45 / 118
変化
2
テオバルドの報告を聞き終えたユリウスは、強引に仕事を片付けて、帰宅を果たした。
ユリウスが帰ってくる、ということをひと足先に屋敷へ戻っていたテオバルドから聞いていたのだろう。リヒトは玄関ホールのソファでユリウスを待っていた。
エミールは気をきかせて早々に自分の屋敷へと戻っていったらしい。
ドア前で控えている衛士が開けた扉から、ユリウスが中へ飛び込むと、リヒトがパッと立ち上がりこちらへと走り寄ってくるのが見えた。
危ない、と言いかけたユリウスだったが、リヒトの足取りは確かだった。
「ユーリ様っ!」
しがみついてくる華奢な体をユリウスは両腕で受け止め、しっかりと抱きしめる。
「ユーリ様、僕、僕、治りましたっ!」
弾んだ声で一生懸命に報告してくるリヒトがいとしくて、ユリウスの胸は甘苦しく締め付けられた。
可愛い可愛いリヒト。ユリウスのオメガ。
「良かった……リヒト、良かったね」
ほとんど口づけるように距離で耳朶へと唇を寄せて囁くと、リヒトが「わぁっ!」と叫び声をあげる。
耳が聞こえるようになってからというもの、リヒトはユリウスがこうして近くでなにかを言う度に真っ赤になってしまうのだが、その理由が、ユリウスの声を聞くと照れ臭いから(テオバルド談)、というのだから可愛らしい。
目が良くなったときも、ユリウスの顔を見るのも恥ずかしいと言っていたリヒトだ。
まだ僕の顔と声に慣れないのかぁ、とすこしおかしく思いながら、ユリウスはてのひらで彼の両頬を包んだ。
「リヒト、わかる? 僕の体温」
「う……ふぁい……ゆ、ユーリ様、お顔が近いです」
「近づけてるんだよ、僕のオメガ。もっとよく顔を見せて」
ユリウスがそう乞うと、リヒトが鼻筋にすこしのしわをつくって、困ったように微笑んだ。
リヒトの手が、ユリウスの手の甲に重なってくる。ユリウスよりも小さくて、やわらかなてのひらが控えめな仕草で甲を撫でた。
ほろり、と笑みをこぼして、リヒトの金色の瞳がこちらを見上げてくる。
「ゆぅりさま」
この子の、どこか覚束ない『ゆぅりさま』の言い方が、ユーリは好きだった。
触覚が戻っても舌の動かし方は変わっていないのか、これまでと同じ話し方でリヒトが言葉をつむぐ。
「ユーリ様の手が、一番あたたかいです」
「……一番?」
聞き捨てならないとばかりにユリウスは下まぶたをひくりと動かした。
それに気づいていないリヒトが、ユリウスの手の甲に手を重ねたままで、うふふと笑う。
「エミール様と、テオさんの手にも触らせてもらったんです。テオさんの手が一番冷たくて、ユーリ様が一番あったかいです」
ユリウスの斜め横で「ひぃっ」と悲鳴が聞こえた。
目だけを動かしてそちらを伺うと、廊下の隅で壁に貼り付いているテオバルドが見えた。
テオバルドの手が冷たかったというのは、恐らく彼がひどい緊張状態だったからだ。
リヒトに手を触らせてくれとお願いをされたテオバルド。もしも彼がそこでその申し出を拒否していたならば、リヒトはきっと傷ついただろう。リヒトをしょんぼりさせてしまえば、ユリウスの機嫌を損ねる。だがしかしリヒトの手を握る方を取っても、ユリウスの機嫌を損ねる。どちらにせよテオバルドに逃げ道はないのだ。
テオバルドなりにリヒトのためを思っての行動だったということは、怯え切った彼の表情から伝わってきた。だからこの件に関してのお咎めはなしでいい、とユリウスは思うが、しかし先ほどの報告に、リヒトの手を握ったという話がまったく入っていなかったため、テオバルドには後で正確な報告の仕方というものを叩きこんでやらなければならない。
それよりも気になるのが、「テオさん」呼びである。
いったいいつからリヒトはテオさんなどと呼ぶようになったのか。ユリウスはおのれの記憶を辿りながら、今後リヒトには、ユリウス以外の人間に軽々しく触れてはならないとしっかり言い聞かせておかないと……と考えた。
リヒトはユリウスの抱く嫉妬心にまったく気づいた様子もなく、無邪気にユリウスの方へと手を伸ばしてくる。
指先がユリウスの顎に触れた。
わぁ、と感動にも似た声を漏らしたリヒトが、今度はてのひら全体でユリウスの顔の輪郭を辿った。
「すごい。僕、ユーリ様に触ってます……」
あまりに可愛い感想に、ユリウスはくっくっと肩を揺すって笑ってしまう。
「これまでもずっと、きみは僕に触れてたよ、リヒト」
小柄な体をひょいと抱き上げると、リヒトの目線の方が高くなった。
「さぁリヒト、今日はお祝いだ。きみの皮膚感覚が戻ったお祝いだよ。あ、そういえば味覚はどうなんだろう。触覚が治ってから、もうなにか食べたかい?」
リヒトの頬にちゅっとキスを落として尋ねると、リヒトが首を横に振った。
まだなにも口にしていないということかと思ったが、そうではなかった。
触覚が正常に働くようになったリヒトは、エミールの提案で焼き菓子を食べてみたらしい。もしかしたら味覚も、と期待する気持ちがあったのだろう。味はわかりませんでした、と教えてくれる声にはかなしそうな色が溶けていた。
「大丈夫だよ、僕のオメガ。焦らなくていいんだ。一度に二つも感覚が戻ったら、きみはびっくりしすぎてまた眠ってしまうかもしれないからね」
一つずつがちょうどいいんだよ、と冗談めかした口調でユリウスが語りかけると、リヒトの眉間から愁いがほどけた。
ユリウスにしてみれば、五感のうち、三つも取り戻せたことが奇跡である。
催眠術にかかっていた期間がリヒトよりも短い、元ハーゼのあの子どもは、結局二つの感覚しかまだ戻っていないのだ。今後どうなるかはわからないし、ゲルトが献身的に世話をしているためユリウスは静観しているが、その彼と比べるとリヒトの回復は驚異的と言って差し支えなかった。
頑張ってるなぁ、とユリウスはいつも思う。
リヒトのこの華奢な体の中で、どれほど凄絶な戦いが繰り広げられているのだろう。
服薬をやめたいと思うことも多々あったはずだ。現に泣きながら「僕は治りますか」とユリウスにしがみついてきたことも、一度や二度じゃない。
それでもあきらめずに戦い続けたリヒトは、自分の手で奇跡を掴み寄せたのだ。
聴覚、視覚と、触覚。
それらを得たリヒトの笑顔は眩しく、ユリウスの胸はしずかな感動で満たされた。
しかし、ユリウスのオメガが触覚を取り戻したことで、思わぬ弊害が発生することとなる。
リヒトを抱っこして喜びを分かち合っていたユリウスに、護衛兼側近のロンバードが不躾にも割り込んできたのだ。
「ところでユリウス様、夕食のセッティングはどうするんですか?」
ユリウスはリヒトの肩越しに、半眼で視線を向ける。
「どう、というのは?」
男の質問の意味がわからず、胡乱な声で問いかけると、ロンバードが逞しい肩を軽く竦めた。
「お二人の席は別々にしていんでしょうかねって聞いてんですよ」
「はぁ?」
ユリウスの語尾が跳ねあがった。なにを言っているのだろうかこの男は。
「これまで通りでいい」
リヒトの触覚が戻ったことと、リヒトを膝に乗せて食事を食べさせてあげることはまた全然べつのことだ。なぜ席を分ける必要があるのか。
「なにも変わらないよ。ねぇ、リヒト。きみもいままで通りでいいよね」
腕の中のオメガに尋ねると、自分に訊かれるとは思っていなかったのか、リヒトは金の瞳を真ん丸にして、反射のようにこくりと頷いた。
ユリウスが帰ってくる、ということをひと足先に屋敷へ戻っていたテオバルドから聞いていたのだろう。リヒトは玄関ホールのソファでユリウスを待っていた。
エミールは気をきかせて早々に自分の屋敷へと戻っていったらしい。
ドア前で控えている衛士が開けた扉から、ユリウスが中へ飛び込むと、リヒトがパッと立ち上がりこちらへと走り寄ってくるのが見えた。
危ない、と言いかけたユリウスだったが、リヒトの足取りは確かだった。
「ユーリ様っ!」
しがみついてくる華奢な体をユリウスは両腕で受け止め、しっかりと抱きしめる。
「ユーリ様、僕、僕、治りましたっ!」
弾んだ声で一生懸命に報告してくるリヒトがいとしくて、ユリウスの胸は甘苦しく締め付けられた。
可愛い可愛いリヒト。ユリウスのオメガ。
「良かった……リヒト、良かったね」
ほとんど口づけるように距離で耳朶へと唇を寄せて囁くと、リヒトが「わぁっ!」と叫び声をあげる。
耳が聞こえるようになってからというもの、リヒトはユリウスがこうして近くでなにかを言う度に真っ赤になってしまうのだが、その理由が、ユリウスの声を聞くと照れ臭いから(テオバルド談)、というのだから可愛らしい。
目が良くなったときも、ユリウスの顔を見るのも恥ずかしいと言っていたリヒトだ。
まだ僕の顔と声に慣れないのかぁ、とすこしおかしく思いながら、ユリウスはてのひらで彼の両頬を包んだ。
「リヒト、わかる? 僕の体温」
「う……ふぁい……ゆ、ユーリ様、お顔が近いです」
「近づけてるんだよ、僕のオメガ。もっとよく顔を見せて」
ユリウスがそう乞うと、リヒトが鼻筋にすこしのしわをつくって、困ったように微笑んだ。
リヒトの手が、ユリウスの手の甲に重なってくる。ユリウスよりも小さくて、やわらかなてのひらが控えめな仕草で甲を撫でた。
ほろり、と笑みをこぼして、リヒトの金色の瞳がこちらを見上げてくる。
「ゆぅりさま」
この子の、どこか覚束ない『ゆぅりさま』の言い方が、ユーリは好きだった。
触覚が戻っても舌の動かし方は変わっていないのか、これまでと同じ話し方でリヒトが言葉をつむぐ。
「ユーリ様の手が、一番あたたかいです」
「……一番?」
聞き捨てならないとばかりにユリウスは下まぶたをひくりと動かした。
それに気づいていないリヒトが、ユリウスの手の甲に手を重ねたままで、うふふと笑う。
「エミール様と、テオさんの手にも触らせてもらったんです。テオさんの手が一番冷たくて、ユーリ様が一番あったかいです」
ユリウスの斜め横で「ひぃっ」と悲鳴が聞こえた。
目だけを動かしてそちらを伺うと、廊下の隅で壁に貼り付いているテオバルドが見えた。
テオバルドの手が冷たかったというのは、恐らく彼がひどい緊張状態だったからだ。
リヒトに手を触らせてくれとお願いをされたテオバルド。もしも彼がそこでその申し出を拒否していたならば、リヒトはきっと傷ついただろう。リヒトをしょんぼりさせてしまえば、ユリウスの機嫌を損ねる。だがしかしリヒトの手を握る方を取っても、ユリウスの機嫌を損ねる。どちらにせよテオバルドに逃げ道はないのだ。
テオバルドなりにリヒトのためを思っての行動だったということは、怯え切った彼の表情から伝わってきた。だからこの件に関してのお咎めはなしでいい、とユリウスは思うが、しかし先ほどの報告に、リヒトの手を握ったという話がまったく入っていなかったため、テオバルドには後で正確な報告の仕方というものを叩きこんでやらなければならない。
それよりも気になるのが、「テオさん」呼びである。
いったいいつからリヒトはテオさんなどと呼ぶようになったのか。ユリウスはおのれの記憶を辿りながら、今後リヒトには、ユリウス以外の人間に軽々しく触れてはならないとしっかり言い聞かせておかないと……と考えた。
リヒトはユリウスの抱く嫉妬心にまったく気づいた様子もなく、無邪気にユリウスの方へと手を伸ばしてくる。
指先がユリウスの顎に触れた。
わぁ、と感動にも似た声を漏らしたリヒトが、今度はてのひら全体でユリウスの顔の輪郭を辿った。
「すごい。僕、ユーリ様に触ってます……」
あまりに可愛い感想に、ユリウスはくっくっと肩を揺すって笑ってしまう。
「これまでもずっと、きみは僕に触れてたよ、リヒト」
小柄な体をひょいと抱き上げると、リヒトの目線の方が高くなった。
「さぁリヒト、今日はお祝いだ。きみの皮膚感覚が戻ったお祝いだよ。あ、そういえば味覚はどうなんだろう。触覚が治ってから、もうなにか食べたかい?」
リヒトの頬にちゅっとキスを落として尋ねると、リヒトが首を横に振った。
まだなにも口にしていないということかと思ったが、そうではなかった。
触覚が正常に働くようになったリヒトは、エミールの提案で焼き菓子を食べてみたらしい。もしかしたら味覚も、と期待する気持ちがあったのだろう。味はわかりませんでした、と教えてくれる声にはかなしそうな色が溶けていた。
「大丈夫だよ、僕のオメガ。焦らなくていいんだ。一度に二つも感覚が戻ったら、きみはびっくりしすぎてまた眠ってしまうかもしれないからね」
一つずつがちょうどいいんだよ、と冗談めかした口調でユリウスが語りかけると、リヒトの眉間から愁いがほどけた。
ユリウスにしてみれば、五感のうち、三つも取り戻せたことが奇跡である。
催眠術にかかっていた期間がリヒトよりも短い、元ハーゼのあの子どもは、結局二つの感覚しかまだ戻っていないのだ。今後どうなるかはわからないし、ゲルトが献身的に世話をしているためユリウスは静観しているが、その彼と比べるとリヒトの回復は驚異的と言って差し支えなかった。
頑張ってるなぁ、とユリウスはいつも思う。
リヒトのこの華奢な体の中で、どれほど凄絶な戦いが繰り広げられているのだろう。
服薬をやめたいと思うことも多々あったはずだ。現に泣きながら「僕は治りますか」とユリウスにしがみついてきたことも、一度や二度じゃない。
それでもあきらめずに戦い続けたリヒトは、自分の手で奇跡を掴み寄せたのだ。
聴覚、視覚と、触覚。
それらを得たリヒトの笑顔は眩しく、ユリウスの胸はしずかな感動で満たされた。
しかし、ユリウスのオメガが触覚を取り戻したことで、思わぬ弊害が発生することとなる。
リヒトを抱っこして喜びを分かち合っていたユリウスに、護衛兼側近のロンバードが不躾にも割り込んできたのだ。
「ところでユリウス様、夕食のセッティングはどうするんですか?」
ユリウスはリヒトの肩越しに、半眼で視線を向ける。
「どう、というのは?」
男の質問の意味がわからず、胡乱な声で問いかけると、ロンバードが逞しい肩を軽く竦めた。
「お二人の席は別々にしていんでしょうかねって聞いてんですよ」
「はぁ?」
ユリウスの語尾が跳ねあがった。なにを言っているのだろうかこの男は。
「これまで通りでいい」
リヒトの触覚が戻ったことと、リヒトを膝に乗せて食事を食べさせてあげることはまた全然べつのことだ。なぜ席を分ける必要があるのか。
「なにも変わらないよ。ねぇ、リヒト。きみもいままで通りでいいよね」
腕の中のオメガに尋ねると、自分に訊かれるとは思っていなかったのか、リヒトは金の瞳を真ん丸にして、反射のようにこくりと頷いた。
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~
水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
氷の支配者と偽りのベータ。過労で倒れたら冷徹上司(銀狼)に拾われ、極上の溺愛生活が始まりました。
水凪しおん
BL
※この作品には、性的描写の表現が含まれています。18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
オメガであることを隠し、メガバンクで身を粉にして働く、水瀬湊。
過労と理不尽な扱いで、心身ともに限界を迎えた夜、彼を救ったのは、冷徹で知られる超エリートα、橘蓮だった。
「君はもう、頑張らなくていい」
――それは、運命の番との出会い。
圧倒的な庇護と、独占欲に戸惑いながらも、湊の凍てついた心は、次第に溶かされていく。
理不尽な会社への華麗なる逆転劇と、極上に甘いオメガバース・オフィスラブ!
オメガだと隠して魔王討伐隊に入ったら、最強アルファ達に溺愛されています
水凪しおん
BL
前世は、どこにでもいる普通の大学生だった。車に轢かれ、次に目覚めた時、俺はミルクティー色の髪を持つ少年『サナ』として、剣と魔法の異世界にいた。
そこで知らされたのは、衝撃の事実。この世界には男女の他に『アルファ』『ベータ』『オメガ』という第二の性が存在し、俺はその中で最も希少で、男性でありながら子を宿すことができる『オメガ』だという。
アルファに守られ、番になるのが幸せ? そんな決められた道は歩きたくない。俺は、俺自身の力で生きていく。そう決意し、平凡な『ベータ』と身分を偽った俺の前に現れたのは、太陽のように眩しい聖騎士カイル。彼は俺のささやかな機転を「稀代の戦術眼」と絶賛し、半ば強引に魔王討伐隊へと引き入れた。
しかし、そこは最強のアルファたちの巣窟だった!
リーダーのカイルに加え、皮肉屋の天才魔法使いリアム、寡黙な獣人暗殺者ジン。三人の強烈なアルファフェロモンに日々当てられ、俺の身体は甘く疼き始める。
隠し通したい秘密と、抗いがたい本能。偽りのベータとして、俺はこの英雄たちの中で生き残れるのか?
これは運命に抗う一人のオメガが、本当の居場所と愛を見つけるまでの物語。
冷酷なアルファ(氷の将軍)に嫁いだオメガ、実はめちゃくちゃ愛されていた。
水凪しおん
BL
これは、愛を知らなかった二人が、本当の愛を見つけるまでの物語。
国のための「生贄」として、敵国の将軍に嫁いだオメガの王子、ユアン。
彼を待っていたのは、「氷の将軍」と恐れられるアルファ、クロヴィスとの心ない日々だった。
世継ぎを産むための「道具」として扱われ、絶望に暮れるユアン。
しかし、冷たい仮面の下に隠された、不器用な優しさと孤独な瞳。
孤独な夜にかけられた一枚の外套が、凍てついた心を少しずつ溶かし始める。
これは、政略結婚という偽りから始まった、運命の恋。
帝国に渦巻く陰謀に立ち向かう中で、二人は互いを守り、支え合う「共犯者」となる。
偽りの夫婦が、唯一無二の「番」になるまでの軌跡を、どうぞ見届けてください。