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望まぬ再会
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※芹香さん視点です。
「終わった~~~~!」
お礼状の最後の1通を書き終え、コトンと筆を置いた。
身体中に達成感がかけめぐる。
ぐぐっと伸びをし、そのまま首もゆっくり回した。
「あ~~~~」
「……おっさんが慰安旅行の温泉でくつろいでいるような声ですね」
後ろから聞こえてきた呆れたような声に、ばっと振り返った。
「加賀山さん!今呼びにいこうと思っていました」
「そうでしたか。丁度よかったです」
いつもと同じような淡々とした返事が返ってくる。けれどつい先日まであったとげとげしさはすっかりなくなり、友好的とまでは言えないけれど、少しは穏やかに接してくれるようになっていた。
(一体どうしたんだろ?この短期間に何があったんだ?)
きっちりオールバックにまとめていた髪もさらっと無造作に流してあり、近寄りがたさが緩和されているように思えた。
礼状を点検している加賀山さんをしげしげと観察していると、私の視線に気付いたのか彼が眉をしかめた。
「どうかしましたか」
「あ、いえすみません、加賀山さん、髪を下ろしたらずいぶん印象変わりますね。かわいいっていうかなんというか」
大人の男に「かわいい」は失礼だったかと口に手をやった。
てっきり怒り出すかと思った加賀山さんは予想に反して顔を少し赤らめ、はにかみそうになるのをおさえるように下唇を噛んだ。
「…………ありがとうございます」
「え?あ、あぁ、いえいえ……??」
「…………………………」
「わ、真っ赤。え、どうしたの?何があった??」
「……なんでもありません」
「????」
そっかそっか、私の言葉がきっかけで何か思い出したんだろうなぁ、と思うことにした。かわいいところあるじゃないか。
・・・
加賀山さんにお礼を言い、何かあったらまたいつでも駆けつける旨を伝え、お世話になった部屋を辞した。
最初は駐車場からこの部屋まで来るのがやっとだったけれども、ここ何日かで周りを見る余裕も出てきており、今日もまた探検気分でうろうろ歩き回っていた。
(ふふふ、ここの階段があそこのロビーに繋がってることも発見しちゃったもんねー)
たんたんたん、とリズミカルに降りていき、階段脇の自動販売機で飲み物を購入しているときだった。
「芹香?」
どこかで聞いたような、すごく聞き覚えのある声が鼓膜を揺らした。
「え?」
ここで、知らぬふりを通せばよかったのに。なぜ振り向いてしまったのか。自分を殴りたい。
「芹香じゃん。えー超久しぶりー!元気だった?」
振り向いた先にいたのは。
入院着で腕を三角巾でつっている────元・夫 雪丸晃だった。
・・・
「あ、えと」
舌がもつれる。義母と話していた私の悪口が頭をかけめぐり、身がすくんだ。
元夫の方は、離婚なんてなかったかのように、まるで、旧友と再会したときのように喜んでいるように見えるが、こっちはそうではなかった。
(────湊斗さんのことは、知られないようにしないと)
久しぶりの再会だというのに、一番最初に思ったことはこれだった。だって、彼は良い人間ではないから。自分の利益になると思えば食いついて離さない人間だから。
そんな人に湊斗さんが狙われるのは絶対に避けたかった。
テキトーに話しをして、この場をしのぎさえすればあとはなんとかなる。
ひきつった笑顔を貼り付け、会話を続けた。
「雪丸さん。お久しぶりです。ここ、一体どうしたんですか」
大袈裟に驚き自分の腕を触ってみせると、あぁこれ?と笑ってギブスをかざした。
「いやー赤信号で待ってたら居眠り運転の車が突っ込んできてさー。検査やらなんやらで入院してるのー。ま、ほんとは入院までしなくていいみたいなんだけど、この際だからもう休んじゃえみたいな」
「そうでしたか。あまり休まない人ですもんね。いい機会だからゆっくり休んでくださいねお大事に」
「ちょっと待てって」
足早に去ろうとした私の腕をとり、元夫がニコッと笑った。
「久しぶりだからさ、ちょっと話そーよ。あと雪丸さんだなんて他人行儀な呼び方しないでさ、前みたいにあきらでいいから」
「…………………………」
元夫を見据えた。私はずいぶん冷めた目をしていたと思う。そして、気付いてしまった。
────あれ?こいつなんか不細工になってね?
入院着という着こなせる人が少なさそうなものを着ているせいか、記憶の中にある元夫とはだいぶ印象が変わっていた。
え?ていうか何この品性のかけらもない感じ。あたしまじでこんなやつに惚れてたの??
「芹香」
「何でしょう」
「すっごくきれいになってる。……ははーん、なるほど。僕と離婚したのがそんなにショックだったか」
はい?
目がテンになっている私に構わず、元夫が私の肩に手を回してきた。
「僕の愛を取り戻そうと、自分磨きってやつに励んだんだろ?ん?」
「…………………………」
呆れてものが言えないとはまさにこのこと。
何かを言い返したかったけれど、思いは言葉にならず、頭を掻きむしりたくなった。
わぁぁぁぁぁ気持ち悪いよぉぉぉぉぉ
「ほら、僕の部屋行くぞ。個室だからゆっくり話せるだろ」
「え、ちょっと……」
ぐい、と強引に腕を引かれ、え?え??と困惑している私に(一応怪我人だから殴れねぇよきぃぃ)救世主が現れた────といっても最悪の。
「どうされましたか。お部屋がわからなくなりましたか?」
白衣に身を包んだ湊斗さんだった。
元夫は一瞬沈黙したけれど、病院のスタッフだとわかると横柄な態度をとった。
「いや、わかるから。彼女が見舞いに来てくれたの。それを部屋に案内するとこだから」
湊斗さんが驚いて私を見た。私は目で「チガウチガウ」と必死に合図を送った。
伝われいっっっ!!こいつは元夫だ!!!!湊斗さんの頭のいいところでこの状況を理解してくれっっっ!!
しかし仕事で頭は切れども、私生活や人間関係ではどちらかというとぼうっとしている湊斗さんに、察しろというのは少々難易度が高かったようだ。
「芹香さん、どういうことでしょうか」
「あああ」
「何?あんた芹香の知り合い?」
「……芹香?」
湊斗さんが眉をしかめた。これ以上悪くならないように、何かを言いかけた湊斗さんを制するように早口で言った。
「そうなのご紹介します元夫の雪丸晃さんですよろしくー。なんか事故でここに入院してたみたーい」
ここまで言えばさすがは湊斗さん、全てを理解したようだった。さりげなくIDカードを胸ポケットにしまおうとしたが、そこは元夫の反応が早かった。
「あれ?鈴木?鈴木病院の鈴木ってことはあんた……」
「わー雪丸さんいつまでもこんなとこうろうろしてたらいけないんじゃないほら美人の看護師さん達待ってるよ」
「えー?芹香が連れてってくれるのー?嬉しいなー。なんか妙な気分になるなーあはは」
よし、このまま乗り切ればあとは知らぬふりだ。
元夫の背をせかすようにぐいぐい押していると、湊斗さんの低い声が響いた。
「……待ってください。それは、看過できません」
湊斗さ────ん!!
光の速さで彼の口を塞ぎにいこうとしたが、遅かった。
「芹香さんは私の恋人です。元夫とはいえど、私の目の前でそういうことを許すわけにはいきません」
元夫の目が見開かれた。
「終わった~~~~!」
お礼状の最後の1通を書き終え、コトンと筆を置いた。
身体中に達成感がかけめぐる。
ぐぐっと伸びをし、そのまま首もゆっくり回した。
「あ~~~~」
「……おっさんが慰安旅行の温泉でくつろいでいるような声ですね」
後ろから聞こえてきた呆れたような声に、ばっと振り返った。
「加賀山さん!今呼びにいこうと思っていました」
「そうでしたか。丁度よかったです」
いつもと同じような淡々とした返事が返ってくる。けれどつい先日まであったとげとげしさはすっかりなくなり、友好的とまでは言えないけれど、少しは穏やかに接してくれるようになっていた。
(一体どうしたんだろ?この短期間に何があったんだ?)
きっちりオールバックにまとめていた髪もさらっと無造作に流してあり、近寄りがたさが緩和されているように思えた。
礼状を点検している加賀山さんをしげしげと観察していると、私の視線に気付いたのか彼が眉をしかめた。
「どうかしましたか」
「あ、いえすみません、加賀山さん、髪を下ろしたらずいぶん印象変わりますね。かわいいっていうかなんというか」
大人の男に「かわいい」は失礼だったかと口に手をやった。
てっきり怒り出すかと思った加賀山さんは予想に反して顔を少し赤らめ、はにかみそうになるのをおさえるように下唇を噛んだ。
「…………ありがとうございます」
「え?あ、あぁ、いえいえ……??」
「…………………………」
「わ、真っ赤。え、どうしたの?何があった??」
「……なんでもありません」
「????」
そっかそっか、私の言葉がきっかけで何か思い出したんだろうなぁ、と思うことにした。かわいいところあるじゃないか。
・・・
加賀山さんにお礼を言い、何かあったらまたいつでも駆けつける旨を伝え、お世話になった部屋を辞した。
最初は駐車場からこの部屋まで来るのがやっとだったけれども、ここ何日かで周りを見る余裕も出てきており、今日もまた探検気分でうろうろ歩き回っていた。
(ふふふ、ここの階段があそこのロビーに繋がってることも発見しちゃったもんねー)
たんたんたん、とリズミカルに降りていき、階段脇の自動販売機で飲み物を購入しているときだった。
「芹香?」
どこかで聞いたような、すごく聞き覚えのある声が鼓膜を揺らした。
「え?」
ここで、知らぬふりを通せばよかったのに。なぜ振り向いてしまったのか。自分を殴りたい。
「芹香じゃん。えー超久しぶりー!元気だった?」
振り向いた先にいたのは。
入院着で腕を三角巾でつっている────元・夫 雪丸晃だった。
・・・
「あ、えと」
舌がもつれる。義母と話していた私の悪口が頭をかけめぐり、身がすくんだ。
元夫の方は、離婚なんてなかったかのように、まるで、旧友と再会したときのように喜んでいるように見えるが、こっちはそうではなかった。
(────湊斗さんのことは、知られないようにしないと)
久しぶりの再会だというのに、一番最初に思ったことはこれだった。だって、彼は良い人間ではないから。自分の利益になると思えば食いついて離さない人間だから。
そんな人に湊斗さんが狙われるのは絶対に避けたかった。
テキトーに話しをして、この場をしのぎさえすればあとはなんとかなる。
ひきつった笑顔を貼り付け、会話を続けた。
「雪丸さん。お久しぶりです。ここ、一体どうしたんですか」
大袈裟に驚き自分の腕を触ってみせると、あぁこれ?と笑ってギブスをかざした。
「いやー赤信号で待ってたら居眠り運転の車が突っ込んできてさー。検査やらなんやらで入院してるのー。ま、ほんとは入院までしなくていいみたいなんだけど、この際だからもう休んじゃえみたいな」
「そうでしたか。あまり休まない人ですもんね。いい機会だからゆっくり休んでくださいねお大事に」
「ちょっと待てって」
足早に去ろうとした私の腕をとり、元夫がニコッと笑った。
「久しぶりだからさ、ちょっと話そーよ。あと雪丸さんだなんて他人行儀な呼び方しないでさ、前みたいにあきらでいいから」
「…………………………」
元夫を見据えた。私はずいぶん冷めた目をしていたと思う。そして、気付いてしまった。
────あれ?こいつなんか不細工になってね?
入院着という着こなせる人が少なさそうなものを着ているせいか、記憶の中にある元夫とはだいぶ印象が変わっていた。
え?ていうか何この品性のかけらもない感じ。あたしまじでこんなやつに惚れてたの??
「芹香」
「何でしょう」
「すっごくきれいになってる。……ははーん、なるほど。僕と離婚したのがそんなにショックだったか」
はい?
目がテンになっている私に構わず、元夫が私の肩に手を回してきた。
「僕の愛を取り戻そうと、自分磨きってやつに励んだんだろ?ん?」
「…………………………」
呆れてものが言えないとはまさにこのこと。
何かを言い返したかったけれど、思いは言葉にならず、頭を掻きむしりたくなった。
わぁぁぁぁぁ気持ち悪いよぉぉぉぉぉ
「ほら、僕の部屋行くぞ。個室だからゆっくり話せるだろ」
「え、ちょっと……」
ぐい、と強引に腕を引かれ、え?え??と困惑している私に(一応怪我人だから殴れねぇよきぃぃ)救世主が現れた────といっても最悪の。
「どうされましたか。お部屋がわからなくなりましたか?」
白衣に身を包んだ湊斗さんだった。
元夫は一瞬沈黙したけれど、病院のスタッフだとわかると横柄な態度をとった。
「いや、わかるから。彼女が見舞いに来てくれたの。それを部屋に案内するとこだから」
湊斗さんが驚いて私を見た。私は目で「チガウチガウ」と必死に合図を送った。
伝われいっっっ!!こいつは元夫だ!!!!湊斗さんの頭のいいところでこの状況を理解してくれっっっ!!
しかし仕事で頭は切れども、私生活や人間関係ではどちらかというとぼうっとしている湊斗さんに、察しろというのは少々難易度が高かったようだ。
「芹香さん、どういうことでしょうか」
「あああ」
「何?あんた芹香の知り合い?」
「……芹香?」
湊斗さんが眉をしかめた。これ以上悪くならないように、何かを言いかけた湊斗さんを制するように早口で言った。
「そうなのご紹介します元夫の雪丸晃さんですよろしくー。なんか事故でここに入院してたみたーい」
ここまで言えばさすがは湊斗さん、全てを理解したようだった。さりげなくIDカードを胸ポケットにしまおうとしたが、そこは元夫の反応が早かった。
「あれ?鈴木?鈴木病院の鈴木ってことはあんた……」
「わー雪丸さんいつまでもこんなとこうろうろしてたらいけないんじゃないほら美人の看護師さん達待ってるよ」
「えー?芹香が連れてってくれるのー?嬉しいなー。なんか妙な気分になるなーあはは」
よし、このまま乗り切ればあとは知らぬふりだ。
元夫の背をせかすようにぐいぐい押していると、湊斗さんの低い声が響いた。
「……待ってください。それは、看過できません」
湊斗さ────ん!!
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