からっぽのココロ

Susyu

文字の大きさ
1 / 1
序章

前日

しおりを挟む
 「…山﨑さんは、今日もお休みです」
先生の声が、ぼそっと、その人の名前を呼ぶ。
もう1ヶ月来ていない。
 「今日もあいつ休みかよ、俺の隣なんやけど…マジめんどい、ペア学習」
同じクラスで、高校から知り合った友人の滝口航が、そう呟く。
 「仕方ないよ、病んでるらしいし」
 「俺何もしてねぇぞ!?…なんかしたっけな俺…」
何気に心配してあげてる航に、胸が少し温かくなる。
 「ところでよ、今日夢でおもろいの見たんよ!」
突然、航が僕の腕を引っ張りながら、図書室に行こうと言い始めた。面白い夢は図書室の夢なのだろうか。
 「なにしてんのー?」
廊下で友達の安藤美姫と話してた幼馴染の日野綾香が、廊下に突然出てきて走ってどっか行こうとしている僕らに聞いてきた。
 「なんか、こうが図書室行きたいらしくて」
 「おもろい夢見たんよ!お前らも来い!」
そう言うと、航はまた走り始めた。後ろを2人がついてきているのが、音でわかった。
 
 図書室に着くと、航は奥から3番目の本棚に歩いて行った。そして、赤い表紙の本を手に取った。
  『からのココロ』
 「…からのココロ?」
「そうなんだよ!この本が出てきて、なんか、それで…!とにかく、おもろい本かもしれねぇ!」
 面白げに、航はその本を開いた。しかし、その瞬間、図書室の雰囲気は異様になった。
「…ん?なんか気持ち悪りぃな」
安藤さんと日野さんも、顔色が悪くなっていた。
重たい、息ができない。何かいる、何かが目の前にいる。
 
 「アナタノココロ、ウーバッタ」

そこにいたのは、もう1人の自分。

そこから、僕は何も考えられなくなって、その場で倒れて、寝てしまった。

それは、悪夢の始まりだった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

意味がわかると怖い話

井見虎和
ホラー
意味がわかると怖い話 答えは下の方にあります。 あくまで私が考えた答えで、別の考え方があれば感想でどうぞ。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

むしゃくしゃしてやった、後悔はしていないがやばいとは思っている

F.conoe
ファンタジー
婚約者をないがしろにしていい気になってる王子の国とかまじ終わってるよねー

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

〈本編完結〉わたくしは悪役令嬢になれなかった

塚本 結理
ファンタジー
「返しなさい! その体はわたくしのものよ!」 ある日ルミエラが目覚めると、転生者だという女に体を奪われていた。ルミエラは憤慨し、ありとあらゆる手を尽くして己の体を取り戻そうとする。 これは転生者に人生を奪われたひとりの少女のお話。

処理中です...