまま視線はカトリーヌが触れているお腹に向いていく。そしてエルザは驚いたようにカトリーヌを見た。
「もしやお腹の中でですか?」
「そうよ。変な感じ」
カトリーヌはそっとお腹を撫でて目を閉じた。
「お嬢様ったらすっかりお母さんのお顔をしておられますよ」
「……本当に?」
「本当ですとも。でもまだまだ気を抜かないでくださいね! 無事に誕生するまで私は気が気ではありません!」
カトリーヌの腕を掴み、支えるようにして歩き出すエルザに寄り添いながらカトリーヌも歩き出した。
「そう言えば買えたの?」
するとエルザは得意そうに袋を持ち上げた。
「もちろんです! これでルイス坊っちゃまも喜びますね!」
「まだルイス坊っちゃまなんて呼んだら嫌がられるわよ。というか私の事も今だにお嬢様と呼ぶんだもの」
「いいんです! 私にはいつまで経ってもお嬢様に坊ちゃまなんですから」
「あなたがモンフォール家に来てから長いものね。エルザもそろそろ結婚を考える年でしょう?」
「私はいいんです。お嬢様方のそばにいるのが幸せなんですから」
貴族の結婚は早いが、平民女性の結婚も十八から二十二歳くらいには結婚している者も多いらしく、エルザはその適齢期を少し過ぎた二十三歳になろうとしていた。見た目も悪くないし侍女としても技量も申し分ない。それにエルザの良さは何よりその明るさにあった。エルザがいるだけで周りは明るくなるし、元気になれる。それなのに今だに結婚しないのは正直気になるところだった。
「そういえばカールは元気にしている?」
そう言ってちらりと盗み見るようにしエルザに視線を送ると、僅かに顔が強張った気がした。いつも笑顔のエルザの顔が曇るのはカールの話を出した時と決まっている。そう気がついたのは王都に来てからだった。ジェニーが事ある毎にカールの話ばかりをするものだから、モンフォール領を出てから会っていないというのに、カールを身近に感じるから不思議なものだ。
「どうでしょうか。私も連絡は取っていませんから」
「そうなの? でもきっと忙しいのよね。今モンフォール領はどうなっているのかしら」
「旦那様もほとんど屋敷には帰られないのでお身体が心配です」
父親は王都に来てからというもの、ベルトラン侯爵に紹介された仕事の他にモンフォール領復興の為、寝る間を惜しんで働く日々だった。最後に顔を見たのはいつだったかも思い出せない。エルザは時折着替えや近況報告の為に城へ行っているようで、父親の最近の様子もエルザから聞く事の方が多くなっていた。
「私達には私達に出来る事をするだけよね」
「そうですよ。奥様もようやく外出する機会が増えてきましたし、ルイス様も晴れて騎士団へ入団されました。後はお嬢様が元気なお子をご出産されるだけですね! 皆首を長くして……」
そうしてエルザははっと口を噤んだ。
「……申し訳ございません」
「大丈夫よ。気にしていないわ」
そういってカトリーヌは街の端に停めてあった馬車へと乗り込んだ。
アルベルトに妊娠したと手紙を出してからかなりの月日が過ぎようとしていた。手紙を書いている間はどんな返事が来るのか心配で仕方なかった。喜んでくれるだろうか、短く素っ気ない手紙が届いたらどうしようか、名前の事や子供に関する事を定期的に手紙に書いた方がいいだろうか。そんな事を考えて過ごし二週間が過ぎ、一ヶ月が過ぎ、三ヶ月が過ぎ……、ついにカトリーヌは返事が来る事を諦めた。
どんなに考えも全ては無意味で、アルベルトは手紙の返事をくれる事はなかった。
「少しお腹が減ったから、帰ったらそのお土産でお茶にしましょう」
「そうですね、そうしましょう! ルイス様が騎士団に入られてから奥様もすっかり退屈しているようですし、ジェニー様もお呼びして女子会ですね」
「でもルドルフがいるわよ?」
「そうですね、それでは……侍女の格好でもお願いしましょうか」
カトリーヌは想像してしまった妄想に吹き出しかけて口を閉じた。
モンフォール家での楽しいひとときを過ごし、カトリーヌとルドルフが屋敷に戻った時だった。玄関の方が騒がしいと思ったのも束の間、「ゆっくり来て下さい!」と言い残してルドルフは走り出していた。
遅れて玄関に辿り着いた瞬間、中から出てきたその姿にカトリーヌは息を止めた。アルベルトと同じ濃い青色の髪には少し白髪が交じっている。階段の上から見下ろしてくるその姿に、カトリーヌは思わずびくりと身体を縮こめてしまった。結婚式では何度か言葉を交わした記憶がある。でもそれはとても事務的で、顔もよく見る事が出来なかった。すらりとした身長に、少し痩けた頬。とっさに階段を降りてきたベルトラン当主を怖いと思ってしまい、身を横にずらした。
「お久し振りですお義父様」
「すぐに行くからそう固くなるな」
「そんな! ゆ、ゆっくりしていって下さい」
「我が家なのだから好きにするさ。まだ腹はあまり出ていないのだな」
「お腹はこんなものだと先生も仰っておりました」
「それならいいが、大事なベルトラン家の跡取りなのだから無理はしないでくれ」
「承知しております」
怖いと思いながらもそのまま通り過ぎていく背中をとっさに追いかけて声を掛けていた。
「あのッ! アルベルト様はご無事でしょうか。連絡がありませんので心配しておりました」
不意に呼び止めたせいで今度は見下げる格好になってしまう。見上げてきた無表情な顔に、カトリーヌは思わず腹を守るように抱えた。
「あれの事は気にせずに、お前は丈夫な子を産む事だけに集中すればよい。どうせ心配する程夫らしい事もしていないのだろう?」
「もちろんこの子の事を第一に考えております。大事な我が子ですから」
するとベルトラン侯爵は不思議そうに眉を潜めた。
「子の誕生というのは、そのように嬉しいものなのか?」
その時初めて自分が無意識に微笑んでいるのだと思った。
「皆がそうかは分かりませんが、私はこの子を授かったと聞いた時、不安もありましたが嬉しい気持ちになりました」
「愛していない男の子供でもか?」
義父に言われてしまえばどう答えるのが正解なのか分からない。それでも嘘だけは吐けないと思った。
「“私の子”です。私もモンフォールの者達も、この子を愛しています」
返事はなく、正解も質問の意図も全く分からなかった。緊張で心臓がバクバクとなるのを耐えていると、すぐに見送りに出ていたルドルフが戻ってきた。
「奥様? 大丈夫ですか?」
「平気よ。お義父様は何をしにいらしたのかしら」
するとルドルフは困ったように視線を下げた。
「たまに大旦那様の遺品を整理しにいらっしゃるのです」
「アルベルト様のお祖父様は結婚する前にお亡くなりになられたのよね。ご葬儀はお身内のみでされるからと出席は出来なかったけれど、時間を掛けてご自身で遺品整理だなんて、余程愛してらしたのね」
「……モンフォール家は本当に愛に溢れたご家族なのですね。ですが旦那様の遺品整理はそれとは少し違うとうに思います」
「お手伝いしようかしら? 幸い私は時間を持て余しているもの」
「埃っぽい場所はお体に障りますよ」
「……そうね。それに知らない者にあれこれ触られたくないでしょうしね」
「知らない者ではありませんが、奥様はまずお体を第一にお考え下さい」
「みんな二言目にはそればかりなんだから。それにしてもアルベルト様が心配だわ」
心の声が出てしまうと、ルドルフが驚いたように振り返ってきた。
「おそらくお忙しいだけで奥様の事は気にされていると思います」
「そうよね。この子の為にも私がしっかりしないと」
お腹の中でお腹が蹴られた感覚に、はっとして足を止めた。
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