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ぬくもり
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「はーい、ちょっと口開けてくださいねー」
美形の斗真くんの前で大口を開けるのは恥ずかしかったがそうも言っていられず、カバになった気持ちで口を開けた。
幸い中は切れておらず、唇の端をほんの少し消毒してもらっただけだった。
「うん、オッケー。今のところ大丈夫だと思うけど、もしこの後歯がグラグラし始めたり何かあったら歯科を受診してください。頭はふらふらしませんか?」
お仕事モードの斗真くんってこんな感じなんだー。
おぉぉ…と新鮮な気持ちで応対した。
「いえ、大丈夫です」
「1週間くらいは気をつけていてください。どんなに小さな変化でもいいので、何かあったら来てくださいね」
斗真くんがにこっと笑った。
「お大事に。君、俺は雪丸さんとちょっと話するから、この方をロビーまで送ってあげて」
「ありがとうございました。お騒がせして申し訳ありませんでした」
目がハートマークになっている看護師さんに連れられて雪丸の病室を出る。
閉まる直前のドアから見えた雪丸が、ひどく疲れた顔で口の端を上げた。
・・・
「ただいま────」
のろのろとバッグを置き、手洗いを済ませソファにぽてっと座った。
ほどよいかたさがゆったりと体重を受け止めてくれる。
たった数時間前のことなのに何もかもが変わってしまった気がして、ふぅとため息をついた。静かな部屋はここだけ世界から切り離されたようだ。
(……湊斗さんになんて説明しよう)
先ほど鏡で確認すると、口の端が見てわかるくらいには薄紫になっていて、湊斗さんが事情を知ったらどんな反応をするか、とても怖くなった。
そして、雪丸のことも、なんだかんだで心配ではあった。
(いや、あいつ個人はもはやどーでもいいんだけどさー。やっぱ従業員たちが心配じゃん?……)
思考の堂々巡りに陥っていると、いつのまにか眠ってしまっていた。
頬に誰かが触れる感触で目が覚めた。
バッと目を開けると、そこには優しげな、けれど眉をしかめた湊斗さんがいた。その安心感に瞳の奥がジンと痛んだ。声を出すと、かすれていてなんだか恥ずかしかった。
「あ、おかえりなさい。ごめん、私寝ちゃってて、あぁご飯の支度も今から……
「そんなことはいいです。出前でも頼みましょう。……大丈夫ですか?」
湊斗さんが頬にそっと触れた。指先から体温が伝わってくる。
「あ、えーと、うん、大丈夫大丈夫!────ていうかごめんねぇぇぇぇぇ勝手なことしてぇぇぇぇぇ」
罪悪感に押しつぶされ、頭を抱えるようにして謝罪した。湊斗さんがどんな顔をしているのか、怖くて見ることはできなかった。
そんな私を、あたたかなぬくもりがふわっと包んだ。
「……何を謝っているんですか。こんなときまで人の心配はしなくていいです」
ぎゅっと力がこもった。
「斗真から聞きました。怖かったでしょう。俺の力が及ばずに申し訳ありませんでした」
「え?え?湊斗さんは何も関係ないでしょ。私の方が雪丸が迷惑かけて申し訳ありませんでした……」
湊斗さんを見ると、拗ねたように眉根を寄せていた。
「こんなときにすみませんが、彼のことをまだ身内のような言い方するのはやめていただけませんか?元夫婦の絆を見せつけられているようで、あまりいい気はしません……」
湊斗さんがこんな風にはっきり意思表示するのは珍しい。すみません、と再度つぶやいた彼をとても愛しく思い、私も腕に力を込めた。
「ごめん」
「謝らせたいわけじゃないんです」
「うん」
そのままお互い何も言わず抱きしめあっていると、湊斗さんが落ち着いた声で話し始めた。
「……雪丸さんは大丈夫ですよ。話をして、だいぶ落ち着きました。予定通り明日退院です」
「そっか。ほんとにお騒がせしました…ってえーと、今のはなし」
湊斗さんがふっと笑った。
「あれ?もしかして湊斗さんも雪丸に会ったの?」
思いついた疑問をぶつけると、苦笑いして教えてくれた。
「実は、斗真と雪丸さんが激しい口論になりまして……。看護部から私の方になんとかしろと電話が来たんです」
「あぁぁそれは……そうだったんだ──」
「はい。斗真は経営のことはノータッチですので、何か雪丸さんの気に触ることを言ったみたいですね。殴り合いになる前に止められてよかったです」
柔らかく微笑んだ。
「医療法人と株式会社は違うかもしれませんが、経営者という立場は一緒ですので。腹を割って話してみると、雪丸さんもだいぶ気が晴れたようです」
退院してすぐに税理士先生のところに相談に行くって言ってましたよ、と聞き、心底ほっとした。
「────最初からそうすればよかったのに」
「ふふ、優秀な経理の方と喧嘩別れして『自分の力だけでなんとかしてやる』と意地になっていたそうです」
「もう、ほんと、何て言えばいいのか……」
呆れてものが言えないとはこのことか。なんだか力が抜けて湊斗さんの肩に顔を埋めた。
「安心しましたか?」
「うん、まぁ。ほら、やっぱ知ってる会社が潰れるって嫌なものだしさー」
この複雑な気持ちをうまく言語化できず、もどかしい。私を落ち着かせるように、湊斗さんがゆっくりと髪をなでてくれる。
「────で、ここからが本題です」
湊斗さんの声音に怒気が滲んだ。
「会社のことがあったといえど、女性を、ましてや芹香さんを殴るなんて許せません。今後一切芹香さんに近づかないよう約束してもらいました」
「えっ」
そんな警察みたいな対応を、と驚いていると湊斗さんは不機嫌そうに顔をしかめた。
「どうしても接触する場合は私が同席するようにしますので。いいですね?」
「……はい」
有無を言わさぬ雰囲気に、会議で詰められているようにタジタジになりながら返事をした。湊斗さんが少しため息をついた。
「……加賀山くんから聞きました。心配かけた私の落ち度もありますが、今度から異性と2人きりになるようなときは、事前に教えてください」
そんな場面は想像したくもありませんが、とむくれた様子に、思わず吹き出してしまった。
「────笑い事ではないです」
「ふふ……す、すみません、ふふ……」
くすくす笑い続ける私に湊斗さんはますます眉をしかめた。
「本当に、笑い事ではないです。芹香さんは俺の大事な女性なんです。泣く姿は見たくありません」
「泣いてませんて」
「涙を流すかどうかの話ではないんです」
湊斗さんが真剣な眼差しで私を見ている。
「気づいていないかもしれませんが、芹香さんはふと寂しげな表情をすることがあるんです。なんでだろう、ずっと思っていたのですが雪丸さんとのことが原因ではないかと」
────私の、心の奥がうずくのがわかった。
これから起こることが予想もつかず、けれどただただ恐ろしくなり腰が引けた。
また、思ってもいなかったことを指摘され傷つくかもしれない。
そんな私に、湊斗さんがよく聞きなさいと言わんばかりに頬に両手を添えた。
「俺は、芹香さんのことが好きです。勉強熱心なところも、ユーモアも、……雪丸さんから否定されていた所全てが俺にとっては愛しいんです」
「はじめて会ったときのこと、覚えていますか?」
「俺は、あなたに目を奪われました。なんてきれいな人なんだろう、こんな人とお会いできるなんて俺はなんてラッキーなんだって。あのときから、俺の人生は変わりました。……芹香さんも同じ気持ちでいてくれたらいいのですが」
そこまで言い、急に我に返ったように「失礼しました」と照れくさそうに顔に手をやった。
「急にすみません。精神科医でもないのに知った風な口をきいてしまいました。お許しください…って、大丈夫ですか?」
湊斗さんが、────大粒の涙をこぼす私を見てぎょっとした。
ポケットからハンカチを取り出し、涙をふいてくれる。
「湊斗さん……」
「はい」
優しい声。落ち着いた声音にますます涙があふれた。
「キスしていい?私ちょっと怪我してるけど」
私の突拍子もない提案に、湊斗さんが笑って頷いた。
「どうぞいくらでも。芹香さんが痛くない範囲で」
答えを聞き終わらないうちに、噛み付くように湊斗さんに口付けした。何度も何度も。
そして、湧き上がってくる幸福感にますます泣けてきた。
私は、ずっと、誰かに受け入れてもらいたかったのかな。
「そんなの映画や漫画の世界でしょ」なんて小馬鹿にしながらも、心からの愛の言葉を、囁いてもらいたかったのかな。
湊斗さんが私をベッドに運んだ。
「ごめん、なんか、涙が止まらない」
優しくキスしてくれながら、湊斗さんが困ったように微笑んだ。
「俺も泣きそうです。────幸せで、涙が出ることってあるんですね」
溶け合う体。
そしてその日は心までひとつになったような、不思議な感覚に陥った。
湊斗さんをぎゅっと抱きしめると、彼の綺麗な瞳に私が写った。
「……すき……」
「おれもです……んっ……せりか……」
このまま本当に湊斗さんとひとつになれたら、どれほど幸せだろうか。
そんなことを考えながら、閃光の中に、意識を失った。
美形の斗真くんの前で大口を開けるのは恥ずかしかったがそうも言っていられず、カバになった気持ちで口を開けた。
幸い中は切れておらず、唇の端をほんの少し消毒してもらっただけだった。
「うん、オッケー。今のところ大丈夫だと思うけど、もしこの後歯がグラグラし始めたり何かあったら歯科を受診してください。頭はふらふらしませんか?」
お仕事モードの斗真くんってこんな感じなんだー。
おぉぉ…と新鮮な気持ちで応対した。
「いえ、大丈夫です」
「1週間くらいは気をつけていてください。どんなに小さな変化でもいいので、何かあったら来てくださいね」
斗真くんがにこっと笑った。
「お大事に。君、俺は雪丸さんとちょっと話するから、この方をロビーまで送ってあげて」
「ありがとうございました。お騒がせして申し訳ありませんでした」
目がハートマークになっている看護師さんに連れられて雪丸の病室を出る。
閉まる直前のドアから見えた雪丸が、ひどく疲れた顔で口の端を上げた。
・・・
「ただいま────」
のろのろとバッグを置き、手洗いを済ませソファにぽてっと座った。
ほどよいかたさがゆったりと体重を受け止めてくれる。
たった数時間前のことなのに何もかもが変わってしまった気がして、ふぅとため息をついた。静かな部屋はここだけ世界から切り離されたようだ。
(……湊斗さんになんて説明しよう)
先ほど鏡で確認すると、口の端が見てわかるくらいには薄紫になっていて、湊斗さんが事情を知ったらどんな反応をするか、とても怖くなった。
そして、雪丸のことも、なんだかんだで心配ではあった。
(いや、あいつ個人はもはやどーでもいいんだけどさー。やっぱ従業員たちが心配じゃん?……)
思考の堂々巡りに陥っていると、いつのまにか眠ってしまっていた。
頬に誰かが触れる感触で目が覚めた。
バッと目を開けると、そこには優しげな、けれど眉をしかめた湊斗さんがいた。その安心感に瞳の奥がジンと痛んだ。声を出すと、かすれていてなんだか恥ずかしかった。
「あ、おかえりなさい。ごめん、私寝ちゃってて、あぁご飯の支度も今から……
「そんなことはいいです。出前でも頼みましょう。……大丈夫ですか?」
湊斗さんが頬にそっと触れた。指先から体温が伝わってくる。
「あ、えーと、うん、大丈夫大丈夫!────ていうかごめんねぇぇぇぇぇ勝手なことしてぇぇぇぇぇ」
罪悪感に押しつぶされ、頭を抱えるようにして謝罪した。湊斗さんがどんな顔をしているのか、怖くて見ることはできなかった。
そんな私を、あたたかなぬくもりがふわっと包んだ。
「……何を謝っているんですか。こんなときまで人の心配はしなくていいです」
ぎゅっと力がこもった。
「斗真から聞きました。怖かったでしょう。俺の力が及ばずに申し訳ありませんでした」
「え?え?湊斗さんは何も関係ないでしょ。私の方が雪丸が迷惑かけて申し訳ありませんでした……」
湊斗さんを見ると、拗ねたように眉根を寄せていた。
「こんなときにすみませんが、彼のことをまだ身内のような言い方するのはやめていただけませんか?元夫婦の絆を見せつけられているようで、あまりいい気はしません……」
湊斗さんがこんな風にはっきり意思表示するのは珍しい。すみません、と再度つぶやいた彼をとても愛しく思い、私も腕に力を込めた。
「ごめん」
「謝らせたいわけじゃないんです」
「うん」
そのままお互い何も言わず抱きしめあっていると、湊斗さんが落ち着いた声で話し始めた。
「……雪丸さんは大丈夫ですよ。話をして、だいぶ落ち着きました。予定通り明日退院です」
「そっか。ほんとにお騒がせしました…ってえーと、今のはなし」
湊斗さんがふっと笑った。
「あれ?もしかして湊斗さんも雪丸に会ったの?」
思いついた疑問をぶつけると、苦笑いして教えてくれた。
「実は、斗真と雪丸さんが激しい口論になりまして……。看護部から私の方になんとかしろと電話が来たんです」
「あぁぁそれは……そうだったんだ──」
「はい。斗真は経営のことはノータッチですので、何か雪丸さんの気に触ることを言ったみたいですね。殴り合いになる前に止められてよかったです」
柔らかく微笑んだ。
「医療法人と株式会社は違うかもしれませんが、経営者という立場は一緒ですので。腹を割って話してみると、雪丸さんもだいぶ気が晴れたようです」
退院してすぐに税理士先生のところに相談に行くって言ってましたよ、と聞き、心底ほっとした。
「────最初からそうすればよかったのに」
「ふふ、優秀な経理の方と喧嘩別れして『自分の力だけでなんとかしてやる』と意地になっていたそうです」
「もう、ほんと、何て言えばいいのか……」
呆れてものが言えないとはこのことか。なんだか力が抜けて湊斗さんの肩に顔を埋めた。
「安心しましたか?」
「うん、まぁ。ほら、やっぱ知ってる会社が潰れるって嫌なものだしさー」
この複雑な気持ちをうまく言語化できず、もどかしい。私を落ち着かせるように、湊斗さんがゆっくりと髪をなでてくれる。
「────で、ここからが本題です」
湊斗さんの声音に怒気が滲んだ。
「会社のことがあったといえど、女性を、ましてや芹香さんを殴るなんて許せません。今後一切芹香さんに近づかないよう約束してもらいました」
「えっ」
そんな警察みたいな対応を、と驚いていると湊斗さんは不機嫌そうに顔をしかめた。
「どうしても接触する場合は私が同席するようにしますので。いいですね?」
「……はい」
有無を言わさぬ雰囲気に、会議で詰められているようにタジタジになりながら返事をした。湊斗さんが少しため息をついた。
「……加賀山くんから聞きました。心配かけた私の落ち度もありますが、今度から異性と2人きりになるようなときは、事前に教えてください」
そんな場面は想像したくもありませんが、とむくれた様子に、思わず吹き出してしまった。
「────笑い事ではないです」
「ふふ……す、すみません、ふふ……」
くすくす笑い続ける私に湊斗さんはますます眉をしかめた。
「本当に、笑い事ではないです。芹香さんは俺の大事な女性なんです。泣く姿は見たくありません」
「泣いてませんて」
「涙を流すかどうかの話ではないんです」
湊斗さんが真剣な眼差しで私を見ている。
「気づいていないかもしれませんが、芹香さんはふと寂しげな表情をすることがあるんです。なんでだろう、ずっと思っていたのですが雪丸さんとのことが原因ではないかと」
────私の、心の奥がうずくのがわかった。
これから起こることが予想もつかず、けれどただただ恐ろしくなり腰が引けた。
また、思ってもいなかったことを指摘され傷つくかもしれない。
そんな私に、湊斗さんがよく聞きなさいと言わんばかりに頬に両手を添えた。
「俺は、芹香さんのことが好きです。勉強熱心なところも、ユーモアも、……雪丸さんから否定されていた所全てが俺にとっては愛しいんです」
「はじめて会ったときのこと、覚えていますか?」
「俺は、あなたに目を奪われました。なんてきれいな人なんだろう、こんな人とお会いできるなんて俺はなんてラッキーなんだって。あのときから、俺の人生は変わりました。……芹香さんも同じ気持ちでいてくれたらいいのですが」
そこまで言い、急に我に返ったように「失礼しました」と照れくさそうに顔に手をやった。
「急にすみません。精神科医でもないのに知った風な口をきいてしまいました。お許しください…って、大丈夫ですか?」
湊斗さんが、────大粒の涙をこぼす私を見てぎょっとした。
ポケットからハンカチを取り出し、涙をふいてくれる。
「湊斗さん……」
「はい」
優しい声。落ち着いた声音にますます涙があふれた。
「キスしていい?私ちょっと怪我してるけど」
私の突拍子もない提案に、湊斗さんが笑って頷いた。
「どうぞいくらでも。芹香さんが痛くない範囲で」
答えを聞き終わらないうちに、噛み付くように湊斗さんに口付けした。何度も何度も。
そして、湧き上がってくる幸福感にますます泣けてきた。
私は、ずっと、誰かに受け入れてもらいたかったのかな。
「そんなの映画や漫画の世界でしょ」なんて小馬鹿にしながらも、心からの愛の言葉を、囁いてもらいたかったのかな。
湊斗さんが私をベッドに運んだ。
「ごめん、なんか、涙が止まらない」
優しくキスしてくれながら、湊斗さんが困ったように微笑んだ。
「俺も泣きそうです。────幸せで、涙が出ることってあるんですね」
溶け合う体。
そしてその日は心までひとつになったような、不思議な感覚に陥った。
湊斗さんをぎゅっと抱きしめると、彼の綺麗な瞳に私が写った。
「……すき……」
「おれもです……んっ……せりか……」
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そんなことを考えながら、閃光の中に、意識を失った。
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