雪野家小劇場 ~ 怪 ~ (※フリー台本兼物語)

雪野鈴竜(ユキノリンリュウ)

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第三章『タイトル未定』【21話~21話】

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※《》内は台詞ではなくその場の状況説明。
※一部ノンフィクション入ってます。


第21話【電話】フィクション

語り手「自分、“あ、生きたいんだなァ~”って実感したんだ。」
聞き手「何かあったの?」
語り手「まぁ、ね……。ちょっとさ、不運続きが続いて、初めはご飯やお菓子を食べたり、ゲームしたり人と通話したりして発散を試みたんだけど……ダメな時はダメでさ、帰宅後に畳の上でうつ伏せに寝てたら、マジで脱力して動けなくなってさ、その内……。」

語り手『…………“死にたい”……。《ぼんやりと考えながら》』

語り手「そう思うようになっていった。」
聞き手「あー……あるよね、そういう時。」
語り手「その時だった──ジリリリリン、ジリリリリン、電話の音が響いたの。」

語り手『……ッ』

語り手「起き上がろうとした途端──全身に鳥肌が立ち、嫌な予感がして固まった。本能で“これは出てはいけないやつだ”って。」
聞き手「うわうわうわ、」
語り手「その場にいられなくなって、逃げるように自室へ走って毛布にくるまった。ガタガタと震えながら電話の呼出音がなりやむまで待機してたんだけど……」
聞き手「だけど……?」
語り手「突然だった──ドスンッて自分の上に何かが降ってきた。そしてそれは……自分の体をドンドンドンドンッてやけくそに肩叩きするように殴ってきながら“落ーちーろ 落ーちーろ 落ーちーろ”って、言ってくるんだ。」
聞き手「うわ……」
語り手「……結局、親が帰って来るまで、電話音もそれも続いていた。…………迎えに来てたのかな? 危なかったなぁーって、後、まだ生きたいんだな自分って。」
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