【R18】蕾の乙女は手折る花を誰に捧ぐ【完】

鯨井兀

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エピローグ・Ⅰ・


 言葉に出来ない想いを唇に重ね、私達は接吻を交わした。

「ん……」

 吐息を漏らし一度離れても、濡れた唇が名残惜しそうに再び迫ってくる。
 二度目は接吻も深くなり、彼の舌が中へと入ってきた。
 艶めかしい舌の感触に、頭の中まで蕩けそうになる。

(好きな人との接吻って、こんなに気持ちいいものなのね)

 舌の先から奥まで絡められ、唾液がいやらしく音を立てた。
 そして腰を抱かれたまま、彼の体がのしかかってくる。

 トサッ……と。

 背中が花畑に埋もれ、芳しい香りが二人を包み込んだ。

「……しても、いい?」

 熱を孕んだ魅惑的な瞳に見下ろされ、私は魔法にかかったように、うっとりして頷いていた。

「いい——わ、けないわね……!」

 うっとりし、うっかり流される所だったが、ここは思いっきり野外である。
 しかも天下の大帝国の一等地、皇宮の敷地内であり、恋人の実家の庭でもある。

(それについ先程、彼のお母様らしき亡霊をみたのよ。親子の美しい思い出の場所で、下半身を曝け出すなんて不謹慎すぎるわ)

 私は土葬前のように身を硬くし、胸の前で祈りの手を組んだ。

「何を言ってるの、エリオン。だめに決まってるでしょ」
「うん……そうだな。プロポーズして速攻で襲うなんて悪劣な男だ。それに、これから二人で指輪を見に行く予定だし」
「そうなの? でももう指輪は貰ったわ。素敵……とても気に入ってるの」
「んー、なら嬉しいけど、本当はちゃんと用意するつもりだったんだよ。でも店に行ったら〝指輪を勝手に選んでくる男は、夜が下手〟と。女達が話してるのを聞いて、恐ろしくて帰ってきたんだ」 
「それは、大変だったわね……。そうだ、私もエリオンに何かプレゼントしたいわ。指輪でも時計でも家具でも食器でもいいし。長く使えるものがいいな」

 思いつくものが、だんだん所帯染みていくのが悲しかったが、彼も嬉しそうに頷いていた。

「他に日用品も買わないとな。だから今から二人で街に行くんだけど。ちょっと待ってて」

 外套に隠れてわからないが、下半身のものが勃っているのだろう。
 腰を屈め、ガサゴソと。
 服の中に手を突っ込んだ彼は「うーん」と悩ましげに思案し、そして、

「ここでササッと出していい? すぐ終わる、見えないようして済ますから」
「え? まさか、この美しい花畑で、え? あなた、一人ですると言ってるの?」
「だって、すっきりしないと買い物にも集中出来ない。〝買い物中に上の空な男は、夜が下手〟と。そう話すのも聞いたんだ」
「だ、だとしても、お花畑に、出す、なんてだめよ! そんなことしたら、お母様も驚いて卒倒なさるわ」
「自慰が、だめ……っ?  俺、普通に今朝もしたよ?息子の自慰で驚いてたら、俺の母親は何千回ぶっ倒れ続けてるんだよ」
「今朝もしたの、じゃなくて。うーん、とにかく。ここに出しちゃだめよ。だったら私が口でするから、見せてみて」
「——……っ、いやだ、だめだ!」

 身を捩り、後退りながら涙目で拒まれる。
 男の股間に手を伸ばした女は、どうみても痴女である。

「そ……そんなに嫌がらなくてもいいじゃない。上手くはないけど、お花畑に出してしまうよりいいでしょ? お手伝いするって言ってるのに、嫌がられたら傷つくわ」
「だって。口でされて俺だけ一人でイくの、格好悪い。プロポーズして初めての事なら、初夜みたいなものなのに。エマは初夜なんてどうでもいいんだ、男の気持ちを全然わかってない」

 恥ずかしそうに口籠もる姿は、どっちが初夜の新婦かわからなかった。

(まずいわ。同棲0日目にしてお互いの意見がすれ違ってばかりよ……女に背を向けて自慰するのは格好悪くないだなんて、どういう定義なの? 男の股間、じゃなくて沽券こけんは難しいのね)

 とはいえ喧嘩をしたいわけでも、行為をしたくないわけでも全くないのだ。
 私はソワソワと辺りを見回し、

「ここでするの、エリオンは本当に抵抗はないの? 外だし、お母様との思い出もあるのでしょう?」
「……? 親の思い出と勃起が関係あるのか?」
「それは、わからないけど……っ。心情的なものが、どうなのかなって」
「心情?」

 難しい顔をしているのは、考えあぐねているわけではなく。
 なかなか自慰の許可が降りない、生殺しのような股間が問題なのだろう。

「俺にはよく解らない。母親はもう居ないけど、エマはここに居る。エマといると、どこでもいやらしい気持ちになるよ」
「それは、ん……嬉しいですけど。時と場合と、場所ってものがあるじゃない」
「流石に街中のあちこちで襲ったりはしない。でも、ここは誰も来ないから。二人っきりって思いながらレロレロ舐めてたら、普通に勃っただけなんだけど。俺はそんなに変なのか?」

 苦悶を滲ませた顔で、今朝も自慰をしたという股間と向きあっていた。
 私も意を決して彼と向き直り、

「本当に、ここには誰も来ない?」
「来ないけど。そんなに気になるなら、向こうに行くよ。東屋もあるし」
「東屋」

「うん、東屋」と頷いてから、私の冷ややかな視線にようやく気がついたらしい。

「……東屋は、よくないな。あれはすぐに取り壊そう」
「私も、2人きりなら、どこでもいいのよ」 
「え?」
「こんな素敵な場所で、夢みたいなプロポーズをされて。世界に一つきりの指輪を贈られたのだもの。二人の最初の思い出も、ここでしたら……一生忘れられないね」

 彼の外套に手を伸ばしボタンを外していく。
 それには彼もゴクリと喉を鳴らし、大人しく受け入れるのだった。

「エ、エマ」
「なに?」
「俺、避妊薬を飲んだから、しても、できないよ」
「え?」
「薬、飲んだから、子供はできたりしないけど。不安なら、外出しするから。だから、これって、してもいい、雰囲気……?」

 私の顔色を窺い、覗き込む瞳。
 熱を孕んで、沈む夕日のように揺らいで見えた。

「うん……私もエリオンとしたいもの」
「本当か……? よかった…… 嬉しい……。本当はだめって言われても、凄くしたかった」
「ふふ、だめって言ってごめんね。でも男の人が避妊薬だなんて初めて聞いたわ」

 避妊については一通り勉強したつもりだ。
 少し前までは偽の婚約者を探していたくらいで、妊娠など無縁の話だったが。
 それが今ではこんな素晴らしい恋人がいるのだから、大事な事だ。
 避妊薬は広く出回っているが、総じて女性が服用する。
 男性避妊の場合は、去勢、もしくは機能障害という弊害付きの禁制の術しかないはずだ。

(薬と言ったし、勿論、施術は受けてないようだけど)

 私は下穿きの中で立派な存在感を主張するものを、まじまじと見つめ、

「体は、大丈夫なの?」
「問題ないよ」

 この世に絶望しかけていた青年は、嬉々として答えていた。
 私の修道服のリボンを外しながら、鼻歌でも聞こえそうなほど上機嫌である。

「男の避妊薬なんて売れないゴミだと魔塔の年寄りには笑われたけど。俺には必要だし、とりあえず月単位に調整したんだ」
「え……じゃあ、薬はあなたが作ったの?」
「そうだよ。エマは薬が苦手だろ? だから俺が飲むことにした。そうすれば朝も晩も、いつでもしてもよくなる。いい事ずくめだ」
「エリオン……」

 リボンが解け、華奢な手が肌に触れる。
 胸の膨らみを確かめるように肌を這い、そのまま後ろへ押し戻されていく。
 体は再び花畑へ埋もれ、愛おしげな眼差しで見下ろされる。
 私もまた微笑み返し、感謝を伝えた。

「ありがとう……私の為にいっぱい考えてくれたのね。ますます貴方が好きになりました」
「……じゃあ、いっぱいしてもいい?」

 耳元で声で囁かれると、全身が粟立った。
 私も愛おしく彼の首に手を回し、

「いい、ですよ」

と、その体を抱きしめた。
 彼はささやかな胸を揉み上げ、ふくらみに舌を這わせていく。

「ん……は、ぁ」

 まだ始まったばかりなのに、触れらる度に体がゾクゾクと震えた。

(ど、どうしよう。久しぶりだからと緊張していたのに。もう濡れてるみたい)

 淫らにも触れられてもいない場所まで疼き、子宮のあたりが感じてしまう。
 恥ずかしさから膝を擦り合わせると、股から、くちゅ、と。
 すっかり潤んだ水音がするのだった。

「エ、エリオン……もう、挿れて、欲しい」
「だめ……もっと気持ちよくしたい。前は殆ど頭が真っ白だったから、初夜はちゃんとするんだ」
「で、でも、あ……ッ、うう」

 割れ目を長い指になぞられ、腰が浮く程に感じてしまう。

 ヌチュ、ぬちょ……ちゅぷ………

 指が滑るだけで卑猥な音がして、思わずきつく膝を閉じた。
 けど彼はなおも指を喰いこませ、ついには敏感な肉芽をカリカリと爪先で擦り上げてきた、

「あッ、あッ、はぁ……ッ」 
「ここ、舐めてもいい? 前したとき、いっぱい中から汁が溢れてきて、気持ち良さそうだったから」
「だ、だめ、今日はだめ、体が変なの」
「本当にだめ? ……初夜でもだめなの?」

 ねっとりと胸に舌を這わせながら、上目遣いに色めいた視線を向けられる。
 答えずにいると、代わりに乳首が弄ばれた。
 指で捏ねられ、唇で喰む。
 舌先でチロチロと弾かれ、ついには強く吸いつかれる。
 まるで下の秘所も〝こうして舐めたい〟と言われているみたいだ。

(なんてことなの…… いつの間にこんないやらしい事を覚えたの。私の可愛いエリーが立派な雄になってしまったわ)

 我慢しすぎたせいか、男からは閨事を楽しむ余裕すら感じる。
 約三度目にして、女との駆け引きまでも楽しんでいるようだった。

 ささやかな胸を堪能していた舌が、脇腹からさらに下へ——

「舐めなくても……挿れるとこ間違うと大変だから、確認する」
「え……っ、うそ……!」

 垂れた髪が肌を擽り、秘部へと向かっていく。

「そっち、やだってばぁ……! 意地悪してる……ッ」
「意地悪じゃない。下手だと浮気されるから、俺は真面目にやってるんだ」
「あ、ちょっとぉ……っ、あうぅ」

 確認事項だとのたまい、指でグイと剥かれる肉芽。
 外気にされされ、ヒクヒクと震えるのが自分でもわかる。

「……このちっちゃいやつ、普段は隠れてるんだよな、かわいい……触ると、やっぱちんこみたいに気持ちいいの?」
「ち……ッ?! ア、あぁっ」

 女陰から溢れた滴りを指に絡め、小さな芽に擦り込まれる。
 堪らず私は仰け反り悲鳴をあげた。
 そしていつの間にか股座の頭を鷲掴み、太腿で挟んでいた。

「わ、なにこれ、えろい」

 己の頭をヘッドロックしてきた太腿をさすり、にやける帝国の廃王子。
 聖女であった母親が草葉の陰で卒倒していないか心配である。
 彼を突き放したいのに、体は雄を捕食して離さない。

(こ、これじゃ無理矢理舐めさせようとしているみたいだわ。でも、気持ちよかった、もっと……いやだめよ、すぐに気をやってしまうもの)

 理性と欲望が嵐のように脳内でせめぎ合っていると、

「エマ……痛いことしないから、離してよ」
「うう」
「気持ちよくなるのが嫌なのか?」
「だって、変になるもの。顔も声も、体も全部……恥ずかしから、見られたくない」
「俺は全部見たいけど、だめなの?」
「ぜ……全部が、だめってわけじゃないけど」 

 口籠もりながら、ふと気付くのだった。
 普段の私なら、こんな我儘を言ったりしないのに——と。
 特に閨事では男に従うものだと習ったし、拒んでも力では敵わないと知っているから。

(私は彼に甘えているのね。エリオンは本当に嫌がる事ならしないし、乱暴したりしないもの)

 股座に挟まれようと、私の王子様は変わらず田舎娘の意見を聞こうとしてくれるのだ。

「嫌なら舐めないよ。じゃあ、このグチョグチョの中に指挿れるのは、していい?」
「……いいよ、して欲しい」
「わかった」

 悪意のない笑顔で頷かれ、私も観念して首固めを解いていた。
 彼の指が中に入ってくるのを待つ状況は、再会した日の事を思い出させる。

 つぷり……

 ぬかるみに入ってくる感触に、まだゾクゾクの腰が震えた。

「痛くない?」
「うん……エリオンの指、気持ちいい」
「よかった」

 もう片方の手は私の手を握り、長い指を動かしていく。

「ン、はぁ……ん……」

 ちゅぷ、ちゅぷ……と。

 摩るような、もどかしい程に優しい手淫だ。
 それでも止めどなく溢れる愛液が泡立っていくのを感じる。

(恥ずかしい……けど、気持ちいい。もっと、奥までして欲しい……)

 達しそうになるけど、繋いだ手の温もりが不安を消していく。
 欲望に飲まれても、引き戻してくれる手があるのだと。
 そう思うと、強張っていた体が脱力していく。

「エリオン……」

 私は朦朧もうろうとしながら彼の手を握り返し、自ら恥丘を押し広げていた——

「もっとして……ここも舐めて欲しい」
「うん……優しくする」

 舌が包皮ごと舐め上げ、啄み、次第に剥かれていく。
 露わにされた肉芽に舌の感触が触れ、腰が一人でに浮き戦慄わなないた。

「アッ………はぁッ、ン、あぅぅ」

 押し寄せる快楽に、腰が跳ねるのが止まらない。
 さらに彼の頭を股座に押し付け、腰をくねらせていた。

「エマ、イきそう?」
「う、ん……も、アッ、あ、あ、ンン——……!」

 固くなった肉芽を、ヂュ、ちゅぅぅ、と強く吸い付かれると、あっという間に達してしまった——  

(優しくする、の定義があわないわね……)

 脱力し、ぼんやりと見上げていた空はどこまでも広く澄んでいた。
 花畑を揺らし、吹き寄せる風が露わになった肌を撫でていく

「エマ、俺、もう挿れたい」

 切なげに見下ろす愛しい私の王子様。
 けど、ふと思い返せば、
〝初夜なのに一人で果てるのは格好悪い〟と。
 そう宣いながらも女は一人で果てさせた男である。

「……もう我慢出来ないの?」
「うん……エマの中に挿れたい」

 私はフラフラと上体を起こし、彼と向かい合う。
 男は既に自身の滾った立派なものを、下穿きの上から握り締めている。
 私はその手を包み込み、

「私も、したいな」
「え」
「私もエリオンが気持ち良くなってるとこ、見たいわ」
「……あっ」

 下穿きの上から硬く張り詰めたもの握る。
 そして、ゆっくりと扱きながら、彼の頬に首筋に、胸元に。
 舌を這わせ、ちゅ、ちゅ、と口付けをおとしていく。

「だめ、待って、で、出ちゃう」
「私もして貰ったから、あなたも気持ちよくなって欲しいの。初夜は、二人で気持ちよくなるものでしょ?」
「い、意地悪してる……!」
「意地悪じゃないの。私も下手だと浮気されるから、真面目にしてるのよ?」
「アッ。ちょお……っ」

 腰紐を解き下穿きをおろすと、お腹に張り付くほど反り返っている。
 私は乱れた髪を耳に掛け、彼の肉竿に頬擦りする。

「ふふ……エリオンのここも、舐めて欲しそうだね」
「アッ、ま、待って……ッ、ああッ」

 反り返った昂りに手を添え、舌を這わせた。
 血管が浮き出て、先端からは透明な液が溢れる。
 張り詰めた陰嚢も撫でながら、下から上へと焦らすように舐め上げた。

「痛くない?」

 逞しい肉竿を握り、手を動かしながら愛しい人を見上げる。
 彼もまた、口元を手の甲で覆いながらも、こちらを見下ろしていた。
 熱を孕んだ瞳で、彼のものを舐めあげる私を凝視するのだった。

「痛くない、き、気持ちいいです」
「良かった……これは? 気持ちいい……?」

 陰嚢を弄びながら、竿を横から唇で喰んでいく。
 彼は無言で何度も頷き、私の髪を撫でていた。

「さ、先っぽも、舐めて欲しい」
「うん、いいよ」

 私も嬉しくなって、嬉々として雁首を舌先で擽り、そして口に含んだ。

「う、ハァ……ッ、ああ……」

 喉を反らせ喘ぐ声。
 愛する人が快楽に悶える姿を、特等席で見ていられる。
 口淫は苦手だったのに、喜びすら感じるのだった。

(彼を感じさせているのが自分の行為だなんて。堪らなく幸せなことだわ。そっか……もしかして、エリオンもそんな気持ちだったのかな)

 そう思うと急に申し訳ない気持ちになった。
 仕返しのように意地悪から始めた行為で、いたずらに弄んでは可哀想である。
 それに彼の腰が揺れ始め、自制も効かずに口で果ててしまいそうだ。

「だめよ、出しちゃ」

 ちゅぽ……っ
と、先端から口を離し根元を抑えた。すると、

「う、う、うわぁ、もう玉が痛ぃぃ」
「エッ、た、玉? どうして?!」
「わかんないけど……ハァ、あ……ッ。も、もう、挿れたい、だめなの? 俺のちんこ、おかしくなりそうなんだけど!」
「だ、だめじゃないよ、ごめんなさい……私もして欲しい、出来る?」
「うう……ッ」  

 彼は私を抱きしめ、そのまま押し倒す。
 そしてすがるように頭を擦り付け、喚いていた。

「出来るけど、すぐ出ちゃうっ。頑張っても頑張れない……とても悲しい、俺は、やっぱり早漏なんだ……!」
「えええ……」

 そんな告白を聞かされては、お母様も草葉の陰で泣き崩れているに違いない。

「うーん? 早いとか、そんな事はないと思うけど」

 言葉を尽くして慰めたかったが、一般的な性行為の長さなど解らない。
 ましてや私の経験談を伝えるわけには——絶対にならないのだ。

(そんな非道な事をしたら草葉の陰から射殺されかねないわ)

 私は愛しい人の頭を撫で、とりあえず「大丈夫だよ」と励ました。

「それにエリオンは、いっぱいしてくれるんでしょ? 」

 そう耳元で囁くと、晴れやかに目を輝かせる。
 そして何度も頷き、

「できる。ちんこはすぐ勃つ」
「す、すごいね、エリオンは。やっぱり格好いい」
「ん」



 言葉に出来ない想いを唇に重ね、私達は本日、三度目の接吻を交わした。
 押し倒されるのも三度目であり、三度目の接吻は貪り合うような情熱的なものだった。

 結局、どんな行為でも、どんな言葉でも。
 彼がしてくれる事の全てが私を幸せにしてくれるのだ。
 たとえ、「え?」と目を瞬くような束の間の交わりでも、私は深い幸福に満たされていた。

「エリオン、愛してます。どんな貴方も、私の好みです」
「……腰を三回振って果てる男が、エマの好みなの」
「………」

 お腹にじんわりと広がる子種の温かさを感じながら、

「初夜は長いのよ。今日はいっぱいしてね」

と。
 束の間に果てた彼を胸に抱きしめ、慰めるのだった。

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