現実世界のカルマ ~『行為としての結果』が私の能力となる。転生しなかった代わりに神様から貰ったこの力でお助けマンを頑張ります~

行進12番

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第1章 本章

第31話 シティリアの初来日・後編

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 私たちは褪元さんに案内され、彼女? 彼? の家に向かおうとしている。
 否、していた。現在、襲撃を受けている。

 移動している最中に、何者かが襲ってきたのだ。人気の無い小道に入った途端コレである。褪元さんが狙われている。ということは、褪元さんが私たちをハメようとした? わけではなさそうだが……。思考を巡らせている時間は後に回そう。

 襲撃者は目視できるだけで5人。前方に3人、後方に2人。
 当然、鋭利な危なっかしいものを所持している。対する私たちは4人ではあるが、褪元さんを数には入れない。

 現実世界でも襲われることはあったし、異世界、彼の地でも戦闘経験は積んできた。昔の私なら、何もできず怯えていただろう。それなりに対応する術は身に着けてきているのだ。

 とはいえ、どうするか。まだ褪元さんが味方と決まったわけでは無いのだが、問答している暇がない。事情を聞き出すためにも今、彼女……、彼……? に死なれては困る。私は、マリに指示を出す。

「マリ! 褪元さんを守って!」

《了解です》

 自己の防衛を優先していた彼女が、褪元さんの援護に入る。前方の襲撃者たちは攻勢の手を緩める。

 と、思ったら後方の敵が7人に増えている――!

 私はシティリアをカバーするように戦闘態勢を整え、自身の能力を発動し、身体能力を強化する。

 後方の襲撃者たちが一斉に飛びかかってくる。が、焦らない。私は敵の攻撃をひとつひとつを捌いていく。この状況、一見、前後を挟まれた私たちは不利なように思える。しかし、それほど広くもなく、狭くもない小道という状況が幸いし、敵の攻撃はほぼ正面からしかこない。徒手ではあるが、何とか対応できる。

 私の後ろで控えていたシティリアが、余裕を持って魔法の詠唱を完了する。その雰囲気を察知し、私は入れ替わるようにシティリアと戦列を交代する。

 シティリアの手から放たれた魔法による複数の光弾が、直線状の襲撃者たちを捉える。

 被弾した襲撃者たちは、体を震わせながら、小さなうめき声と共に、その場へ倒れ伏す。

「痺れさせたわ。しばらくは動けないでしょう。今のうちよ」

 退路ができた。今ならば――。

「マリ! 褪元さんを連れて逃げるよ!」

 こくんと頷いたマリは褪元さんを肩に抱きかかえ、私たちとともに走り出す。

 褪元さんの悲鳴が木霊する。ちょっと可哀そうな気もしたがそんな事は言ってられない。

 その後ろから、当然の如く、襲撃者の3人が追ってくる。大通りまで出れば、襲撃者たちも諦めるだろうが……。念には念を入れて、私は目線でシティリアに「俺の任せろ」と送る。

 私は即座に体を反転させ、再び自身の能力、<<膂力りょりょくのカルマ>>を発動する。

 不意を突かれた襲撃者たちは、再び武器を構え、戦闘態勢を取る。

 私は素早く先頭の一人を捕まえ、その場で持ち上げ、残りの二人に叩き付けるようにその肉体を勢いよく投げ飛ばす。

 襲撃者たちは体を重ね合わせ、将棋倒しのように地面にうずくまった。

 体を返すように、私はその場から撤退する。

 ――。大通りに出て、襲撃された場所からは結構離れた……と、思う。

 シティリアがため息交じりに言う。

「全く、異世界に来てみても、こういう事に関しては私の世界とは変わらないわね」

 褪元さんも会話に混ざる。

「あ、あ、あの。助かりました。それと、下ろしていただけるとありがたいのですが……」

 褪元さん……。マリが肩に抱きかかえたままだった……。

「あー。マリ。下ろしてあげて」

 すとん。と地面に下ろされる。そんな褪元さんにシティリアが質問をする。

「褪元さん。あなた。なぜ狙われているのかしら?」
 
 困り顔になりながら褪元さんは答えた。

「ええ。それについてなんですが……。先ずは、落ち着ける場所へ行きませんか? 本来なら私の家が一番安全なのですが、移動中にまた襲撃されたら面倒なことになりそうなので、そうですね……。近くのファミリーレストラン等、如何でしょう。人目のある所なら彼らもおいそれと手出しできないはず。助けて頂いた恩もありますし、お礼も兼ねてお食事でも」

 ふむ。一理ある。ファミレスなら人目もあるし、丁度良いか。

 やれやれ。今度こそゆっくり話を聞けると良いのだが。
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