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一章 英雄転生編
500年前の英雄、転生する
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エンスウェード王国郊外の別荘にて。
「ん、ふぁあ」
一人の少女が窓から差し込む光から避けるように寝返りをうつ。
《ここは─どこだ?》
彼女はエリス・ヴァールデン。グリスフォード学園の一年生で今は夏季休暇で別荘に滞在している。
しかし、彼女はもうエリス・ヴァールデンではない。
「私は死んだのでは?」
エリスがガバっと起き上がる。
ぶくぶく太った身体を見てさらに困惑が深まる。
「だ、誰の体だ?私は皆に看取られて死んだはずだが」
扉が開き、メイドが入ってくる。
「エリス様、朝食の準備が出来ました」
《メイド、それなりの家なのか》
エリスが頷く。
「いただこう」
「.....は、はいっ、すぐにお待ちします」
メイドが一瞬呆気に取られたように見えた。
「いや、両親と一緒にいただきたいのだが」
エリスがベッドから降りながらメイドに伝える。
「だ、旦那様ぁ~!」
その言葉を聴いたメイドは顔面蒼白になって部屋を出ていってしまった。
「お、おい!案内してくれ!」
エリスが慌てて重い体を引きずって追いかける。
⭐️⭐️⭐️
エリスの身体に転生したのは500年前に勃発した人魔戦争で活躍した英雄である。
彼女の活躍は凄まじく、人魔戦争はたった4年で人類側の完全勝利で幕を閉じた。
それからも度々訪れる世界の危機を退け、人々からは『五元素使いの英雄』と呼ばれていた。
そんな彼女も寿命を迎え、親しくしていた友人達に看取られて、大往生したはずだった。
しかし彼女は生きている。
誰のかもわからぬ体で知らぬ家の廊下を疾走している。
「おい、待つんだ!」
エリスがメイドに命じる。
「ひぇぇぇ~!」
メイドは相変わらず足を止めない。
「ちっ、こうなったら」
エリスの髪と瞳が黄緑色に変化する。
「『元素魔法、風来!』」
エリスの身体が風に包まれ、あっという間にメイドに迫る。
エリスがメイドに抱きつく。
「ふふ、捕まえた」
「エ、エリス様?」
メイドが困惑する。
⭐️⭐️⭐️
居間に奇妙な緊張感が漂っている。朝食の時間とは到底思えない。
「食べないのですか?父上、母上」
エリスの言葉に父親のガウス・ヴァールデンと母親のアベル・ヴァールデンがビクッと身体を震わせる。
「う、うむ、そうだな」
「そうね、温かいうちにいただきましょう。ほほ」
二人が朝食に手をつける。
《うちのぐーたら娘がどういう風の吹き回しか》
《人が変わったように大人しくなった、悪魔が憑いてて私たちを惑わそうとしている?》
《なんで怪しまれてるんだ?まあ、この身体の持ち主の性格との乖離はあるだろうが》
三者の思惑が交錯する。
「エリス」
ガウスが口を開く。
「なんでしょうか、父上」
「お前が授かった『神託』について何か覚えているか?」
「いいえ、その『神託』について一切知りません」
また居間に沈黙が漂う。
「君はエリス・ヴァールデンではないな?」
ガウスが立ち上がる。
「あなた」
アベルが心配そうな表情でガウスを見る。
「確かに」
エリスがそう言って立ち上がる。
「私はエリス・ヴァールデンではない」
その発言を受けた執事が懐からダガーを取り出す。
窓際にいたメイド二人も細身の片手剣を握る。
「別に父上や母上に危害を加えるつもりはない。というかこんな身体ではまともに戦えんしな」
エリスが腹をポンポン叩く。
「そんなの信じられるか!エリスを返して貰うぞ!」
ガウスの刻の声でメイドがエリスに切り掛かる。
「お嬢様の身体、返していただきます!」
エリスが必死で避ける。
「うわっ、メイドがこの剣捌き?どういう家なんだ?」
エリスは冷や汗をかく。
《元素魔法を使ってなんとか持ち堪えることができるか?なぜこんなにぶくぶく太っているんだ、この身体は!》
風の元素魔法を使ってメイドを牽制する。
「ぐっ!魔法?」
「ハッハー!馬脚を表したなぁ!うちの娘は魔法も使えない運動もできない出来損ないなのだー!....うん」
「自分の娘を悪くいう親がいますか!」
アベルがガウスを引っぱたく。
そこに神父が乱入してくる。
「聞きましたぞ、エリス嬢に悪魔がついたとな?」
「おお、ユリウス神父殿!これは心強い、悪魔に憑かれた娘をお助けください!」
「承知した!とーう!」
神父が飛び上がってエリスの前に躍り出る。
「くらえ、セイントアクア!」
ユリウスがエリスの顔に聖水をぶっかける。
「ぶへ」
エリスがプルプルと首を振る。
「あれ?何も起きない?」
ユリウスが困惑する。
「悪魔がついてたら煙がバーって出て断末魔が聞こえるはずなんですが」
ユリウスが首をかしげながらガウスの方を向いて弁明する。
「では悪魔憑きではないと?」
ガウスが唖然とする。
「仮に私が悪魔憑きだとしたら、わざわざ逃げずに皆殺しにしているだろう。そもそも悪魔なら憑く人間の性格、所作の全てを把握してあるはずだ。今の悪魔がどうだかは知らないが」
エリスが顔にかけられた聖水を袖で拭う。
「むう――」
ガウスが腕を組んで悩みだす。
「悪魔が憑いている可能性はかなり低いとは思います」
ユリウスがガウスに耳打ちする。
「ただ、ご油断召されるな。エリス嬢からはただならぬ気配を感じます」
「....わかった」
ガウスがエリスのほうを向く。
「エリス、お前は夏季休暇の間、森の中にある小屋で過ごしなさい。魔物もいないしよっぽどのことが無い限り死ぬこともないだろう。荷物をまとめて来なさい」
「ちょっとあなた!いくらなんでも」
アベルがガウスに食ってかかるが、ガウスは一蹴する。
「本人がエリスではないと言っているんだ。皆の安寧を脅かす可能性がある。なに、そのぶくぶく太った身体を引き締める良い機会だろう」
ガウスが執事に命を出す。
「小屋の鍵を」
「はっ」
執事が一礼して部屋を出ていく。
《まあ、家から叩き出されないだけマシか。この身体の人格が消滅している時点で何を言っても信じてもらえんだろうしな》
エリスがため息をつく。
こうしてエリスの身体に転生した英雄はヴァールデン家別荘から追い出されることとなった。
このあと必要最低限の荷物を持ってエリスは森の中の小屋へと移り住むのだった。
「ん、ふぁあ」
一人の少女が窓から差し込む光から避けるように寝返りをうつ。
《ここは─どこだ?》
彼女はエリス・ヴァールデン。グリスフォード学園の一年生で今は夏季休暇で別荘に滞在している。
しかし、彼女はもうエリス・ヴァールデンではない。
「私は死んだのでは?」
エリスがガバっと起き上がる。
ぶくぶく太った身体を見てさらに困惑が深まる。
「だ、誰の体だ?私は皆に看取られて死んだはずだが」
扉が開き、メイドが入ってくる。
「エリス様、朝食の準備が出来ました」
《メイド、それなりの家なのか》
エリスが頷く。
「いただこう」
「.....は、はいっ、すぐにお待ちします」
メイドが一瞬呆気に取られたように見えた。
「いや、両親と一緒にいただきたいのだが」
エリスがベッドから降りながらメイドに伝える。
「だ、旦那様ぁ~!」
その言葉を聴いたメイドは顔面蒼白になって部屋を出ていってしまった。
「お、おい!案内してくれ!」
エリスが慌てて重い体を引きずって追いかける。
⭐️⭐️⭐️
エリスの身体に転生したのは500年前に勃発した人魔戦争で活躍した英雄である。
彼女の活躍は凄まじく、人魔戦争はたった4年で人類側の完全勝利で幕を閉じた。
それからも度々訪れる世界の危機を退け、人々からは『五元素使いの英雄』と呼ばれていた。
そんな彼女も寿命を迎え、親しくしていた友人達に看取られて、大往生したはずだった。
しかし彼女は生きている。
誰のかもわからぬ体で知らぬ家の廊下を疾走している。
「おい、待つんだ!」
エリスがメイドに命じる。
「ひぇぇぇ~!」
メイドは相変わらず足を止めない。
「ちっ、こうなったら」
エリスの髪と瞳が黄緑色に変化する。
「『元素魔法、風来!』」
エリスの身体が風に包まれ、あっという間にメイドに迫る。
エリスがメイドに抱きつく。
「ふふ、捕まえた」
「エ、エリス様?」
メイドが困惑する。
⭐️⭐️⭐️
居間に奇妙な緊張感が漂っている。朝食の時間とは到底思えない。
「食べないのですか?父上、母上」
エリスの言葉に父親のガウス・ヴァールデンと母親のアベル・ヴァールデンがビクッと身体を震わせる。
「う、うむ、そうだな」
「そうね、温かいうちにいただきましょう。ほほ」
二人が朝食に手をつける。
《うちのぐーたら娘がどういう風の吹き回しか》
《人が変わったように大人しくなった、悪魔が憑いてて私たちを惑わそうとしている?》
《なんで怪しまれてるんだ?まあ、この身体の持ち主の性格との乖離はあるだろうが》
三者の思惑が交錯する。
「エリス」
ガウスが口を開く。
「なんでしょうか、父上」
「お前が授かった『神託』について何か覚えているか?」
「いいえ、その『神託』について一切知りません」
また居間に沈黙が漂う。
「君はエリス・ヴァールデンではないな?」
ガウスが立ち上がる。
「あなた」
アベルが心配そうな表情でガウスを見る。
「確かに」
エリスがそう言って立ち上がる。
「私はエリス・ヴァールデンではない」
その発言を受けた執事が懐からダガーを取り出す。
窓際にいたメイド二人も細身の片手剣を握る。
「別に父上や母上に危害を加えるつもりはない。というかこんな身体ではまともに戦えんしな」
エリスが腹をポンポン叩く。
「そんなの信じられるか!エリスを返して貰うぞ!」
ガウスの刻の声でメイドがエリスに切り掛かる。
「お嬢様の身体、返していただきます!」
エリスが必死で避ける。
「うわっ、メイドがこの剣捌き?どういう家なんだ?」
エリスは冷や汗をかく。
《元素魔法を使ってなんとか持ち堪えることができるか?なぜこんなにぶくぶく太っているんだ、この身体は!》
風の元素魔法を使ってメイドを牽制する。
「ぐっ!魔法?」
「ハッハー!馬脚を表したなぁ!うちの娘は魔法も使えない運動もできない出来損ないなのだー!....うん」
「自分の娘を悪くいう親がいますか!」
アベルがガウスを引っぱたく。
そこに神父が乱入してくる。
「聞きましたぞ、エリス嬢に悪魔がついたとな?」
「おお、ユリウス神父殿!これは心強い、悪魔に憑かれた娘をお助けください!」
「承知した!とーう!」
神父が飛び上がってエリスの前に躍り出る。
「くらえ、セイントアクア!」
ユリウスがエリスの顔に聖水をぶっかける。
「ぶへ」
エリスがプルプルと首を振る。
「あれ?何も起きない?」
ユリウスが困惑する。
「悪魔がついてたら煙がバーって出て断末魔が聞こえるはずなんですが」
ユリウスが首をかしげながらガウスの方を向いて弁明する。
「では悪魔憑きではないと?」
ガウスが唖然とする。
「仮に私が悪魔憑きだとしたら、わざわざ逃げずに皆殺しにしているだろう。そもそも悪魔なら憑く人間の性格、所作の全てを把握してあるはずだ。今の悪魔がどうだかは知らないが」
エリスが顔にかけられた聖水を袖で拭う。
「むう――」
ガウスが腕を組んで悩みだす。
「悪魔が憑いている可能性はかなり低いとは思います」
ユリウスがガウスに耳打ちする。
「ただ、ご油断召されるな。エリス嬢からはただならぬ気配を感じます」
「....わかった」
ガウスがエリスのほうを向く。
「エリス、お前は夏季休暇の間、森の中にある小屋で過ごしなさい。魔物もいないしよっぽどのことが無い限り死ぬこともないだろう。荷物をまとめて来なさい」
「ちょっとあなた!いくらなんでも」
アベルがガウスに食ってかかるが、ガウスは一蹴する。
「本人がエリスではないと言っているんだ。皆の安寧を脅かす可能性がある。なに、そのぶくぶく太った身体を引き締める良い機会だろう」
ガウスが執事に命を出す。
「小屋の鍵を」
「はっ」
執事が一礼して部屋を出ていく。
《まあ、家から叩き出されないだけマシか。この身体の人格が消滅している時点で何を言っても信じてもらえんだろうしな》
エリスがため息をつく。
こうしてエリスの身体に転生した英雄はヴァールデン家別荘から追い出されることとなった。
このあと必要最低限の荷物を持ってエリスは森の中の小屋へと移り住むのだった。
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