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第三章 ハンター編其の一 王都を騒がすにゃ~
番外編 猫とマタタビ
リータとの共同生活が始まり、数週間が経ったある日、わしは庭で次元倉庫の整理をしていた。
「猫さ~ん?」
「にゃ? 庭にいるにゃ~~~」
「あ、庭でしたか」
わしがリータの呼ぶ声に応えると、リータは居間を通り抜け、縁側に腰掛ける。
「どうしたにゃ?」
「いえ。用は無いのですが……何をしていたのですか?」
「収納魔法に入っている物の整理にゃ。いっぱい入るから、つい入れ過ぎてしまうにゃ」
「ほへ~。こんなに入るのですか」
少し出し過ぎてしまったな。今日は植物中心に片付けようとしたら、庭が緑に変わってしまった。
見た事もない植物を適当に入れていたんじゃが、ハンターギルドから有料で借りて来た植物図鑑を見ながら仕分けしたけど……ほとんど雑草じゃった。
リータも初めて仕事をした時に、雑草を拾い集めていたけど、人の事は言えないのう。
「なんだかいろんな草がありますね。何に使うのですか?」
「えっと……ゴニョゴニョ」
「まさか雑草ですか?」
「う、うんにゃ」
「猫さんも、私と一緒の事をしてたのですか!?」
「猫だにゃ~。資料も無いのに解るわけないにゃ~」
「そうですけど……じゃあ、なんで集めていたのですか?」
「美味しい草は無いかにゃ~?と思って、適当に集めていたにゃ」
「あ! 猫さんの料理には香草がいっぱい入っていますね。そうやって集めていたのですか」
「そうにゃ。適当に持ち帰って、味見していたにゃ。取りに戻るのが面倒だったから、大量に入れてたんにゃけど、捨てるのを忘れていたにゃ」
「じゃあ、ここにあるのは全部ゴミですか?」
「まぁそうなるかにゃ?」
「この草もですか~」
リータは縁側に別けていた草を手に取り、くるくると手遊びをする。
「あ、そこにあるのは、使うかもしれないヤツにゃ。危ないから、すぐに手を離すにゃ」
「え?」
「いま持っている草は、毒があるから絶対に口に入れるにゃ。あとでしっかり手も洗うにゃ」
「ど、毒ですか!?」
リータは慌てて、草を投げ捨てる。
「そこまで速攻性は無いみたいにゃけど、ちょっとかじっただけで、酷い目にあったにゃ」
「どうしてそんな物を持ち歩いているのですか?」
「罠とかで使えるかもとかにゃ。結局、使った事がないにゃ」
「これが全部、毒草ですか……」
「いや、全部と言う訳じゃないにゃ。これにゃんかは、いい匂いにゃ」
わしはリータに草を渡す。リータは少し躊躇しながら受け取って、匂いを嗅ぐ。
「あ! 本当です。甘い匂いですね~」
「にゃ~? でも、かじったら舌がピリピリしたから、食べちゃダメにゃ」
「やっぱり毒草じゃないですか!」
「にゃ!? ポコポコするにゃ~」
リータは怪力で、わしをズシズシと叩く。痛くはないけど、打撃が重たいので埋まってしまいそうだ。
リータの質問に答えながら断捨離を進め、要らない草は肥料代わりに、庭の木の根元に埋める。余った草は、街の外で捨てるので次元倉庫行き。今度は忘れないようにしなくては。
一通りの処置が終わると、縁側に別けていた毒草に目をやる。
「残りはどうするのですか?」
「毒草は街中で燃やすと、煙がどうにゃるかわからないから、安全そうな場所で燃やそうかにゃ? 危ないから、もう仕舞うにゃ~」
「あれ? この実は入れないのですか?」
「う~ん……どうしようかにゃ~」
わしは縁側に残った実を手に取り、まじまじと見ながら考える。
「それはなんですか?」
「マタタビにゃ。わし達、猫にとってはお酒みたいなモノにゃ」
「お酒ですか……飲んだら次の日、頭が痛くなりました」
「にゃはは。あの日は飲み過ぎていたにゃ。ほどほどに飲めば楽しいものにゃ。スティナは酒のせいで、面倒くさかったけどにゃ」
「そうなんですか……猫さんは、飲んでも変わらないのですか?」
「自分の適量がわかっているからにゃ。そう言えば、昔、家族でマタタビを食べた時も、わしだけにゃにも変わらなかったにゃ~」
「へ~。ご家族はどうなったのですか?」
「大変だったにゃ~。みんにゃ手加減が下手になったから、怪我するところだったにゃ~」
「あははは。そのわりには楽しそうに話すのですね」
「まぁお酒の失敗談は面白いからにゃ。にゃんだか話をしていたら、マタタビ食べたくなったにゃ。パクっと」
わしは家族との懐かしい思い出と共に、マタタビを噛み締める。
「お味はどうですか?」
「うん。変な味にゃ~。パクパクッ」
「美味しく無いと言うわりには食べてますよ?」
「パクッ。にゃ? 本当にゃ~。パクッ。にゃんだか、久し振りに食べたら止まらにゃくなって来たにゃ~。パクッ」
「お酒なんですよね? 大丈夫ですか?」
「パクッ。う~ん……少し顔が熱くにゃって来たかにゃ? パクッ」
「けっこうな量を食べてるのに強いのですね。全然、変わりません」
「ひょっとしたら、わしの場合は、お腹が減るのかにゃ~? パクッ」
「なんですかそれ~。あははは」
「にゃははは」
二人で笑っていると、玄関で誰かが呼ぶ声が聞こえ、わしが向かおうとするが、リータが自分が行くと言い張るので、お願いする。
しばらくすると、見慣れた顔の、肌を露出した人物を連れて戻って来た。
「スティナさんでした」
「シラタマちゃん。お風呂借りに来たわよ」
「ゴロにゃ~~ゴ~~」
「え? 猫さん?」
「にゃ? にゃんか変にゃ……」
「どうしたの~?」
「ゴロにゃ~~ゴ~~」
「本当にどうしたのですか?」
「わ、わからないにゃ~」
「もしかして……私を見て盛ってる?」
「ゴロにゃ~~ゴ~~」
そう。わしはマタタビで酔ったせいで、スティナのエロイ体に盛ってしまい、変な声が出ている。
「猫さん!!」
「ち、違うにゃ~!」
「本当かな~? フゥー」
「にゃ! 寄るにゃ……ゴロにゃ~~ゴ~~」
「やっぱり……」
「ゴロにゃ~~ゴ~~」
「なんで、スティナさんなんですか!」
「違うにゃ~~~!」
「違わないじゃない?」
「ゴロにゃ~~ゴ~~」
「ほら……」
「触るにゃ……ゴロにゃ~~ゴ~~」
「また……」
「違うって言ってるにゃ~~~!!」
「フゥー」
「やめて……ゴロにゃ~~ゴ~~」
わしはスティナに面白がられ、体もいじられて何度も盛った声を出さされた。その都度、リータが涙目でわしをポコポコ。
スティナのセクハラと、リータのポコポコから逃れる為に、わしは屋根の上まで逃げる事となった。
この日を境に、わしがマタタビを口にしなくなったのは、言うまでもない。
「ゴロにゃ~~~ゴ~~~」
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