ソング・バッファー・オンライン〜新人アイドルの日常〜

古森きり

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コラボユニットライブ結果発表

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「さあ、さあ! 結果が出ますね――!」
 
 淳がモニターを見上げ、他のメンバーも心配そうにモニターを見上げた。
 次の瞬間、パッと数字が表示される。
 
『チームA 315票 対 103票 チームB』
 
 うおおおおおぉ! と、ステージ上からは野太い歓声とぎゃああ、うわあああぁ、という絶望の声。
 客席からも「きゃー!」と声が上がった。
 
「ヤダヤダヤダヤダ飲みたくない飲みたくない! 怖い怖い怖い!」
「マ、マジかぁ……マジかぁ……ひ、ひぃ……」
「マジで飲むの? マジで飲まなきゃダメ? マジで?」
「怖いんだけど……マジで怖いんだけどぉ……」
「それではチームBの皆さんに一気にイッていただきましょう! せーの! イッキ! イッキ! イッキ! イッキ!」
 
 淳がイッキコールを始めると、客席からも『イッキ、イッキ!』と声が上がる。
 心底嫌そうに、最初にセンブリ茶を飲んだのは魁星。
 途端に「ぎゅぉえええええぇ……!!」と崩れ落ちる。
 なんか聞いたことない悲鳴が上がった。
 芽黒もそれに続き、一気飲みして同じく「ぐええええっっっ」と崩れ落ちる。
 連続で崩れ落ちる魁星と芽黒を見て、他のメンバーが顔を青くした。
 しかし、そこに日守が「い、いくぞ!」と叫んで紙コップを傾ける。
 
「………………ッッッッ」
 
 某探偵のしわくちゃ電気ネズミモンスターみたいな顔になって膝から崩れ落ちた。
 からの「ゲホゲホゲホッ」と噎せる。
 飲んだ面々全員涙目。
 
「う、うわあ……うぇぉあ……ぉ、おぶふぅ……ごふっ、げぼっ」
「ゴフッ!」
「がっ……!」
 
 次々に沈むチームBメンバー。 
 最後の一人まで膝をついてから、チームAのメンバーがセンブリ茶の苦味に恐怖の表情を浮かべる。
 負けていれば、これを飲むのは自分たちだったのだから。
 
「俺はセンブリ茶美味しいと思うんだけどなぁ」
「!? じゅ、淳、飲んだことがあるのですか……!?」
「『決闘』で東雲学院アイドルが飲んでいるのを見てきたから、飲んでみたくなって。一袋飲み終わると苦味の中にある甘味が感じられるようになって、結構癖になるんだよ。お通じがよくなりすぎるから、別のお茶に混ぜて飲んだりしてたけど妹はそのまま飲んでたなぁ」
「「「………………」」」
「なんでそんな目で見るの~~~」
 
 チームBメンバーだけでなくチームAまでドン引きの表情。
 びっくりした顔をしているのは千景だけ。
 罰ゲームに使われる苦味つよつよのお茶を常飲している、なんてかなりのレアキャラとして見られるのは仕方ないだろう。 
 
「つまり、ジュンジュンはセンブリ茶耐性があるってこと!?」
「苦味は大丈夫だけど、効きすぎてお腹壊しちゃうんだよね。あ、そういうわけで女性にもオススメですよ、センブリ茶! 食物繊維たっぷり!」
「薦めるな薦めるな!」
 
 薦めちゃダメだったらしい。
 
「――それでは罰ゲームも終わりましたので、改めまして――勝利はチームA! 後日東雲学院芸能科公式ワイチューブチャンネルでチームAのMVを公開。来月から再来年の三月十日まで、チームAメンバーでの『Stars born』をサブスクで配信されます! 具体的な配信開始日時は、東雲学院芸能科公式ツブヤキッターでお知らせいたしますね! ぜひぜひ、ツブヤキッター及びワイチューブチャンネルのご登録よろしくお願いします!」
 
 客席から「はーい!」という声。
 コラボユニットはこれにて完結。
 まだMVの撮影や収録が必要になるけれど、無事に大成功と言っても差し支えないだろう。
 
「――以上、ここからは勇士隊二番隊、御上千景くんVS魔王軍三軍、日守風雅くんによる『下剋上』勝負を執り行いたいと思います! 興味のある方はぜひ残って、二人の勝負にご投票よろしくお願いします!」
 
 淳がそう言っている間に、スタッフが『下剋上』の準備を完了させる。
 チームメンバーは「俺たちは?」という顔をしていたので淳がすぐに「『下剋上』は滅多に見られないので、『Stars bornスターズ・ボーン』のメンバーは時間に余裕があったらぜひ観戦して行って~」と声をかけた。
 なんならすでに淳の手には『日守風雅』と『御上千景』のサイリウムと推しうちわ。
 
「そして俺が今持っているサイリウムは東雲学院芸能科オリジナルグッズですので、お帰りの際は物販を覗いてみてください~。常設で売ってるので~」
 
 と、ふりふり。
 千景も「ぼくも、今年の一年生の分、全員分、買いました……」と『音無淳』のサイリウムをどこからともなく出して振る。
 淳と千景がお互いのサイリウムを交差させ「「イェーイ」」と絡むと客席からまた「きゃーーー!」という歓声。
 アイドルが仲良しだと盛大に反応するお客さん。
 一応「強い衝撃には弱いので、サイリウムは優しく扱いましょう」とつけ加える淳。
 
「んで? どうやって勝負するって? 同じ曲を歌う、んだっけ?」
「はい。今回の課題曲は『Stars bornスターズ・ボーン』です。さっき歌ったばかりなので、お互い間違いなく歌えるでしょう?」
「な、なるほど……?」
「ダンスももちろん入れて大丈夫。ジャッジも先程と同じく客席の在校生、お客さん、配信をご覧のリスナーさんたちにしていただきます~。やり方は先程とまったく同じですので、気楽に参加してください~! では、先攻を決めましょう! 最初はグー!」
「え、じゃんけん!?」
「じゃんけんで先攻を決めるのも伝統だよ」

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